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継母の嫌がらせで冷酷な辺境伯の元に嫁がされましたが、噂と違って優しい彼から溺愛されています。  作者: 木山楽斗


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33.隠された関係性

「えっと、お二人は一体……」

「ああ、すみません。まずは自己紹介をするべきですよね。私は、ミラーナといいます。こっちはジルースです……えっと、フレイグ様とは、知り合いというか、なんというか……」

「まあ、領主と領地の民で、顔見知りといった所でしょうか」

「そ、そうなんですね……」


 ミラーナさんとジルースさんは、私に自己紹介をしてくれた。

 ただ、その自己紹介は少しふわふわとしている。なんというか、隠していることがありそうだ。

 特に、二人とフレイグ様の関係が気になる。その部分に、何か重要なことが隠されている気がするのだ。


「ジルースは、それだけではないよね? だって、ジルースのお兄さんは……」

「ああ、そうだね。僕の兄さんは、フレイグ様の屋敷で働いているんです」

「あ、シャルドさんの弟さんなんですね」

「はい、そうなんです」


 どうやら、ジルースさんは執事のシャルドさんの弟さんらしい。

 確かに、よく顔を見てみれば、二人は似ている気がする。

 だが、それは別に隠していた事情という訳ではなさそうだ。もっと別の重要な何かがあるはずである。


「それで、あなたは……」

「あ、私はアーティア・マルネイド。その、フレイグ様の婚約者です」

「婚約者……やっぱり、そうだったんですね」


 私の言葉に、ミラーナさんは笑顔を見せた。それは、非常に楽しそうな笑みである。

 その笑みを私は知っていた。ラフードが私やフレイグ様の関係性を色々と言う時の笑みと似ているのだ。


「フレイグ様にも、ついに婚約者ができたんですね……」

「……それがどうしたというんだ」

「いやぁ、なんだか楽しそうな話だなぁと思いまして……」

「別に楽しい話という訳ではないだろう。貴族としては、当たり前のことだ」


 ミラーナさんの言葉に、フレイグ様はそう返答した。

 その反応で、彼がどうして彼女を見た時に気まずそうな顔をしていたかを理解する。恐らく、こうやって絡まれるが彼は嫌だったのだ。

 その気持ちは、わからない訳ではない。私も、つい先日ラフードに色々と言われて、面倒に思ったからだ。


「ミラーナ、良くないよ。そういうのは……」

「ジルース、別に私は普通のことを言っただけだよ。婚約というのは、楽しいことであるはずだよ」

「そ、そういう人ばかりではない訳だし……」


 そんなミラーナさんをジルースさんは諫めた。

 どうやら、彼の方はフレイグ様のことをからかったりするつもりはないようだ。

 なんというか、二人は正反対の性格のようである。活発なミラーナさんと穏やかなジルースさん、二人は本当にフレイグ様とどういう関係なのだろうか。

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