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ep-6 テキトーキャラの俺、復活w

 それから二週間ほど、俺と吉野さんはあちこち飛び回った。


 まず社長をうまくダマ……丸め込ん……説得して、タマゴ亭異世界二号店のための資材と金を出させた。


 予想通り赤くなったり青くなったりして怒鳴ってたから、信号機みたいで面白かったわ。あれもう芸人になれるな。キレ芸で。俺がツッコミやるわw


 国王のとこにも、数度通ったよ。吉野さんと一緒のオフィシャルな奴と、俺とレナだけでこっそり密会した、非公然な奴と。


 王立図書館のヴェーダ館長は棚卸しの時期で大忙しだってんで、面会をやんわり断られた。なにそっちは旅立ってからまた戻ってきて聞き込みすればいい。どうせ毎朝飛び先選べるんだし。たいした問題はない。


 寿命を五十年も縮めたとか打ち明けるといろいろ面倒なので、密会でも、それは言わなかった。ただ、寿命を延ばす延寿えんじゅの秘法やらアイテムやらの情報や噂、資料等を求めてな。


 王女探索の謝礼として、王からは例によってダイヤを死ぬほどもらった。国王の産地証明書類だけで、かなりの分厚さになったくらいだし。


 王国津々浦々にあるの全部って話だったから、今後はなかなかないだろうけどさ。もう枯渇したみたいだしな。


 いずれにしろ、目立たないように日本に持ち帰るのが大変だったわ。何度にも分けてな。


 老舗宝石商、銀座天猫堂の貴船さんにもせっつかれてるから、また小さいダイヤ、ひとつ持ち込むわ。……てか今後、複数卸すときのテストとして、とりわけ小さいのを三つほど同時に持ち込んでみるかな。大きなの三つだと大騒ぎになるだろうから、なるだけ小さい奴だけな。


 アーサーとももちろん密会したよ。蛮族情報を聞く合間に。それとグリーンドラゴンのイシュタルとも、ドラゴンの珠を通して会話した。


 結局、延寿に関する決定的な情報はなかったけれど、いくつかの有力なヒントや手がかりは得ることができた。


 なに、俺は今すぐ死ぬわけじゃない。いつもどおり遊んでサボりながら地図作りしてりゃ、そのうちひとつやふたつ見つかるだろ。


 年にひとつ、数年延ばす秘法が見つかれば、もうその年は「寿命黒字」だ。


 俺はいつの間にか寿命なんて追いつき追い越して、むしろ超絶長生きになっちゃうかもしれないぞ。そんときゃ吉野さんの寿命も延ばすしな。


 前向きなレナに励まされて(ついでに夜は夜で夢で癒やしてくれるし)、俺はどんどんテキトーキャラの「平均たいらひとし」を取り戻した。


 もう俺は大丈夫さ。


 王都を出る準備も終わったし、明日の朝は、会社から王都に転送してもらって国王に旅立ちの挨拶。それでいよいよ蛮族の地へと、地図作りながら遊びながら向かうわ。楽しみだ。



●次話で第二部完結です!

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