表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

プロローグ

 春。

 誰もが新しい生活に一喜一憂する季節。クラス替えでは「まーた○○と同じクラスだわー」だの「○○君と同じクラスになっちゃった♡」と言う者もいれば、見るからに緊張してる新入生、忙しそうに会社へ向かう社会人たち。そんな人達で溢れかえっていた。


 かく言う俺も一喜一憂しているものの1人である。


 ……一憂の方ではあるが……。


「なんで壁がねぇんだよぉぉぉぉぉ!!!」


 時は、少し巻きもどる。



 今日から高校生になるため、親が一人暮らしのためのアパートを借りてくれた。と言ってもあくまで「一人暮らし」のためのアパートであり大した広さは無い。6畳一間と押し入れ、キッチンがあるだけの簡素な部屋だが。


 ちなみにトイレは共用で風呂は無いが、近くに銭湯があるので問題は無い。一人暮らしをするのにはもってこいの部屋である。


 ただ一つ文句を言うのであれば築50年はいってそうなボロっちい見た目という所だろうか。せっかく親が借りてくれたのだし仕方無い。


 大家に連れられ来た部屋は201号室。階段から1番近い部屋だ。隣には202、その隣には203があるだけだ。


「最近は学生さんがよくウチのアパートに入ってくるのよねぇ」

「よくってことは他にも入った人が?」

「ええ。あんたの隣の202にも女の子がつい昨日入ったばかりよ。それもかなりのべっぴんさんよ」

「その情報要らないんですが……」

 しかし隣の部屋に人がいるのは構わないがかわいい女子となるとなぁ……。

「あら。思春期男子としては嬉しい情報なんじゃない?」

「そんなことありませんよ。俺はあまりそういう興味がある訳では無いので」

「ほんとぉ?」

「ほんとですよ。生まれてこの方恋愛感情を抱いた事が無いので」

 一応事実である。それらしい感情を抱いていた事もあったのかもしれないがあいにく記憶に無い。まるで政治家だな。

「それは人生損してるからちゃんと高校で恋愛しなさいよ〜。良ければ私が相談に乗ってあげよう。と言ってもあんまりここには来ないけどね」

 それって大家としてどうなの?とは思ったが飲み込んでおく。

「あとはいコレ鍵ね。合鍵は2つ渡しておくわ。もし仲のいい女の子が出来たら渡してあげなさい?」

 そんな関係になれる女子作れるかよ。

「じゃ、私はこれで」

 さよならーと手を振っておく。

「じゃあ部屋に入るか」

 鍵を開けて部屋に1歩踏み出す。

 ……なんか違和感を感じるな……。


 6畳ってこんなに広かったっけ……?


 そしてその違和感は的中してしまう。

「……お前、誰?」

 目の前に居るのは、涙目をした女の子と、元々壁と思われる板。

 ……………………………………………。


「なんで壁がねぇんだよぉぉぉぉぉ!!!」

初投稿です。

拙い文章や誤字脱字などが目立つかもしれませんが暖かく見守ってくれるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ