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SCHOOLらいぶらりー  作者: えくぼ
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第七回

昼に連続アップ。ちょっと生き急いでいるかも……。少しスローダウンします!!

第七回


図書委員の二年、関口雄一。弓道部。


昼休みに、道着に袴姿の関口は、弓道場で一人、弓を射っていた。

正確に的に当てる関口。


‥…………。


「なんだよっ、言いたいことがあるんなら言えよっ!悪かったなぁキャラじゃないことしてよっ!」


 と、誰を相手に言ってるのか、関口は叫んだ。


*        *        *


場所は変わって、図書室の司書室。

「へー、関口先輩って弓道部だったんですか。見えないですね?」

 ゆりえはつぼみ先輩に言った。

「わたし、てっきりお笑い研究部とばかり……」

「ウチにそんな部ないよ?関口くんは一年の時、一人だけレギュラーで大会にも出たほどの腕前だし、この学校の弓道部の花形なんだよ」と、つぼみ先輩。

「じゃあ、実はけっこうカッコいいんじゃ……」

「そうよ!同じ部に彼女もいるし」

「えっ?」


*     *         *


弓道場。

道着に袴の女子が関口のもとにやって来た。黒く長い髪の二年生の弓道部員、真鍋夏美は関口の彼女だった。

「雄く~ん」

「おう、夏美。お前も昼練か?」

「ううん、雄くんと会いたかっただけ。一緒に練習しよ!ね❤」

「オウ、いいぜ。俺も手伝ってやるよ、夏美」


*    *        *


「二年の真鍋夏美さんは弓道部のマドンナなの」と、つぼみ先輩。

「リア充過ぎる……」

 ゆりえはあきれるほど驚いた。

「でも、それって……男子からは疎まれません?なんか殺されそう」

「それは大丈夫だよ。相方がいるから」

「えっ、田嶋先輩ですか?」

「ええ。彼は文科系だけど、すごく強いんだよ。中でも柔道がすごく強くて柔道部員の誰も田嶋くんにはかなわないんだって」

「なっ、何でそんな人が図書委員やってるんですか?!」

「まぁ、田嶋くんは帰宅部なんだけどね」

ちょっとクールダウンするゆりえ。

「あ、わたしも居合の道場行くんで同じ帰宅部です」

 ゆりえは、ふと思った。

「よく分からないんですけど、あの二人……」

「ん?関口くんと田嶋くん?」

「はい。何で関口先輩も田嶋先輩も、いつもまったくウケないしょーもない漫才を?」

「案外バッサリと言うのね、ゆりえちゃん」

 つぼみ先輩はニッコリ笑いながら、

「まぁ、確かにホントに全然面白くないし、橋にも棒にもまったく引っかからないヒドい漫才でもうやめたらってくらいだけど」

「つぼみ先輩もかなりバッサリですね……」

「でも実は二人とも学年で成績はトップクラスなんだよ」

「えっ?!頭は良いんだ、先輩たち!」

「関口雄一 トップ

 田嶋竜太  二位

 長谷川梨子 三位

 岩海風紀  四位

ってトコね」


「二年生すごい!」

「実はみんなちゃんと勉強も部活も図書委員もしっかりやってて努力家なんだよ~」

「えっ、図書委員の仕事、ちゃんとやってますかねぇ……?」

 と、ツッコむゆりえ。

「そういえば、つぼみ先輩は部活は入ってるんですか?」

「え、わたし?茶道部だよ」

「茶道部……」

「もう三年だし、受験頑張らなきゃだから、今はもう全然顔は出してないけど」

ホッ……。

「やっとマトモな人に会えた気がする」と、ゆりえ。

「でも茶道部ならつぼみ先輩にはお似合いですね」

「えっ、そう?」

「いかにもおしとやかーって感じの部活じゃないですか」

「うふふふ❤」

「まさに先輩のキャラを部活が表してると言っても過言じゃないですよ」

「ありがと!でも、部員は全員女子で三十人いたから、いつもわたしお菓子ばかり食べてお茶飲んで終わっちゃったんだけどね。三年間ずっと!」

「ええ~……」

 ゆりえの顔がうなだれる。


*     *         *


再び弓道場。

関口曰く、「みんな俺のことリア充だと思っとるみたいやけど、言っとくけどなぁ、そんなことはないかんな!」


 その時、夏美の放った矢が、関口のこめかみに刺さる。

「きゃああああっ、ゴメンなさい雄くん!!」


 矢が刺さったまま、関口は膝をつく。

「いっ……痛っ。夏美、お前はいつもいつも……」

「今、抜くから大丈夫?死んじゃイヤ!」


「お前が殺してる……」


 頭から血が噴き出す中、関口は、「こんな女をすべて受け止められるから漢なのだー!!」と、叫ぶ。

「きゃっ、雄くん。それ自分で言っちゃダメだよ!」

「ウルセェー!!!!」


 その時、田嶋が弓道場にやって来た。

「関口、こっちにいたのか!」

「おう、田嶋!」


 夏美も田嶋とは仲が良く、「竜ちゃん、ヤッホー」と声をかける。

「おう、真鍋さん」


「なぁ田嶋、ちょっと一緒に保健室行かね?」


 田嶋に連れられて、保健室に行こうとする関口に、夏美は「二人とも今日はあのショボい漫才はやらないの?」

 田嶋「…………」

関口も田嶋に腕を貸してもらいながら、「頼む夏美、これ以上俺のハートに矢を撃つな。頼むから……」


「そんな雄くんが、大大大好きっ❤」


「やめろ……もうやめろ、死体が転がる……」


*    *        *


梨子と風紀が一緒に学校の校舎の廊下を、てくてくと歩いている。

「なぁ風紀。お前そういや何も部活入ってないなー」

「お前もだろ。ダリーからな」

 その時、二人の目の前で弱そうな男子が不良二人に絡まれているのが目に入った。

「オイコラ!出せっつってんだろ。全部出せよ一年」

「殴られてーのかテメェ!早よしろよ、コラ!」


 梨子と風紀はその不良たちに攻撃を仕掛けた。

ドカ バキ ゴキャ バチィ ズム ドス

 不良の二人は悲鳴を上げるヒマもなかったらしい。

梨子と風紀にボッコボコにされる。


「死体確認よし!!」と、一仕事終えた梨子が言った。

「裏に埋めとくか?中庭はもうけっこう墓が多くて霊園になってるしな!」


 助けられた男子生徒は、「あ、あの、ありがとうご……」


 しかし梨子たちはすぐにその場をあとにしながら、

「すまなかったな。ウチの治安が悪くて。もっとパトロールするから許せ」

と、行ってしまった。

「まぁ、わたしらに部活するヒマはないよなー」と、梨子。

「だなー。すべての生徒を守るのがオレたちの仕事だからなー」風紀も言う。


*    *        *


さらに再び図書室の奥の司書室。

「と、言うわけで梨子ちゃん風紀ちゃんは部活はしてないんよ」と、つぼみ先輩。

「いや、あの……、確認したいんですが、図書委員ですよね?」

「まぁ、確かに以前、やり過ぎて文科省から注意があるくらい問題になったこともあるけど、生徒会がもみ消し工作したこともあったよ」

「極道過ぎる……」と、ゆりえ。


そこへ、マギーがやって来た。

「オーイ、ヤッテルカー?」

「マギー!」


 さらにマギーは、「オッ、つぼみ先輩。今日も胸がデカデカっスネ!」

「何その挨拶……」


 その時、梨子がマギーの背後に現れる。

「オイ、てめぇキンパツ!先輩に向かって何だその態度は?」

「デス・ムード!」


 梨子のハイキック、ミドルキック、下段ローがマギーに炸裂する。

「礼節を忘れるヤツは許さん!人として最低限の礼儀はきちんと学べ。いいな?ちなみに今の三つの蹴りは基本技だ」

 

 プルプルと痛みをこらえるマギー。

「先輩も今のはサイテーデス……」


 気を取り直してマギーは、「ワタシ放課後ハ書道部ニ行きマス!」

 風紀がマギーに、「お前、書道部なんか?」と訊く。

「書道大好きデスヨ?」

「ホウ、どんなん書くん?」

「『論語』とか」

「『論語』か」

「『子曰く、徳は孤ならず、必ず隣あり』」

「意味は?」

「良いことしていれバ、独りにはならない。必ず仲間ガいてくれルです」


コイツ……何て、マトモな!


「メリケン、図書委員はサボるなよ?部活終わったらちゃんと来い!」と、梨子。

「センパイも、メリケンはやめてクダサイよ。失礼です」


 向き直ったマギーは、

「ワタクシ生まれモ育ちモ福岡五十川デス」

注・山田洋次監督は何も関わっていません。あしからず。



……………。


全員が凍り付いた。それをしり目に、マギーは、「女はつらいよ。デハ、達者でナァ、オイチャン!」と、去っていく。


「「「「いやいやいや」」」」と、かぶりを振る他の図書委員たち。

 

 このネタ分かる人いるのかな?


*    *        *


今日の野良猫ミントのお言葉「みんないろいろな面があるんだね!十人十色だね!」



つづく



小説を書くというのはすごく大変だと実感しました。少しペースを落としてゆっくり書くようにします。それと、感想やレビューをいただかないと、やる気にもつながらなくなるので、よろしくお願いいたします。

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