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SCHOOLらいぶらりー  作者: えくぼ
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第五回

眠いです~。でも頑張って書きます!!コーヒーでも飲みながら。執筆します!!ので、よろしく!!

第五回


 もう春も終わりに近づいてきた頃、誰もいない図書室で、昼休みにゆりえは一人、机に突っ伏していた。

 梨子がやって来た。

「どうした、ゆりえ?大丈夫か?」

「ちょっとなんか学校にまだ馴染めてなくて、五月病みたいです」


少しの沈黙の後、梨子が、「ん?もう五月か!」と言ってきた。

そしてすぐに体操服姿のかなこがやって来て、言った。

「ゆりえちゃん、一体どうしちゃったの?」

梨子が、「なんか学校にまだ馴染めきれてないんだと」と言う。

「はぁ……。じゃあ今から一緒にサッカーしようよ!パーッと気を晴らせばきっと楽になるよ!」

 しかし、ゆりえは、「自分がやりたいだけでしょ?サッカー」と、突っ伏したまま言う。

ギクッとなり、ゆりえの隣で一緒に突っ伏すかなこ。


「いやいやいや、お前らな~」と、あきれる梨子。

「あのな、医学的に『五月病』という病名は存在しない。普通『うつ病』や『適応障害』とか診断されるんだ。大事なのはかなこの言う通り気分転換だ。ストレスをためたままが一番良くない」


「ですよね!!!!」と立ち上がるかなこ。

「ウルセーよ」梨子は言った。

「静かにしてよ、かなこ」


「ゆりえちゃん、運動がイヤなら頭を働かせてみるのはどうかな?」

「かなこが言う?」

「世界一首都名が長い国って知ってる?」

「それなんか関係ある?」


 梨子が「お前知ってんのか?」と、かなこに問う。

「いくらわたしでもそれくらい知ってますよ。スリランカです。スリジャヤワルダナプラコッテ!世界一長いです」


梨子と突っ伏したままのゆりえが、同時に「「シロウトだ」」と答える。


梨子はかなこに、「世界一長い首都名を持つ国はタイ王国だ。ちなみにバンコクは海外の呼び名だ」というと、「ええっ!!!!」と驚くかなこ。


「ゆりえ、タイの首都の正式名は?はい!」

「クルンテープ・プラマハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロックホップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリローム・ラドムウーチャンウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッカタッティヤウィサヌカムプラシット」

「タイ人は短くしてクルンテープとだけ呼んでる。分かったか?」


 またもやゆりえと一緒に机に突っ伏すかなこ。

「いや、もうそれいいから」と、梨子。


それから少しして、マギーがやって来た。

「YURIE,WHAT‘S THE MATTER?」

「ん……、がっこうにまだ馴染めないそうだ。マギー、何か元気づけてやってくれ」

と、梨子は言った。

「MU~、ゲヘゲヘお姉ちゃんドンナぱんつはいてんの?」

「白」

「ナラバそれをハイシャク」


「オイ、キンパツ。お前の気の利いたセリフがそれか?」

 梨子はあきれた。

しかし、その発言でゆりえは、どこからともなく出した居合刀で抜刀し、マギーを天井高くまで弾き飛ばした。


卜伝流「一の太刀」


刀を鞘に納めるゆりえ。居合道二段の技が炸裂したのだ。


マギーは吹っ飛ばされたが、頭にコブを作り、戻ってきた。

「銃砲刀剣類所持等取締法って知ってます?ユリエ!」


「黙れ!NRA(全米ライフル協会)」

 また机に突っ伏すゆりえ。


*        *        *


 田嶋と関口がどこかの廊下で漫才を始めた。

「なあ田嶋、NRAって知ってるか?」

「アメリカの銃愛好家の市民団体のことだろ?」

「合衆国憲法修正条項第二条で、国民の『武器を所持して携帯する権利』を根拠に銃規制に反対している圧力団体さ」

「アメリカは銃社会だからね」

「あの映画監督マイケル・ムーアだって、かつては会員だったんだぜ」

「何で反対派になったんやろ?」

「まぁ、コロンバインの銃乱射事件をきっかけに生涯会員になっちゃったんだけどな」

「意味わかんないね」


 漫才第二弾

「田嶋、日本では銃刀法違反が有名だよな」

「そうだね関口。ニュースとかでよく、逮捕者が出てるね」

「銃は当然NGだけど、物によってはカッターやハサミなんかも長さによっては違反になるんだってよ」

「マジか~。オチオチ日用品も持ち歩けんやんか」

「正当な理由がなければ木刀すら違反対象になりかねん。けっこう厳しいんだぞ」

「気をつけような、お互い」

 関口は銃をポケットから出した。

「ちなみにこれはスミス&ウェッソンだ。リボルバータイプで、坂本龍馬が持っていた銃だ」

「それ、ただのモデルガンだろ?ってかそれも違反になるやん」


*        *        *


再び図書室。

「ソンナニ悩んでてもしょーがないデショ。ノー・マインドだよユリエ」

「マギーの言う通りだぞ。フラストレーションためてたら悪くなるだけだ」

 マギーと梨子の言葉でもゆりえの気落ちには届かなかった。


「だいたい学校の何になじめないんだ?話せよ」

「クラスですよ。イジメっていうか、女子全員にシカトされて」

「理由は?」

「クラスで一番のイケメンと親しい口聞いたからだと……」


 梨子は持っていたプリントをマギーに渡した。

「マギー、これ全員分コピーしといてくれ。あとで使うから。わたしはちょっと出てくる」

「アイ、コピー。ナンチャッテ」


 図書室に入ろうとしていた風紀を呼び止めた梨子は、「おう風紀、いいところに!ちょっと付き合ってくれ」と、同行を促す。

「ん?ああいいぞ。どこ行くんだ?」

「まぁ、わたしら流の話し合いって感じだな」

「なるほどね」


「WHERE ARE YOU GOING?」と、言いながら梨子と風紀を見送るマギー。


しばらくして、


「オオイ!一年てめぇら全員そこ座れやコラ!!!!」

「逆らった者から殺す!!」


すごい気迫が学校中にこだまする。


 


 十分後、再び図書室。

「と、言うわけで、全部片付いた。もう安心だぞ、ゆりえ」

「えっ?!」と驚いて顔を上げるゆりえ。


「五月病は早期解決がカギだからな」と、梨子は言う。

風紀も「あ~あ、オレたちも五月病だったみたいだな~」


二人して、同時に、

「「つまりストレスは発散が一番大事ってコトだよ、はっはっは!」」


何だか知らんが解決したらしい……ゆりえはそう思った。


*        *        *


司書室


「渡辺先生、さっきの怒鳴り声って……」冷や汗をかきながら、つぼみ先輩は言った。

「ああ、今年もやりましたね。伝説の龍虎コンビ」

「野球部、柔道部、剣道部の全員をたった二人で潰した文科系図書委員、蹴りの梨子とジークンドーの風紀……」つぼみ先輩が去年のことを語る。

「それ彼女たちが一年の頃でしょ?」

「そうですね。おかげで図書委員は武闘派委員会だと噂されましたよ」

「わたしも長年、司書をやってきましたが、あんなのは初めて見ました。あ、年がばれるので、わたしの経歴はナイショで!」

「えっ、そっちですか?」と、つぼみ先輩。


*        *        *


「そういやマギー、わたしが頼んだ例のコピーは?」

「今やってマスヨ、ハイ」

 そう言うと、マギーは何かをゴリゴリしながらシャッと印刷をしていた。

一枚一枚を丁寧に。


「……ちょっと待て!それ何だ?」

「司書室に置いてアリマシタ」


「あれ、昔流行った『プリントゴッコ』じゃないか?」と、梨子は言う。

「違うだろ?ありゃ『ガリ切り』って言うんだぜ」と、風紀。

「理想科学工業リソーの商品で家庭用製版用品だぞ。知らんのか?」

「そりゃハガキサイズだろ。正確には『ガリ版印刷』と言って、エジソンの発明品『ミメオグラフ』の日本版だ」

「違ェっつってんだろ?あ?」と、龍。

「何だオイ!やんのかコラ」と、虎。


梨子と風紀のタイマンが始まった。

「オトコ女が!」

「小学生!

ドカ バキ ドス


 まだ突っ伏してたかなこが「静かにしてください……先輩」とつぶやいた。


その後ろではつぼみ先輩が、


正しくは『謄写版印刷』とは、腹を切っても言えない。


と、唖然としていた。


*        *        *


野良猫のミント、今日のつぶやき。

「みんな元気になって良かったね!いい人たちばかりだね」



つづく



感想やレビューをいただけないでしょうか?もっと頑張るためにもよろしくお願いします!!あと、パソコンでカタカタ打ってると、手が痛くなってきますね。ああ、指がつる……

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