第二十四回・最終回
本日の回で、めでたく卒業を迎える三年の先輩。卒業おめでとうと言っておきます。
第二十四回・最終回
三月十四日、紫台高等学校・卒業式。
つぼみ先輩が「とうとうわたしも卒業だなー。……………。というか、ようやく卒業できるんだ」と、つぶやいた。
* * *
関口と田嶋は今日も漫才を始める。
「さて、西川先輩も今日で卒業だな」
「ああ、つぼみ先輩とも今日でお別れだな」
「卒業式って何か知ってるかー?」
「正確には卒業証書授与式の略だ」
「その通り!卒業とは『去る』ことの意味合いが強いんだ」
「さみしいねー」
その時、夏美がやって来て、「一番さみしいのは竜ちゃんだよね。ってか今日くらいそのショボい漫才やめなよ二人とも」
* * *
「今日は暴れるなよ、梨子」
「分かってるって。お前もな風紀」
「卒業か」
「ああ!」
「次はオレらが三年に上がるな」
「受験生だな。進学だしな」
「留年しなけりゃな」
「ねーよ!」
* * *
「あ~あ、つぼみ先輩いなくなるのか」と、かなこ。
マギーは「YES」と、答える。
「これからはわたしらが頑張らなきゃ!!」
「ユリエ、気合い入っテルナ」
「そうだね。まぁ、ようやくわたしら二年生だし……」
「みんな今年も図書委員に入るよね?」
「は?」
「マーネ」
「これからはわたしたちが図書委員を盛り立てなくちゃ!」
「じゃあ、わたしは今年も副委員長?」
「ワタシ書記デスカ?マイガッ!!」
「図書委員のメンツにかけたメンツだよ」
「しょべーよ、そのギャグ」
「天国のつぼみ先輩のためにも……」
「死ンデナイ」
* * *
卒業証書授与式。卒業生代表の挨拶と校歌斉唱があった。
「これで第六十三回紫台高等学校卒業式を終わります」
* * *
「卒業式ソングと言えば、川嶋あいの『旅立ちの日に』だよな」
梨子が言う。
「アレって『明日への扉』じゃなかったっけ?」
「I WiSHのか?あれはaiの曲だろ?」
「はるか昔に『あいのり』で使われた曲だ」
「aiって川嶋あいのことだろ?」
「いや、そん時は川嶋愛だったろ?」
「だいたいどっちが原曲なんだよ」
「おそらく『旅立ちの日に』の方だとは思うが……」
「何でだ?『あいのり』で有名になったんだろ?」
「シンガーソングライターの考えることは分からんのだよ」
「『明日への扉』の方が先だろ?デビュー曲なんだし」
「違ェーって!出来たのは『旅立ちの日に』だよ」
「世に出たのが最初の曲だろ?」
「作った時が初めての曲だろ?」
「え?」
「あ?」
龍VS虎。
「背ェでけーんだよ!」
ドカ バキ ガス
「もっと縮め!」
うしろでつぼみ先輩が、
「デビュー曲は『明日への扉』だけど、無名時代の曲は『旅立ちの日に』……とは口が裂けても言えない」と、心の中で思った。
「それにしても、もうこの学校には来れないのか」と、たそがれるつぼみ先輩。
「来てくださいよ!!」ゆりえが叫ぶ。
「いや、不法侵入になるから……」
マギーが「電話一本入レレバ済むジャン」と言った。
「いや~」
「あ、そっか。私服で来たくナイんでしょ?ダサいから」
図星!!!!
「しっかしもう三月かー。ジャヌアリー、フェベラリー」と、梨子。
マギーが「この話のタイトルは?ハイ『SCHOOL』、」
「ライブラリー」
…………。
* * *
「ねぇ、雄くん」
「ん?何だよ夏美」
「来年は大学進学しないんだよね?」
「ああ。来年は家を継ぐんだ。ついてきてくれるか?夏美」
少しの間が空いて、
「うん、いいよ」
「意味深だな、今の間は」
* * *
「つぼみ先輩!」
田嶋が話しかける。
「四月から京都の同志社大学なんですね。さみしくなります」
「田嶋くん」
田嶋とつぼみ先輩は向き合う。
「わたしも田嶋くんがそばにいなくてさみしいよ。だから……」
そっと田嶋にキスをするつぼみ先輩。
* * *
図書委員と、司書のたまき先生、それに生徒会のメンツが揃い、記念写真を撮ろうと並んだ。写真撮影は、ゆりえの弟のひろむがする。
「じゃあ、みんな、写真撮りますよー。並んで~。ハイいくよ」
全員がポーズを取る。
「はい、チーズ!」
パシャッ!!
「思い出はこの写真の中に」ゆりえはそう、つぶやいた。
* * *
今日で最後の野良猫ミントのお言葉「最後までお付き合いいただいて本当にありがとう!バイバーイ♪」
THE END
やっと迎えた最終回。「SCHOOLらいぶらりー」は今回を持ちまして、めでたく最終回です。卒業という名残り惜しいエンディングですが、ゆりえたちがその後を引き継ぐ形になって、とても良かったと思っています。図書委員バンザイ!!卒業おめでとう!!そして読んでくださった皆様に感謝です!!ぜひこの作品の感想やレビューをください。では、次作でお会いしましょう!!ありがとうございました。




