第二回
コメディって割りと書き出したら止まらないですね(笑)一応そんなに急いで書く必要もないので、ゆっくり書いて続けます。
第二回
放課後・学校の廊下
図書委員の一年生ゆりえは、体操服にサッカーボールを持った、同じく一年の沖田かなこを見つける。
「あっ、沖田さん?」
「あ、ゆりえちゃん!」
「今日、図書委員は?」
「ゴメン、今日はちょっと部活で……」
そう言うと、去ろうとするかなこの背中に、
「じゃあ、長谷川先輩に言っとくね!」
ビクッ
かなこは例の先輩の名に心臓が爆発する。
「やっぱ一緒に行く……」
「体操服のままで?しかもボールまで持ってるのにその格好で?ってかどんだけ恐れてるのよ……」
二人で図書室に行く途中、
「あ、ゆりえちゃん。別にわたしのこと〝かなこ″でいいよ。かなこで」
「うん、わかった沖田さん」
しばしの沈黙の後、
「いや、だから……」
「何?」
話題変わって、
「沖田さん、サッカー好きなの?」
「うん。だからサッカー部入ったんだけど……。ってか、かなこでいいってば」
「いつからやってるの?」
「小さい頃からだよ。わたしの青春サッカー一筋なの!というか人生そのものっていうか」
「ちなみに本とか読書は?」
「あ、わたしそういうの全部ダメで……」
「え、全部?沖田さんなんで図書委員になったの?」
「え?アミダで決まって……」
「ふ~ん」アミダね、ナルホド
「うん」何か?
「まー、わたしも沖田さんほどじゃないけど、そんなに本には詳しくないし」大丈夫!
「わたし、かなこ……。いや、もういいや」
その時、マギーが現れた。
コマンド
攻撃する
逃げる
呪文
話しかける
「HEY! YURIE KANAKO.」
「おっ!」と、ゆりえ。
「HOW ARE YOU? I′M FINE AND ENJOY A SCHOOL!」
「何で英語?」
「BECAUSE I′M AMERICAN.」
「あの~、マギー何て言ってるの?」
「えっ?!沖田さん、今の分かんなかったん?」
「わたし英語……ってか勉強が苦手で」
「本当にサッカー一筋なんだね」
「YOU ARE FOOL,KANAKO!」
「なぁっ!!」
ゆりえが叫ぶ。
「何って言ったの?」
かなこが聞いてきた。
「えっ、いや~今のは難しくて……何だろう?」
マギーが自己通訳する。
「バカって言ったんよカナコ!」
「あ~、ゴメン。あんたがボールに見えてきた。その頭ゴールに決めてもいい?」
ブチキレモードのかなこ。
「ケンカしちゃダメだよ、あなたたち」
そこに現れたのは、三年のつぼみ先輩だった。
「愛はすべてを贖いすべてを救う。これドフトエフスキーの言葉よ」
さすが先輩!知識人だね すごいなぁ。
しかしマギーが、
「真実を語る者は機知のない人間だけである。ドフトエフスキーの言葉デスヨ、先輩」
「オイッ!ヤメろ」
と、ツッコむゆりえ。
* * *
図書館に入っていった一行は、すぐに司書室に行く。
「あの、図書室では静かにね!」
つぼみ先輩が念を押す。
扉を開けるマギー。
ガチャッ
「HELLO, SENPAI!」
中には司書のたまき先生と、梨子と風紀がいた。
中に入ろうとするマギーの方を指さした梨子は、風紀に向かって、
「風紀、ちょっとシメてくれる?」
「ン!」
相づちを打った風紀がマギーを地べたに叩きつけ、足で踏みつける。
「オラオラオラ」
「ギャッ!!」
いや、閉めるのは扉のことだったんだが……。
* * *
マギーは抗議した。
「センパイ、ヒドイ人ですね!」
「すまんすまん、オレが悪かった。勘違いしちまった」
平謝りする風紀。
さらにマギーは梨子に対しても、
「先輩、ひどい人ですね!」
「ごめんごめん、わたしも悪かった。わたしは繊細でね」
平謝りする梨子。
そして、つぼみ先輩に対しては、
「せんぱい、イイ人ですね!」
「え、ええ、ありがとう。特に何もしてないけど」
「ワタシ、あなたのためにナラやっていけそうデス!」
「言っとくがメリケン、三年生は受験生だから、あんま顔出せんのだぞ」と、梨子が言った。
* * *
ゆりえとかなこも司書室に入った。
「こんにちは-、長谷川先輩」
「どうも!」
「オウ一年!梨子でいいぞ」
梨子はかなこの格好に気付いた。
「ん?なんだ、かなこ。その格好は?」それにボールも。
「あ、すいません。部活に行こうとしてまして」
「ホウ……図書委員を放ってか?」
「たはははは ハイ!サッカーやりたくて」
ドシィッ
かなこのももに梨子のローキックが放たれた。
「サボったらこうなる。いいな?」
「先輩……サッカー部に入りません?いいキックだし」
プルプルと震えながら痛みに耐えるかなこ。
* * *
いつの間にかいた関口と田嶋。
「長谷川を怒らせるとああなる。な?田嶋」
「ダメだよ、見せしめなんかしちゃ」
「バーカ 前にキンパツで見せしめは終わってるだろ!」
「そうだね、終わってるね。ちなみに前回参照」
「ちゃんと見て学習しなくちゃ」
「学習は大事だね」
「アレ?先輩、ワタシ見せしめダッタんですか?」
マギーは梨子に言う。
「ゴメンゴメンわたしが悪かったよ。ってか今頃か」
梨子はそう言うと、かなこに向き直った。
「んで、お前はサッカー部か。忙しいんじゃないのか?」
ドキドキしながら、かなこは、
「え、ハイまぁ……」とだけ答える。
「そうか……なるほど。そうだなー。よし、かなこ」
「は、はい」
「お前、副委員長やれ。しっかりな」
「えっ?なぜ……」
さらに梨子はゆりえに向かって、
「そしてゆりえ、図書委員長はお前だ。決定!」
「なっ、ちょっ……」
驚きを隠せないゆりえは、
「あの……そういうのって上級生がやるもんじゃないんですか?普通」と、言う。
梨子は勇ましそうに、
「何言ってんだ?面倒だから下級生に押し付けるに決まってるじゃないか」
風紀もトーゼンと言うような顔で、
「お前らも学年が上がれば分かる。常識だ」
ゆりえはつぼみ先輩の方を見た。
「つぼみ先……」
目を背けるつぼみ先輩。梨子と風紀には何も言えないの雰囲気で通す気だった。
ここの図書委員ってまさか、ブラック‥‥‥?
梨子はマギーにも役職を与えた。
「キンパツ、お前字は大丈夫か?」
「筆記体から書道までバッチリですヨ」
と、ピースするマギー。
「よし、マスター!」
「書記デスネ?任せてクダサイ。わたしヤリマス」
「うむ、話が早くて助かるよ。お前はけっこう賢いな」
「何でもお任せクダサイ、先輩!」
ハッハッハッ
ゆりえたちはその光景を見て、
『ああ、こいつ犬になってる』
『アンダー・ドッグだ』
と心の中で思った。
梨子は一部始終を黙って見ていたたまき先生に報告をした。
別に報告などよかったのだけれど。
「渡辺先生、いろいろ決まりましたよ」
「あなたほど強引な図書委員の生徒は今まで見たことがないわ、長谷川さん」
「今年の一年は優秀です。たぶん」
たぶん?
ゆりえとかなこは絶句した。
「仕事は超キビしいが頑張ってくれよ。な?フフフフ……」
* * *
そのあと、日が暮れる前の校庭。
超ストレスの溜まったゆりえとかなこが体操服姿でサッカーボールを蹴りまくっていた。
「お願い、今日だけ体験入部させて、沖田さん!!」
「かなこだけど大歓迎だよ、ゆりえちゃん!」
長谷川のヤロオオオオ、いつかコロす!!!!!!!!
* * *
今日の野良猫ミントの言葉『ムリしないで頑張って!』
つづく
ま、こんな感じでやりますので、よかったら感想やレビューを頂けたら、もうちょっといっぱい書くかも……。読んでくれる皆さんには感謝しかないです!!




