第十五回
最近、調子いいから夜十二時過ぎてもかまいません。あ、個人的な話ですみません。
第十五回・前回の続き。
生徒会室
「なるほど、読書会か」と、生徒会長の井手。
「ええ」と、杏樹が答える。
「気をつけましょう、会長。彼らのイベントはイコール騒動ですからね」
「そうだね~、またもみ消す工作もやりたくないからね~」
書記長の池神が、
「図書委員たちはかなり好戦的だよな、会長」
と言った。
「ああ、彼女らは戦争の愚かさを知らない世代だしな。まぁ、礼節や仁義には厚い人たちだとは思うんだけどな~」
「会長、今のさとり世代、つくし世代では珍しいですよね」
「ああ。特に龍虎コンビの好きな映画は『男たちの挽歌』らしいからな」
「わたしは三国志の『レッドクリフ』が好きです!」と、杏樹。
「いや、ジョン・ウー監督の話じゃなくて……」
池神が、「ジョン・ウー監督の映画で戦争物があったな。ニコラス・ケイジの、何だっけ?」
「『ウィンドトーカーズ』?」と杏樹が答えた。
「それそれ!」
「大金つぎ込んで作ったサイパン島の戦いを描いた大コケ映画ね」
「そうだな。尺が長いし音楽が合ってなかったからね。テーマは良かったんだが……」と、話に加わる井手。
…………。
「あれ?俺ら何の話してたんだっけ?」と、池神。
「俺たちもマニアやなー」
気を取り直して、井手が、
「しかし、今回は奴ら図書委員を押さえねば」
杏樹が「学校のイメージもありますし、いつものように何か起きればもみ消ししては?」
「いや、それは癖になってるからな」と井手。
池神が、「でも何で生徒会はいつももみ消しを?わっかんねーなー」
「去年の生徒会会長と図書委員たちはものすごく仲が良かったんだ。しかも前会長は政治家の娘だったらしくてな。文科省にもコネがあったらしい」
* * *
野良猫のミント登場。
「やぁ、こんにちは。僕の名前はミントだよ。まぁ、野良猫なんだけど、いつも龍虎コンビにお世話になってるんだ。ネコ缶とかもらってるよ。さて、まずは『ごんぎつね』についてお話してあげるね」
ミントは咳払いをしてから話しだす。
「ある山に『ごんぎつね』というキツネがいたんだが、たいそうなイタズラ者だったんだ。そいつが兵十というやつのウナギを逃がしてしまって、そのあと兵十の母親が死んでしまうんだ。ごんぎつねは自分のせいで兵十の母親がウナギを食べ損ねて死んだと思い、罪を後悔して、それから兵十にいつも栗をこっそり届けてやるようになったんだ。でもある日、兵十に姿を見られて種子島という銃で撃ち殺されるんだ。その時初めていつも栗をくれていたのがごんぎつねだと気づくんだ。兵十はごんが、罪を償おうと必死だったことを知る。そういうお話。みんなはどう思ったかな、このお話。それではまた!ミントでした」
* * *
かなこが読み終わった「ごんぎつね」を置いて一言言った。
「つまり、ごんは罪滅ぼししたのに殺されちゃうんですね」あらら……。
ゆりえも、「なるほど~、おとぎ話というか民話の中にテーマがあるわけですね」
「結局ごんハ、良い奴ダッたの?ワカラン……」と、マギー。
関口がつぼみ先輩に「俺はこう思うんですけど……」
「何?どんなの?」
その時、たまき先生が「あ、そろそろこの展開が始まりそうですね」
「え?」と、かなこ。
「いえ、あの龍虎コンビが……」
風紀が「だーかーらー、ごんは結局、罪ギツネなんだよ!」
梨子は負けじと、「バカな!やつはそんなに悪いやつじゃないぞ!」
「分かれよ!どんなに善くなろうとしても罪は消えねーんだ!!」
「違う!やつはそれでも善であろうとしたんだ!!」
「ふざけんな!じゃあ罪は償えばすべてチャラになるとでも思うのか?」
「そうは言ってない。だが逆刃刀の意味はそうじゃないだろ!」
「そういうのを偽善っつーんだ。悪いと思ったんなら死ねよ!ってか死んだけど」
「でも答えは出したんだ。人斬りの罪を償う答えを!!」
「何か話が変わってませんか?」と、かなこ。
「まあ、好きにさせておきましょう」と、たまき先生。
「こりゃ決着つけなきゃいけねーようだな、梨子!」
「いーとも、やるかオラ!」
龍虎コンビが同時に席を立つ。
「来い、龍!」と、風紀。
「行くぞ、虎!」梨子も言った。
たちまち梨子と風紀の蹴りVSジークンドーが始まる。
二人とも互角に戦った。そして十五分後、ハイキックがクロスし、構え直すと、龍虎コンビの二人は、
「へっ、蹴りの梨子。やるな!」
「さすがのジークンドーだな、風紀」
たまき先生が「はいはい、そこまで!いー戦いだったね。すごいすごい!」と、締めた。
「龍と虎は互角だったのか」と、ゆりえ。
「風紀センパイと梨子センパイだよ、ユリエ」とマギーが言う。
田嶋が、「龍虎コンビは俺より絶対強いよ」と言った。
「お前、帰宅部だろー!」と、関口。
「というか、ディベートはどうしたの?戦うなら終わりますよ。ってか本当にあなたたち戦うの好きね」
* * *
生徒会室では、井手会長と副委員長の杏樹、それに書記長の池神が、ハラハラしながら
「さっきの大声と音はなんだったんだ?図書委員め、今日は一体何やらかしたんだー?」と、おびえていた。
* * *
野良猫のミント「今日はたくさん登場人物出たね。みんな仲良くね!」
つづく
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