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SCHOOLらいぶらりー  作者: えくぼ
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第十一回

十話超えました!!この短期間でよく書いたと思います。ぜひ読んでください!!

第十一回


 日曜日。ゆりえとマギーとかなこは一緒に出掛けて湯町に来ていた。

強い風が私服のワンピースのスカートを持ち上げる。


「きゃ!」


 ゆりえは慌ててめくれそうになるスカートを手で押さえた。 


マギーとかなこの私服はパンツスタイルだった。


「ユリエ、私服デモスカートなん?」

「うん、わたしおしゃれだし」

「ふ~ん、ソンナニ下着見せたいくらいにパンツにも自信アルンデスネ?」

「何でそうなるん!!」



 陽射しがまぶしかった。かなこは「うわー、もう夏入りだね。暑―い」と、太陽光を手でふさぎながら空を見上げた。

「いやー、今日は絶好のサッカー日和だねぇ」と、かなこ。

「またサッカー?いつも同じ話題しかできないオタクみたい」

「今日はサッカーはシナイデス」


 かなこがゆりえを見て言った。

「そういえばゆりえちゃんだけスカートだね」

「ネ!」


「二人ともなんでそこにばっかツッコむん?!」


 ゆりえはスカートをヒラヒラさせながら、

「スカートってのは女の人しかはけないファッションアイテムの一つだよ。これ基本」


「女の人うんぬんはそうかもしれないけど」かなこがう~んと言うような顔をした。

「ワタシには似合わナイカナー?」と、マギーが言う。


「二人とも服装に自信がないのね~」

「う~む……」

「ソウイウわけじゃナインだけど~」


かなことマギーは息を合わせて、「「正直、スカート嫌いなの」」と言った。


「アレェ?制服でいつも着てるじゃん!」と、ゆりえ。


「まぁ、中学と高校はスカート指定だから。でも、ぶっちゃけ、スカート嫌いな派には、あの制服も廃止にしてほしいよね」

「絶対スカートとか、女子の意思を無視シテマース」

「だいたいスカートってヒラヒラしてて、スースーするし、邪魔なんだけどね」

「動きづらいトイウカ、走りヅライですしネ」

「ってかアレ、誰が発明したシロモノなん?」

「ドウナン、ユリエ?」


「知るか!!」


「スカートって上に着るもの合わせるのも考えもんじゃない?ワンピースならともかく」

「う……」

「その辺パンツだったら楽だよー。そういうのあんまこだわらんでいいし」

「む……」

「機能的で動きやすいし」

「………」

「ボディラインばっちりだし。健康的でしょ?」

「オイ、スカートはく人がみんな自分の体形に自信がないとか思わんでくれん?」


*        *        *


梨子と風紀が一緒に歩いていた。

「そういや風紀。お前、私服は絶対スカートはかないな」

「ああ、オレ制服以外でスカートはいたことねーからな」


 梨子と風紀が同時にローキックを繰り出した。


「まぁ、パンツスタイルの方が蹴りは出しやすいからな」

「ああ、スカートだとめくれちまうしな」


「なぁ、梨子。オレって髪短いだろ?」

「ん?ああ、ボーイッシュなのがお前に似合ってるかんな。合ってるんじゃね?」

「意外と私服の女ってのはスカートじゃないヤツの方が多いんだよな」

「ファッションの面も大きいが、もともとは男にアピールするのを目的に意識されてるからな」

「ヒラヒラさせるってのは普通、雄ライオンのたてがみや、クジャクの羽広げが一般的だからな。ほとんど雄だ」

「女も異性にアピールするって行為は生物界でもかなり珍しいって話だし」


風紀が「ってか、どんだけオレらに無意味な会話してんだろうな?」

「あー、別にわたしらがモテない理由てのは別にある気がするな」と、梨子。


*        *        *


ゆりえたちはまだ話していた。

「そういや、わたしらってみんな髪長いよね」と、かなこが言った。

「うん、そうだね」

「なんで女って髪長くするんだろ?」

「知らん。可愛いからじゃない?」

 マギーが「ツマリ〝美″ってコト?」と言う。

「え、まぁ……」

 マギーが「その可能性も〝微″デスネ」と言う。

「ウルセーよ」


マギーが講釈を始める。

「明治初期マデハ男女とも髪は長くシテマシタヨ。サムライ、町人に限らず一般的ニ。でも明治の文明開化デ明治4年『断髪令』ニヨッテ男の人は髪を短くスルことが許され、明治5年ニハ『女子断髪禁止令』が出されマシタ。男の人は短髪にナリマシタが、女の人は髪を長くシテ、ファッションなどを楽しむようにナッタノデス。女の人は古来カラ今に至るまでズット髪は長かったンデスヨ。ワカッタカネ、女子ノ諸君?」


ゆりえとかなこは同時に、


「「その前にアンタ何人なんだよ?」」

と、ツッコんだ。


 その時、ゆりえたちのもとにつぼみ先輩が通りかかる。休みの日でも先輩は制服姿だった。夏服に変わってはいるが。

「つぼみ先輩!」と、ゆりえ。

「アラ、みんなおそろいね!」

 ゆりえはつぼみ先輩の目にクマが出来ていることに気づく。

「アレ、どうしたんですか先輩。顔色が悪いですよ?」

「分かる?寝不足なの。昨日の夜コーヒー飲みすぎちゃって。『太平の眠りを覚ますコーヒー四杯で夜も眠れず』なーんてね」


 ゆりえとかなこが同時に「「え?」」と言った。


マギーがまた講釈を始める。

「先輩、それ1853年のペリー来航の時に歌われたと言われる『太平の眠りを覚ます黒船四杯で夜も眠れず』のパロディですヨネ?」


「そ、そうだけど、マギーちゃん以外は分からなかった?」

「ドン、ウォーリー!デモその狂歌は本当ハ明治時代に作られたモノデ、実際は幕末ニ歌われたモノじゃないから歴史の教科書カラ消えたッテ話デスヨ」

「そうなんだ。知らなかった」


 ゆりえとかなこが同時に「「本当にアンタ何人なんだよ?」」

と、ツッコむ。


*        *        *


関口と、彼女の夏美は休日デートをしていた。

宝石店の前を通る二人。ダイヤのネックレスが小さなショーウィンドウに飾ってあった。

「ねぇ雄くん。あの店見てよ」

「何だよ夏美?」

「ダイヤの首飾り素敵だね!わたしもいつか着けてみたいなぁ」

「…………。なぁ、夏美。レオナルド・ディカプリオ主演の映画『ブラッド・ダイヤモンド』って観たか?」

「え?知らない。でもディカプリオ主演なら観てみたい!」

「ぜひ観てみろよ。今日レンタルしてこい!」

「うん、分かった!」


 

 「ブラッド・ダイヤモンド」2006年アメリカ映画

 

 エドワード・ズウィック監督

 レオナルド・ディカプリオ主演

 

 紛争地帯で加工前のダイヤの原石を強制労働者たちに採らせて、紛争資金へとダイヤが流れる様を描いたアクションドラマ。


*        *        *


田嶋が一人で外出し、歩きながら「そういえば、紛争地帯で奴隷たちにダイヤを探させる映画『ブラッド・ダイヤモンド』が話題になってから、ダイヤの宝石が欲しいと言う女の人にあの映画を観せて、ダイヤなんて欲しくないと思わせる男が増えてたんだよな~。ま、もう過去の話だけどな………まぁ、どうせ俺にはどうでもいい話だけどな」


*        *        *


ゆりえたち三人は、つぼみ先輩と別れてから温泉施設の「御前湯」に来ていた。


「せっかく二日市温泉に来たんだし、温泉入ってこうよ」と、かなこが提案する。

「イイデスネ~。湯町バンザイ!」


 温泉にはゆりえたちしかいなかった。三人でお風呂に入る。

「あ~、いい湯だ」と、かなこ。

 マギーがゆりえの方を向いた。ゆりえの胸を見て、ニッコリ笑う。

「ん、何?マギー」

「ユリエ、わたし一言いいタイ」

「何?」

「もっとミルク飲め!」

「このキンパツ、ブチ殺す!!!!」



 一時間後、三人は「御前湯」を出た。

「ババンババンバンバン♪」と、歌い出すマギー。

「いつの時代のオヤジだよ、あんた!」と、ゆりえ。


 かなこが「もうすぐ夏休みに入るね!」と心を躍らせた。

「あー、先輩たちがいい所に連れていってくれるって言ってたよ」

「まぁ、その前に図書室のリニューアルするとか言ってなかった?」

「えっ、う……また仕事か……」

 ゾッとするゆりえ。


マギーが「文科省に訴えまショウ!」と、言った。


ゆりえとかなこが同時に「「もみ消される、もみ消される」」と言った。


*        *        *


野良猫のミントが一言「いい休日だったね。次はいよいよ夏の思い出回!」



つづく



すっと座って書いてるとキツイ・・・でもやります!!感想やレビューをどんどんください。頑張ります!

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