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SCHOOLらいぶらりー  作者: えくぼ
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プロローグ・第一回

はじめまして。えくぼです。いつもは戦記物とかばかり書いてたのに、急にコメディに目覚めたの?って感じで書いてみました。駄文ばかりが気になるお年頃(?)ですが、ノリと勢いだけで書いていきますんで、良かったら読んでいただきたいです。感想やレビューを頂けたらもっと頑張って書くかも(笑)

プロローグ・第一回



 紫台高校 春 初登校日


一年生の一組では、初のホームルームが始まった。

担任の先生は体育教師である。


「さーて、委員を決めるぞ。まずは一番決まらない保健委員と図書委員だ。ではジャンケンでも……」


その時、女子の林原ゆりえが手を挙げた。

「先生っ!」


「何だ林原、声デケェぞ!」


「何を言ってるんですか!保健委員ならこのわたしがいるじゃありませんか!わたし中学で保体ずっと5だったんですよ」


「うるさいからじゃあ、お前が図書委員の方な。ハイ決まり!」

「えっ、な……なぜ?」


*        *        *


 昼休みの廊下。図書室に向かうゆりえ。

「ここが図書室か~。保健委員やりたかったのに」

 図書室の扉の前に来たその時、ゆりえは他の女子と肩がぶつかってしまった。

「わっ!」


「あっ、ご……ごめんなさい」


 ポニーテールをした黒く長い髪の女子と言葉を交わすゆりえ。

「え、あなたも図書委員なんですか?わたし一組の林原です」

「二組の沖田です、よろしく」


 二人はお互いに顔を合わせると同時に聞いた。 

「下の名前は?」


「ゆりえちゃんっていうんですか。かわいいですね」

「どうも!」

 照れるゆりえ。

「わたしはかなこです。サッカー部に入ったのであんまり仕事できないかもだけど」

「アスリートなんですね。カッコいい!」

「そんなことないですよ」


「ケガしたときは言ってね!わたし保健委員だから!」

「え、図書委員でしょ?」


 そんな時、白い肌と紺碧の目、そして長くきれいなブロンドヘアーの女子が二人の前に現れた。

「ハーイ、やってるかー日本人!」

 妙にハイテンションな女子だ。よく見てみると日本人ではない。


「三組のマギー・ターナーだよ。図書委員になったのでヨロシクなー」


 ゆりえがまず聞いたのが、

「……って、どこの人?」

「ホワット?」


 その外国人が答える。

「何を言ってるのかね君は。青い目とキンパツといえばアメリカ人だろー、当然。まったく最近のJKは」

「アメリカ人がJK使うのか?」


 三人は仲良くなり、みんなで図書室の少し大きめの扉を開けて、中に入った。

「ココが図書室カ。誰もイナイな」

 と、マギー。

「まだ学校始まったばかりだし」

 図書室の空気を確認しながらゆりえは、言う。


「とりあえず下見ね」

 すかさずマギーが、

「本がいっぱい。マンガ喫茶みたいだな」と、ボケる。


「みたいじゃない、みたいじゃない」

 とツッコむゆりえとかなこ。


「マギー、さん。あなたともこれから図書委員で一緒に仕事することになるのよね。よろしく!」

 ゆりえは言った。


「マギーでいいぞ。わたしたち仲間か。いいなそれ」

 さらにボケるマギー。

「少年マンガみたいだし」


「マンガから離れてください、メリケン!」


*        *        *


 三人は図書室のさらに奥のカウンターの裏にある司書室に入った。

「すみませーん」

と、ゆりえ。

「ここが司書室か」

かなこも言う。


 そこには上級生らしき、ボブカットの女の人と、図書館司書の先生がいた。

「あら、一年生?」

と、上級生が言う。


 椅子に座っていた司書の先生が挨拶してくる。

「こんにちは、わたしは図書館司書の渡辺たまきです。よろしくね」


 しかし、その先生の挨拶を無視するかのように、三人は上級生の人に大きく声をかける。

「先輩!」


 「どうも」と言いながら、ズザッと引き下がる先輩。

 気を取り直して、

「三年の西川つぼみです、初めまして」

 おっとりしてていい人そうだ。


三年生か。なんか大人っぽいね。


 ゆりえとかなこが心の声で話す。

すかさずマギーがつぼみ先輩の豊満な胸を見て言う。

「センパイ、Dカップですね。何食ったらソンナニ……」


ゆりえとかなこによるクロスボンバーが、マギーの首に炸裂する。

ゴシャアッ!!


 セクハラの罰に崩れ落ちるマギー。


「お二人とも強いですね」と、つぼみ先輩。


「一応スポーツやってますので、サッカーを」

「わたし居合道二段持ってます」


 しばしの沈黙の後、


「図書委員ですよね、あなたたち」


「ハイ!」

と、同時に答えるゆりえとかなこ。


「ついでにこの子もです」

さらに二人は片手でマギーを両方から持ち上げる。半分死んでた。


「ケ、ケンカはせずに、みんな仲良くね!」

つぼみ先輩は念を押して言った。

「それで、みんな今まで図書委員の経験は?」


ギクッとするゆりえとかなこ。

「べ、別にスポーツ一筋で委員をすべてサボったわけでは……」

 アハハと苦笑いするかなこ。

「保健委員ならずっとやってましたけど、図書委員はわたし初めてで……」

と、ゆりえ。


その時、クロスボンバーから回復したマギーが、

「フッ、ワタシは万年、図書委員でマンネン!」


ウザ!

「てめーはさみーよ、キンパツ。下がってろ!」

 ゆりえたちがツッコみの狙撃を繰り出す。


*        *        *


 ふと、かなこが疑問をぶつけた。

「あれ、そういえばここ、女子ばかりですね。男子はいないんですか?」


「ううん、二年に二人いるよ」とつぼみ先輩。


 その時、その男子たちが司書室に現れる。

「ちわーっす先輩」

「田嶋くんに関口くん、いいところに!」

 軽いノリの普通の男子と体格のいい強そうな男子だった。


 すかさずマギーが、

「うんうん、イケメンではないな、残念!ちなみに英語ではイケメンはハンサムと言う」


 相手は二年生だぞ!

「オイッ、頼むからやめてくれ!死にたいのか?」

 ゆりえは青ざめる。


 軽いノリの先輩が、「オレは関口だ。よろしくな後輩」

 体格のいい眼鏡をかけた先輩が「田嶋です」

と、自己紹介。


「これからどんどんコキ使ってやるからな。覚悟しておけよ」

「だめだよ関口。後輩をコキ使っちゃ。まぁ、実際仕事はいっぱいさせることにはなるけどな」

「バーカ、それがコキ使うってことだろ?」

「あ、そっか」

「納得すんな」


何、今の漫才?


ちょ……狙撃したい!



ゆりえとかなこは地味にストレスを感じた。


 話を変えるゆりえ。

「つぼみ先輩、これで全員ですか?」


 関口がすぐに反応する。

「いや、あとオレたちとタメの岩海と長谷川がいるぜ」

「二年生ですか」

「ああ。実際、仕切ってるのは長谷川だな」

「そうだね」と、田嶋。


 そこへ突然現れる、ウェイブのかかった長い髪にリボンの小学生のような風貌の女子。

「あたしのこと呼んだ、関口?」

「うぉっ!」

 突然の出現に驚く関口。

「長谷川さん」と、田嶋。



あの人が仕切り屋?


ミタイねー。でもなんか小学生みたいだ。


シッ!聞こえるよ。



また心の中でゆりえとかなこが会話する。


「お前らが一年か。よろしくな。わたしは長谷川梨子だ。ん?」

 梨子はマギーに目をつける。

「おい、そこのキンパツ、ちょっと来い」


 マギーが近づくと、突然の回し蹴りがももに炸裂!

ドシィッ

「ギャッ!」


プルプルと痛みに耐えながらも膝をつくマギー。

「WHY?」

「いや、何となくお前は一度シバいておくべきかと」

「日米摩擦問題にシマすよ先輩……」



「ちーっす」

そうこうしているうちに、今度はショートカットの背の高い女子が来た。

「おっ、風紀も来たな」

と、梨子。


「オレは二年の岩海だ。岩に海と書いてイワミと読む。初めまして」

「〝オレ″とか言ってるが、風紀は一応女子だ」と、補足する梨子。


 さらに梨子は、

「言っとくが、図書委員は変な奴が多い。まぁ、最初はビビるだろうがガマンしてくれ。そのうちお前らも感染して同じようになる。そしてもう元には戻らない、二度とな。ゾンビと同じだ。それが図書委員だ。いいな?」


なっ、なりたくねぇ~……とは言えない。


ゆりえとかなこは恐怖と不安を覚えた。


*       *        *


 キーン コーン カーン コーン


チャイムが鳴った。


「じゃあ、わたし教室戻るね」

と、かなこ。

「うん」

マギーも「BYE!」と言うと、教室に戻っていった。


しばらく廊下でたたずんでいたゆりえは、てくてくと歩きながら、

「ぐわー!!なんでわたし保健委員になれなかったんだー。図書委員なんてわたしにはムリだー!」

絶叫に周りの生徒たちが驚いていた。

 

*       *        *


どこからともなく野良猫のミントが応援の言葉を残す。

『これからだよ。ガンバレ!』



つづく


 適当に書いてますが、これでも元図書委員として考えつけるもので頑張って書きますのでよろしくお願いします。感想やレビューなんかもたくさんください。励みにして書きたいので。一話ごとに最後には野良猫のミントが何か言ってますのでその辺はご了承くださいませ(笑)

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