【世界観】
剣と魔術の世界、『エオスブルク』は、
西暦二〇九四年の『現実世界』を支える人工知能、『オーロラ』に突如発生したバグデータである。
現実世界の人類は、エオスブルクの全体を『ボイド』と呼び、街の人々を『ボイドノイド』と呼称している。AIオーロラの機能を壊し続けるボイドを現実世界の人類は憎み、少数の人間を除き、世論はボイド破壊に傾いていた。
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【以下、各世界の詳しい記述】
◇エオスブルク(ボイド)
『暁の街』の意味をもつ、山と湖に囲まれた中世ヨーロッパ風の街。
(城と王政が存在し独立した統治を行っているため、その体系は国家である。規模は小国程度)
大通りや中通りなど、石畳の道路が張り巡らされているため交通の便は良い。かえって入り組んでいるほど。
北方にリメイ山脈がそびえ、南には巨大湖のリビ湖が広がる。
東西は山。森や林があり、遠くの街まで馬車の轍が伸びている。
人の往来が困難な北方を除いた、すべての方角で交易を行っていた。
街の中央には丘があり、尖り屋根の美しい『エオスブルク城』が建つ。
さらに丘を囲む大通りの一角には、女神エオスを祀る『聖エオス大聖堂』が鎮座している。
正体不明の敵、通称『黒魔術団』の脅威に怯え、抗う日々を送っている。
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暁の街エオスブルクの正体は、AIオーロラの内部に発生したバグデータ。名称は『ボイド(空虚、空っぽの意)』
AIオーロラの機能を奪い、拡張を続けている。
拡張する毎に文明が進み、エリアも拡大する。現実世界の人類はこの事象を『遷移』と呼んだ。
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◇西暦二〇九四年の世界(現実世界)
四五年前の『太陽嵐の厄災』により、以降の技術的、文化的進歩を失った近未来世界。
壊れかけたAIのオーロラが人類を生き永らえさせており、オーロラは厄災前に得た指令にのっとった行動を繰り返していた。
西暦二〇七七年、オーロラ内部に人類が介入できる『何もない領域』が発見される。『ボイド』と呼ばれたそれは、独自の世界を創りながらオーロラを蝕み始めた。
ボイド調査局『VRA』に所属する、ボイド潜入調査部隊『ミラージュ』の行動むなしく、ファーストコンタクトは『ボイドの急拡大』という形で失敗。
世論は『ボイド破壊』へ傾いた。
二〇九四年五月現在、人類の営みはAIオーロラの予備機能である『簡易モード』が支えている。
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ボイドに潜入するミラージュ隊員を、ボイドの人型住民ボイドノイドは『黒魔術団』と呼んでいる。