◆登場人物と用語集 〜第一章 #28a まで読んだ方向け〜
ストーリーのネタバレが多く含まれています。
ご了承を頂けましたら幸いです。
⬛登場人物紹介と所属の説明
【メインキャラクター】
◇アレク (アレックス)
主人公
ハネた髪とクリクリとした褐色の目をもつ少年。
性格は本来、活発で好奇心旺盛。
おせっかい焼きであるが、時々マヌケ。
母を亡くし、ひとりで暮らしている。
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自らや故郷の街、エオスブルクが幻である事をセニアたちから教えられ、過去の記憶を含め苦しむが、
その後、故郷の街とセニアの世界を守るために決意を固める。
◇セニア (セニア・オーウェン)
ヒロイン
淡いアッシュブロンド(色味の付いた銀髪または白髪)のショートカット、琥珀色のきりりとした瞳をもつ美少女。
アレクより背がわずかに高い。
黒魔術団(正式名称ミラージュ)に所属し、『わたしの母親はAIのオーロラ』であると語る、謎の多い少女。
身体能力は他隊員よりも抜きん出て優れている。
クールな印象の中に、女の子らしい一面が垣間見える。
胸は小さい。
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『母を苦しめるボイド(アレクが住む世界)やボイドノイド(ボイドに発現する人型)は敵』。
長年その思いで彼女は任務に取り組んでいた。
『わたしの母はオーロラだけ。わたしは、ひとりだ』
ミラージュの実動部隊から嫌われ、保護者役のハワードともわだかまりがあり、精神的孤独を感じながら暮らす。物心つく頃から、思い切り笑ったことがなかった。
しかしアレクと出会って、それは一変することになる。
◇
【ミラージュ】
――VRAに属するボイド調査部隊。
十六年前の、ボイドへのファーストコンタクトの失敗事故で、風前の灯となっている。
◇ハワード (ハワード・オーウェン)
ミラージュの司令官 セニアの義父
白髪混じりの初老の男性。
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『司令官らしく、どっしりと構える人物』であるのだが……。
アレクへ、初めにエオスブルクが幻であると伝えた人物。セニアから嫌われている。
◇マヤ (片霧・真彩)
ミラージュの技術師の女性博士
長い黒髪、白衣を着た『東方の民』。ロジーナおばさんより少し若い年齢。(アレクの見立て)
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キャスケットの開発者としてVRAビルへやってきた。
挙動不審なヘンなひと。
【VRA ミラージュの実動部隊『デルタチーム』】
――実動部隊は四チームあったが、今はデルタのみ。全員が『ミラージュ解体派』である。フォーマンセル。
◇ケネス・バレット
デルタチームのリーダー 『南方の民』(黒人)
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冷静沈着、硬マジメな人柄。
ミラージュよりもデルタチームの仲間を大事にする。VRA上層部から『他部署へ異動』の命が下った際に不利にならないよう、体面を気にしている。
◇ジャン
デルタチーム四人の中で一番背の高い人物。また、二一歳と年は若い。
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不真面目な性格。思ったことを口に出しやすい傾向で、トラブルメーカーである。
◇デルタチームのひとり (Data:null)
◇デルタチームのひとり (Data:null)
【VRA上層部】
VRA(void Research Agency)の意思決定を司る組織。
局長補佐のルイも上層部の人間である。
◇ルイ (ルイ・フルトマン)
細長いメガネをかけたスキンヘッドの男
ハワードに対し、冷酷な視線を送る
VRA局長補佐(局長に昇格予定)
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ハワードとは以前友人関係を築いていた。
【エオスブルク(暁の街)】
――AIオーロラを蝕む『ボイド』の別名。
北に山脈、南には巨大湖、山に囲まれた平野にある栄えた城下街。(現実世界の国に相当)
西暦一〇〇〇年〜一一〇〇年に相当する文明を築いているが、魔術(ユーティリティ能力)が存在する上に、道具の一部など、年代が前後している要素がある。
また、飛び石的に文明が発展する『遷移』が起こることもある。
ミラージュのファーストコンタクトの失敗事故以降、エオスブルクに住む人型は外部からやってくるミラージュを、外敵(黒魔術団)と認知するようになった。
――魔術が使える人が、使えない人を助け合うコミュニティが存在し、エオスブルクの文明生活を豊かにしている。
――高台にそびえる『エオスブルク城』、人々が信仰する女神エオスを祀る『聖エオス大聖堂』がエオスブルクの顔である。
◇八百屋のおじさん(○○○○)
アレクの手伝い先のお得意先
豪快な性格
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ガハハおじさん。
◇ロジーナおばさん
宿屋のオーナーであり、アレクの母と友人だった
三十代中頃〜後半
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少しばかりぽってりとした体格の人。
ひとりで暮らすアレクを心配している。
◇アレクの母
アレクが十二歳の頃に亡くなった女性。彼女の死の理由をきっかけに、アレクは苦しみ、死を選ぼうとした。
【エオスブルク城】
――街の中心にそびえる丘陵に立つ、尖り屋根が美しい白い城
――街の政治の中心であり、市民を黒魔術団から守るため、衛兵らと『暁の戦士』を派遣する。
【暁の戦士】
――エオスブルク城に仕え、街を守護する精鋭の強者達三人組
通常の衛兵たちと命令系統は別である。
――市民の憧れの的。しかし、彼らの名前や人柄は人々にほぼ知られていない。
市民が知っているのは、年初めの『黎明日祭』のパレード行進を歩く、全身をマントで隠した三人の背格好だけ
◇ラルフ (ラルフ・ドーン)
暁の戦士の一人。よれたブラックコートとくたびれた黒髪、生気を失わない鋭い眼光をもった壮年の男。
火炎を放つ重厚な魔剣を振るう。魔剣は、攻撃前に剣身の紋様を朱色に光らせながら、根本から剣を満たしていく。
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裏路地で知り合ったアレクに、魔術札で怪我を治療してもらう。
強さと優しさをもつ人物であるが、どこか影がある。
左利き。
【聖エオス大聖堂】
――街の人々がわけ隔てなく信仰する女神『エオス』を祀る聖堂
街の中心部、大通りのそばに建つ
信仰対象はアレクが知っている限り『女神を意味する紋様』であり、具体的な女神像ではない
のだが……。
■一部用語解説
◇遷移
ボイドの文明レベルが『飛び石』的に発展すること。街の形成範囲も拡大。ダイブ中の介入、時の経過が原因とされる。
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遷移はオーロラを『真綿で首を締めるように』破壊する。
オーロラすべてを破壊した最悪の結末を『極相』という。
◇キャスケット
マヤ博士が提案した、
ボイドへ潜入するための『ダイブポッド』。ダイブ対象の人間は、透けるほど薄い生地の『コネクトスーツ』を着用し、キャスケット内の触媒液に浸る。
名前の通り、棺桶(Casket)のごとく密閉される。
◇従装具
(Clothing)
主たる衣服に加え、帽子や靴、アクセサリなど、身につけるものすべてをさす。衣料品。
◇TC
ミラージュ隊員がボイドノイドとの接触において危険度を分類した区分。
四つのカラーで表現される。
・『グリーン』
通常状態:ボイドノイドとの敵対なし
・『イエロー』
敵対状態:ボイドノイドと敵対。『暴露』の危険低
・『レッド』
暴露の危機:ミラージュの行動の目的及び、ボイド世界の真相に迫られた、またはそれに繋がりかねない状態
・『ブラック』
想定範囲外:上記三つよりも深刻であり、どれにも当たらない。その後のボイド変化の影響力は未知数である。