僕と彼と青空。
基本ほのぼのです。BLではありますが過激ではないです。純情なので大目に見てやってください。気が向いたら連載や短編で続きや二人の出会いを書くかもしれません。
僕は蒼崎悠斗。高校生だ。あと最初から突っ込んじゃって悪いけど、僕はホモだ。自分でもよく分からないけど、女子には友達みたいな感覚しか覚えない。
そして今僕の隣の席であり、居眠りをしており、整った顔立ちをしているのは岸田翔。黒髪で冷たそうな目をしてるけど本当は優しい事も知ってる。意外と可愛い所があるって事も。
僕は彼が好きだ。
嫌われたくないから告白とかはしてないけど。
僕の毎日の日課。それは屋上で昼休みを過ごす事。
小さい頃から空が好きで、晴れてる空も曇っている空も大荒れの空も好きだった。
今日は珍しく先客が居た。いつもは僕一人でパンを食べたりしてるんだけど。
人影は岸田君だった。
嬉しくて心臓が高鳴ったけど、ご一緒するのは悪いし僕の心臓が耐えられそうに無かったから少し離れた所に座った。いつものように空を見てぼんやりしようと思ってもついつい目が岸田君の方へいってしまう。
チラ見が十回に及ぶかという時、岸田君と目が合った。ずっと見ていた気まずさも混ざって目を逸らした。気味悪がられなかったかとても気になったけど、もう一回見て目が合ってしまったら取り返しが付かなさそうなのでやめておいた。
結局何事も無く昼休みは終わり、僕は普通に教室へ戻った。
次の日もまた岸田君は居た。
慣れたわけではないけど心臓の高鳴りは昨日より落ち着いていた。屋上の沈黙も気まずいものではなく落ち着いた優しい沈黙だった。
「おい。」
いきなり声をかけられて僕はむせた。苦しくて咳き込んでいると誰かが近付いてきて背中を叩いてくれた。この流れから大体分かると思うけどね。
「き、岸田君・・・。」
恥ずかしい。かなり無遠慮に咳き込んでたし。口を押さえるどころじゃ無かったっていうのもあるけど。
「大丈夫か?いきなり声かけて悪かったな。」
謝らないでください!岸田君のすまなそうな顔にときめくっていうのは自分でもどうかと思うけど自然現象だから仕方ない。
「大丈夫!謝らないで!人が居るのは僕も認識してたし!あ、邪魔だった?ごめん出てくよ!」
一気に言って購買のパンの袋を掴むと立ち去ろうとした。でも岸田君の手が肩を掴んでいて動けなかった。僕が無理に動いて岸田君の手が折れたらどうしようとか考えていたのは秘密だ。
「いや。昼食一緒に食べようかと思っただけなんだけど。毎回一人だとつまんねぇから。」
それから僕と岸田君、二人で昼食を屋上で食べるようになった。
すっごく嬉しくて楽しかった。
趣味とか、勉強とか色んなことを話した。
休み時間とかも二人で居るようになって三ヶ月ぐらい経った時だった。
その日も屋上で昼食を食べていた。メロンパンは程よい甘さで、とってもおいしかった。
「蒼崎。」
「何?」
僕はメロンパンのせいで手がべたべたでそれどころじゃなかったけど一応返事をした。
「俺さ・・・。」
ふいに岸田君の声が真剣になって僕は岸田君の顔を見た。
「お前の事が好きだ。」
一瞬時が止まった気がした。飛んでる鳥が写真みたいに固まって、風が止んで、木のざわめきが聞こえなくなった。
次の瞬間、僕は恥ずかしいという感情も忘れて叫んでいた。
「僕も岸田君の事が好き!大好き!」
岸田君はぽかんと口を開けて驚き、それから「気持ち悪いって言われて失恋すると思ってたんだけどな。」と呟いた。岸田君が失恋?ありえない。だって僕も岸田君の事が心の底から好きだもん!
それから青空の下で僕の手と岸田君の手、僕の唇と岸田君の唇が恥ずかしげに重なった。
「空・・・綺麗だね。」
「俺と蒼崎の記念の空だ。あたりまえだろ?」
「・・・好き。」
「俺もだから。安心しろ。」
これからもっと岸田君を好きになれそうです。
自分で痒くなるくらい(いつも18禁ばかり読んでいるので・・・。)純情でした。でも自分で作りだしたこのコンビはわりと嫌いじゃないです。
親ばかですかね・・・。