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神様と西園寺くん


西園寺くんはかっこいい。しかも成績優秀で部活は全国大会レベル。モテる。多分学校内で一番モテてる。そんな完璧な西園寺くんが恋をするのはヒロインちゃん。

ヒロインちゃんは特待生。この学校に入れるはずがない一般人。みんなから疎まれて嫌われていじめられる。それでも決して笑顔を絶やすことなく優しかった。その健気さが西園寺くんを惚れさせたのだろう。

それを邪魔するのが白崎みれい。彼女は西園寺くんの幼馴染みでずっと好きだった。だから二人を引き離そうとして必死だった。でもその一部始終がバレてみんなから軽蔑されていじめられ病んで自殺してしまった。可哀想な女の子だ。

そんな白崎みれいに転生したのがこの私田中愛子。独身アラサー芋女処女です。西園寺くんが最推しです!大好き!でも私は別に西園寺くんのことが鈴ちゃんに好きって思われてるけど推しとしての好きであってガチ恋ではない。と思っていたけど多分私はもう恋してる。最初は何も考えていなくて彼氏にするとか言ってたけど今は二人を見守ろうと思ってる。あんなヒロインちゃんといると楽しそうな西園寺くんを見て二人の仲を引き裂こうなんてできないよ。あーあ。芋女の症状がでてるよー。

もうなんか色々疲れた。寝よ。


「おーい。」


「はぁ〜。」


「おーい!!」


「うるせえ!!」


「あ、起きたぁ〜?」


「え、誰?不法侵入?!きもいきもい!こっち来んな!キモいんだけど!」


「えっ!!!覚えてないの?!」


「どなたですか?」


「神だよ!!!なんで忘れてるのさぁ!」


このキモイ喋り方はそうだな。あの神か。


「私さヒロインに転生したいって言ったよね?!なんで別の人に転生してんの?!」


「神ってわかった瞬間キレんなよ。ほんと態度悪いね君。」


「ちょっと話聞いてんの?」


「はいはい。今日はそれを説明しに来たんだよ。」


「はぁ。」


「実はもうヒロインの中には別の人が転生していてそれで君が転生できなかったっぽい。」


「え?じゃあヒロインの中にいるのは誰?」


「そんなのわかんないよ。わかってたら苦労しないね。」


「は?うざ。」


「とにかく仕方ないことだから。諦めて。」


「無能な神だな〜。」


「無能って言うなよ!僕さ君の要望に答えたよね?!どこが無能なんだよ!」


「おーおーキレんな。」


「はぁー。もう行くね。君と話してても楽しくないし。」


「ばいばーい。」


ヒロインちゃんの中に別の人の魂があるのか〜。誰だろ。ストーリー道理に進まなかったからおかしいなとは思ってたんだけど。


「ごめーん。今わかったことなんだけど〜」


「あー。また戻って来たんすか。どっか行ってください。」


「ヒロイン花咲かぐやの中にいるのは白崎みれいだって〜。」


「は??」


「じゃーねぇ〜。」


「ちょっと待てよ!!!」


消えやがった。クソ神が。そういう大事なことは早く言ってくれっつーの!!白崎みれいって言ったよね?白崎みれいが転生したってことは私みたいに二回目の人生のはず。でもさよくよく考えたらさ白崎みれいって西園寺くんのこともともと好きだったよね。だったら今のままで良いんじゃないかな。白崎みれいは性格悪いけど一途な女の子のはずだし。

でもさ白崎みれいって西園寺くんがボールに当たりそうになってたところ見てたのを私がゲームで知ってるから知ってるはずだよね。だったら助けるくない?好きな男にボールが当たりそうになってさスルーする?多分しないよね。・・たしか西園寺くんが白崎みれいに対するいじめの主犯だったよね・・・しかも白崎みれいのこと罵倒したり軽蔑したり無視したり割とひどい行動をしていた。ほぼ西園寺くんが白崎みれいを自殺に追い込んだようなもの。

今白崎みれいは西園寺くんから一番近い距離にいる人物なわけだから何してくるかわかんない。しかも白崎みれいが西園寺くんを憎んだり恨んだりしてたら西園寺くんが危ない。ヒロインちゃん・・気をつけよう。

女怒らせたら怖いもんね。


============


〜西園寺視点〜


あの白崎さんが僕のことを助けてくれるなんて思ってなかった。あの白崎さんだよ?いつも自分より低い身分の人を軽蔑したり罵倒したり教師に向かって反抗的な態度を取ったり言うことを聞かなかったりこいつ最低だなって思ってた。でも最近は別人みたいだ。軽蔑もしない罵倒もしない教師の言うこともちゃんと聞く。おかしいんだ。白崎みれいが変わったと噂になっている。優しいし綺麗で穏やかになったと。みんなが今の白崎みれいは好きだと言っている。男子の間では結構狙っているやつが多いとか・・・

そんなこと興味はないけど。僕は今花咲さんのことが気になっている。可愛くて健気で白崎さんとは大違いだ。


「白崎さん!」


「は、はい!」


「あの昼ごはんとか一緒にどう?」


「あ、えっと・・・私鈴ちゃんと食べることになっているので・・また今度お願いします。」


「えー。いつ空いてるの?」


「えっと・・・ちょっとわかんないかもな〜。あはは」


「じゃあさ連絡先交換しようよ!」


嫌そうだな。まあ確かにうざいけどもっとうまく躱せるようにするべきだね。僕はしっかり断るし。まそんなの知ったことじゃないけどね。


「ちょっと!何してるの!」


「うわっ・・・」


「うわって何よ!白崎さんは今から私とご飯に行くんですからね!」


この人は確か・・七草鈴さんだ。白崎さんと仲がいいらしい。白崎さんによってくる男を全力で排除しているってところかな。この人怖いな。


「七草さんには関係ないだろ・・」


「いーえ!私は白崎さんに近寄ってくる害虫を排除する役割があるのです。」


「鈴ちゃん・・!」


いやそこで感動するところじゃないでしょ。普通怖がるところだよ。


「白崎さんはあんたたちみたいなチャラい男は嫌いなのよ!白崎さんが好きなのはね王子様みたいな誰にでも優しくて気品があって笑顔が素敵な人よ!白崎さんはお姫様みたいになってみたいの!」


「ちょっと!鈴ちゃん?!あんまり言わないでよ?!」


「もっと詳しく。」


「それでね〜」


「いや鈴ちゃん?!言わないでってば!」


顔真っ赤。


「あっと。ついつい」


「もー!」


なにか七草さんが白崎さんに耳打ちしてまた顔が真っ赤になった。あ、笑った。また笑った。白崎さんってあんなふうに笑うんだ。知らなかった。あ、こっち向いた。やば。見てたのばれたかな。


白崎さんは僕の方を見て顔を真っ赤にして。その後きまずそうににこって僕の目を見て笑った。

あ。かわいいな。そう思った。



きゅん。



僕の心がそう鳴った。

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