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勇者の飼い猫になりました。  作者: 眠れる森の猫
第五章 野良猫ミリア編
37/63

第34話 第一回「いえ、まもる」会議

『ダンジョンマスターとなったからには、ダンジョンの拡張や整備、なによりも侵入者の進行を防がなければならん。おぬしは死なんから大丈夫じゃが、ダンジョン創造の巻物を奪われたらアウトじゃぞ』


「うむ、わかった」


『わかっておらんじゃろ』


 ダンジョンマスターになる条件、マスターを倒しダンジョンコアを奪うこと、ダンジョンを成長させるには魔力が必要だ。一つ目は侵入者を倒すこと、二つ目は侵入者を長く滞在させるようなダンジョンを作ること、仕掛け、宝箱などでリピーターを増やす努力を怠ってはならない。ダンジョンの難易度が高いと侵入者が来なくなり、最悪の場合、勇者クラスの人間がきてしまう。なにより怖いのは国をあげての討伐を掲げれることだった。だからダンジョン経営は難しい。


☆☆☆


ダンジョン名     みりあのいえ

媒介     ダンジョン創造の巻物

レベル             1

マスター          みりあ

魔力            300

家来              4

階層          1F~B2

評価    もっとがんばりましょう


☆☆☆


 そして――


 ミリアは、ダンジョンの魔力を消費して、マスターフロアの内装工事を行った。壁や天井を補修し、ボロボロだった壁や天井がレンガの壁となった。


「きれいなった」


『よかったのう』


「なんだ、これは珍しい石だな?」


 周囲の壁に魚が泳ぐ壁紙をつけた。


「おさかな!!」


 床をフローリングしたあと、畳をはめこんだ。


「きもちいい」


『これ。だめじゃろ? 土足禁止じゃ!!』


「この床は、土足禁止なのか?」


 レオニードの言葉を察した、もふもふは、畳を汚さないように雑巾で足を丁寧にふいた。


『だから靴をぬげといっておるじゃろ』


 土足で駆けあがるミリアは、獣以下だった。


「うむ、すごい」


『とうとう野良猫生活も終わりじゃな』


「お前たちは、どのような生活をしていたんだ」


 ダイニングやキッチンも取りつけた。


 あとは発電機をつけるだけ――


 そう、最後にこれをつけるだけで、ミリアは快適なダンジョンライフを満喫することができるのだ。


 ――その予定だった。


 なぜか、部屋の中央に丸いちゃぶ台が置かれていた。


『…………』


 そして――


 暗闇の中を照らす一本のロウソクが、ちゃぶ台にのせられた。

 それを囲むように第一回「いえ、まもる」会議が開かれた。

 ミリアは正座をさせられた。


『おぬし、わかっておろうな』


「すまん」


「これはなんだ、冷蔵庫? どういったものなのだ」


 レオニードは会議そっちのけで、電化製品に興味津々だった。アカネギは植木鉢の中で頭を揺らしながら、お眠り中。もふもふは身体をまるめて眠っていた。これが会議と言えるのだろうか。


『おぬし、なぜ、発電機をつけんかったんじゃ。これを押せと何度も教えたじゃろ。なぜ、ちゃぶ台のボタンを押したんじゃ』


「ほんと、すまん」


 畳と言えばちゃぶ台。ミリアのナイ頭によぎってしまったのだ。電気がないと電化製品が動かない。ミリアの本の説教が小一時間つづくことになった。

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