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勇者の飼い猫になりました。  作者: 眠れる森の猫
第三章 ~ミリアの本~編
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第14話 エミリアの本

 ここは天界の一室、職員用ロッカーである。エミリアは、紙、いや、神だけに、今日も、コピー機の給紙係をしていた。異世界を管理する仕事から結局、元のお仕事に戻されてしまった。役立たずな猫だけにあたり前なのだが。定時になり、今から帰宅準備を始める猫神様だった。


「今日の仕事も無事終わったのです。モニカにばれるとは、チキショーなのです。またこの仕事に戻されるなんて……ほんと、やれやれなのです。ふぅ~、さっさと着替えて帰るのですよ。うーん、そういえば……何かを忘れているような……」


「エミリアちゃん!!」


「ヒィイイイ!! 生首のお化け!! がくぶるなのです」


「今日はクマさんパンツ、とっても可愛らしいですわね」


 モニカの頭部がごろりと転がった。いや、エミリアの足元からひょっこり現れたのだ。まるでホラーのようだ。

 モニカは、透過スキルを使用しているようだ。もちろん、エミリアのパンツを覗くためにだ。だが、力の使い所を間違っている。モニカのストーキング行為は今日も絶好調だ。


「ふぅ~、落ち着いたのです」


「そんな――、エミリアちゃんがショック死しないなんて、もう耐性がついてしまったのね、せっかく脱ぎ脱ぎして、あんなことや、こんなことをして楽しもうかと思ったのに、とっても残念ですわ」


「わ、わたしに、いつもナニをしていたのですか、怖いのですよ。それに、何度も死んでられないのです。うーん、何かを忘れているような、たしか、ロッカーに辞書、いや、本だったような、しまっておいたはずなのに……どこにもないのです」


「エミリアちゃん、きっと、それはどうでもいいことですわ。忘れてしまいましょう」


「今日のモニカは、なんだか、すっごく、怖いのです。笑顔が眩しくてガクブルなのです」


「やっと“邪魔者”がいなくなりましたから、本当に素晴らしい日ですわ。そうそう、エミリアちゃん、今日の夕飯は大好物のハンバーグですわよ」


「そうなのですか!! 目玉焼きもついているとうれしいのです。さっさと帰るのですよ」


「あらあら、下着のままで……ナイスですわ」


 着替え中なのも忘れ下着のままエミリアは帰宅した。そのことに気づいたエミリアは、羞恥のあまり悶絶することになった。頭の中が、ハンバーグでいっぱいだった。そして、数秒後、ショック死した。もちろん、その時の映像は、ばっちり、モニカのビデオカメラに収められていた。


「はぁはぁ、またコレクションが追加されましたわ」

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