温かな世界
遠い遠い昔、遠い遠い世界。光溢れる世界がありました。
そこには、美しい女神様と女神様を護る天使と人間と動物たちが暮らしていました。
天空にある美しい神殿には女神様と天使たちが暮らして居ました。
神殿には、清らかな水が湧き出る泉が在りました。泉から溢れた水は川となり流れ落ちて神殿の下に緑豊かな大地を作り出しました。
世界は、下へ下へと拡がっていきました。それと同時に、多種多様な命が生まれました。
精霊や妖精が住む大地、エルフやドワーフの住む大地、人間や動物が住む大地。沢山の命が生まれました。
女神様は世界の全てを愛し慈しみました。
女神様の慈愛は世界を包み込み、世界は女神様の想いに応える様に優しく豊かで穏やかでした。
女神様は天空の神殿で祈りを捧げ、女神様の祈りは光となって世界中に降り注ぎました。
天使は、女神様を敬い、愛し、女神様を護ることに誇りを持っていました。
全ての命が女神様を敬い、感謝しながら生きていました。
光溢れる世界で誰もが幸せでした。
女神様は神殿で祈りを捧げるだけでなく、地上にも降りて命たちに寄り添いました。
天使も女神様と一緒に地上を見て回り、そこで暮らす命たちに寄り添いました。
全ての命が、感謝の祈りを捧げ、穏やかな日常を過ごしていました。
女神様は、天使、精霊、妖精、エルフやドワーフ、人間や動物だけでなく、植物や小さな虫、命を育む大地や水にも、毎日祈りを捧げていました。
優しい女神様の祈りに包まれて、世界はとても平和でした。
下へ下へと拡がっていく世界。泉から溢れた水は、下へといく程少なくなり、大地も小さく実りも少なくなっていきましたがそれぞれ大地に適応した命が生まれました。
一番最後に出来た大地には、泉の水はぽたりぽたりと滴る程度でした。
光も届かない小さな小さな大地でしたが、一つだけ小さな植物が芽を出しました。
その小さな芽は不思議な事に、仄かに光っていました。
女神様は神殿で祈りを捧げながら、全ての大地にも足を運びました。
一日に一つ順番に回っては、その大地の為に祈りました。
女神様の祈りは祝福となり、命たちを護りました。
その為、どの大地でも命たちは争う事無く穏やかに暮らしていました。
一番最後に出来た小さな大地に訪れた時、女神様は驚くと同時にとても喜びました。
仄かに光る小さな芽は、女神にとってかけがえのない大切な存在で、女神様が生まれた時からずっと探し続けていたモノだったからでした。