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新たな関係に戸惑う やってしまった朝です。

アリステア王国の子爵令嬢エリンは父の借金返済のために公爵家でメイドをしている。

弟アーサー、妹アリシアのために子供の頃から働いてます。

美貌のエリンに公爵家次男レイナルトはゾッコン。

媚薬を飲まされたレイナルトはエリンと関係を持ってしまう。


ムーンライトに、この話の前編があります。


エリンの弟アーサーの物語も書きました。

「借金令息も返済に生きる」です。

よろしくお願いします。

エリン視点


夜が更けて、疲れて眠っていたエリンが目を覚ました。

身体中が痛い。ここはどこだっけ?

ん?何かに抱き締められている。??

!!何も着ていない!

レイナルト様だ!

そうだった。レイナルト様が媚薬でおかしくなって。

ここは馬車の中だ。


毛布!外から差し入れだわ。

どうしよう。どうしよう。

とにかく、服を着よう。


ガサゴソしていたらレイナルト様が起きたようだ。

裸のままで抱きついてきた。

「もう少しこのままでいてよ」

可愛らしいが、駄目だ。夜明けが来る。屋敷に戻らなければ。

レイナルト様の腕をほどく。

レイナルト様が起き上がり、

「エリィ。いや、エリン。結婚して。」

やはり、バレていたか。

「お断りします」

レイナルト様が驚いた顔をした。

「レイナルト様は媚薬でおかしくなっていたのです。気にしませんから、何もなかった事にしましょう。」

「嫌だ。もう僕とエリンは夫婦の仲になった」

「レイナルト様、結婚はお断りします。とにかく、何もなかったんです!私の名誉のために、何もなかったとしてください!」

「僕が嫌い?」

「普通です」

「他に好きな人がいるの?」

「そうでなくて、しなくてはいけない事があるからです。」

「ローラン子爵家の借金なら、僕も協力するから、結婚して。」

「貴方様に背負わせる義理はありません」

「あるよ。もう、こういう関係なんだから」

「何もなかったんです!夢です」


エリンは衣服を整えて馬車を下りた。


御者のサムさんにはバレてる、と思う。毛布もサムさんからだろう。レイナルト様の醜聞になるから。扉を開けずに馬車の車庫に入れて、そっとしておいてくれたのね。

出迎えはどうごまかしたんだろう?

「寝てるから」って、そっとしておいてくれたのかな?

きっと他の人にはバレてないはず。

サムさんなら、公爵家のためにも、私のためにも「何も無かった」と何も言わないでいてくれる。

いつも通りよ、いつも通りに振る舞えばいい。

今日は無理だけど。アチコチ痛い。特に下半身に違和感が!


こっそり足音を立てないように部屋に戻った。部屋の前に「具合が悪いです。お休みさせてください」とプレートをかけた。

本当に身体中が軋む。それに、まだ眠い。

エリンはベッドに倒れ込んだ。


一方、レイナルトも衣服を着て屋敷に入った。

毛布は馬車に畳んで置いておいた。

またプロポーズを断わられた。なんでだ。

受け入れてくれたのに。

エリンの柔らかな身体を思い出す。特に大きな胸が。

ハリがあって、でも柔らかくて。

身体は細いのに出るところはバンッと出ていて。肌はしなやかで、柔らかくて。良い香りがした。

エリンも初めてだった。貴族の令嬢を結婚前に。

自分がした事に信じられない思いと、背徳感と達成感が入り混じる。

絶対に結婚する。エリンと。

好きになってもらいたい。

どうすればエリンと結婚できるだろう?

まだ眠い。レイナルトも心地よい疲労を覚えながら、眠りについた。


公爵家では、二人の様子を見て、そっとしておく事にした。触れない方が良さそうだと緘口令を敷いた。




公爵夫人はヤキモキしていた。

下の息子が長い間、自分のお気に入りのメイドに恋しているのを見てきた。


優秀な長男の影に隠れるように、控え目な息子。

爵位を継ぐのは長男。次男は長男が廃嫡にならない限り、出番はない。入り婿か官吏になり、自分の子の代には平民になる事もある。

巷では兄弟仲が良くない家もあると言う。

次男は決して出来の悪い方ではない。しかし、兄より目立ってはいけないと抑えているように見えた。

兄を慕い、ひねくれる事なく育ってくれた。

留学したり、見聞を広げで自分自身の力で、努力する姿が好ましい。かわいい我が子だ。

15歳の息子がやっと留学から帰国したのに、滅多に帰宅しなくなった。

いずれ自分は公爵家を出るのだから、と家族から離れようとしている風に見えた。

息子の自立を押さえつけてはいけない、息子なりに将来を考えての行動だと思おうとした。寂しかった。

末っ子なのに。

長男は王宮で仕事。帰ってこない。

娘も結婚して出ていくというのに。

この家がカラッポになる様な気がしていた。


そこに、勇敢で美しいメイドのエリィが来た。

長男は相変わらずだが。

次男は毎週帰宅するようになった。

娘と次男と、楽しいかけがえのない時間を持つ事ができた。

個人的にエリィが気に入っている。可愛らしい。

次男の恋は、次男にとって唯一の我儘にみえる。次男の想いを受け入れて欲しい、ずっとそう思っていた。

息子はどの縁談も見ようとも聞こうともしない。

ズルい男なら、適当な貴族家に入り婿に入り、別宅に愛妾を囲う。

私の自慢の息子は一途に一人だけを愛し、自分で職を得て自立するつもりのようだ。

エリィはプロポーズを断わっているけれど、次男を嫌ってはいない。

おそらく、もうひと押し!

温かい目で、長く見守る日々が続いていた。


それがあの夜、急展開が起こった。

想いが通じ、息子がエリィを落とした!

屋敷の庭、裏庭、ゆっくりグルグルと何周も廻り続ける馬車。御者のサムの焦っている顔。

笑っちゃったわ。

不自然な揺れ方で中で何をいたしてるかわかる。

若いわー。すこわー。長いわー。

良かったわね、レイナルト。

大丈夫かしら?エリィ。

赤ちゃんができる前に式を挙げなくちゃ。

そう思ったのに、何やら様子がおかしい。



何もなかった様に振る舞うエリィ。

そんなエリィを熱い眼差しで見つめる息子。

エリィのご両親に挨拶したいのに。大切な娘さんを、結婚前に、うちの息子がいたしてしまったのだから。

どうなってるの?婚約なんじゃないの?と二人に言いたい。が、ぐっと我慢。


無理やりなら、エリィは怒って何か行動や態度に出るはず。レイナルトを嫌いな様子は無い。

女性なら、嫌いな男がいる屋敷に勤め続ける事はしない。

でも、相変わらずの距離感で二人は過ごしている。空気がピリピリしているけれど。

そっとしておこう。下手につついては、良くない。

二人が自然にくっつくまで。





レイナルトは、落ち込んていた。

エリンが結婚してくれなさそうだ。

結婚するつもりはない、って何度も言われてきた。

馬車での夜、おかしくなった自分に「良いんですよ。」って言ったのは、結婚とか関係なく、身体の関係を持つ事を了承って事?

それとも、自分が、ものすごく、その事が下手で嫌になったのだろうか?

レイナルトはものすごく気持ち良かった。心も身体も満たされるとは、この事かと感激した。生きてきた中で最高の時間だった。

独りよがり、というやつをやってしまったのだろうか?ほかを知らないから、全然わからない。いや、他は知りたくも無い。知るつもりもない。エリンが唯一だ。

そのエリンから、ダメと思われてる?

あの「良いんですよ。」は、媚薬の見せた幻で、僕はエリンを襲ってしまったのだろうか?

あんな事をして何も無かった事には出来ない。愛している。どうしたら結婚してくれるんだ!?

やっぱり、僕は下手すぎたんだろうか?



第一部を18歳未満制限押してしまったら、どこかに行ってしまって。投稿したけど、見つけられない。小説家になろうの使い方がわからなくて。ごめんなさい。

   

投稿して約1日後。

第一部、発見しました。

ムーンライトノベルズにありました。

自分で投稿して、行方不明で探してた馬鹿投稿者です。

良かったら、第一部も読んでください。題名は同じです。借金令嬢は返済に生きる、です。

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