ラスボスと闘いの前夜祭
草原を歩き始めてから4時間。
「やっと集落を見つけたぞーー!!」
だが、その集落は、焼け焦げていた。しかし、そこには人が住んで居た形跡はしっかり残っていた。
「とてもじゃないが、こんな家の状態で人が住めるとは思えない。よく見ると、とてつもない力で空間変化が起きた様な形跡がある。もしやこれは、マグナ・カルタの災厄なのか? 地図によると、マグナ・カルタの住処とされている場所までそこまで遠く無いし。もしこれがマグナ・カルタだったら、とんでもない奴だ」
と、震える手を無視して、誰も居ない空間に余裕を見せ付ける。
「これまた1日と言うのは早い物だな、もう夕方だ。今夜はこの集落の跡地で1晩過ごすとするか、丁度、家の原型がある家が幾つかある。その家を貸してもらおう。 でもこの集落凄いな、あれだけの空間変化に耐えている家があるなんて、俺のふるさとには絶対に無いな〜、もしかして、マグナ・カルタに奇襲を掛けられた時の為にこんなに耐久性が高いのか?」
と、文明の進化に感心した。
小枝や落ち葉を集め、山の様に積んで焚き火を起こし、その近くに大木を置いてそこに腰をかけた。
「たまにはこういうのも良いもんだ。さっきの小屋で、貰ったパンでキャンプ風に食べるとするか」
魚や肉や果物の様な贅沢品がある訳では無い。しかし、パンを頬張りながら揺蕩する炎を見るのは非常に心が休まるものだ。
揺蕩する炎を見ながら今までの冒険を振り返っていた。
「初めは、魔法の世界大会で1位を取って、その反動でマグナ・カルタを倒すと言って家を飛び出して、森に入ってケルベロスと戦って、そのまま幻毒の竹林に入って、ファントムオオサソリと戦って死にそうになって、その後空腹と戦って、今に至ると言う感じだが、実際ここまで来てみると、長い様で短かったな〜 そしてもうすぐ世界に災厄をもたらす大悪魔マグナ・カルタと戦う事になる。今日はしっかり休んで気を引き締めて、闘いに挑もう」
そしてその日は眠りについた。
「よし、距離的に今日マグナ・カルタと闘う事になるだろう。気を引き締めて行くぞ!」
(勝手に)借りていた家を出て、歩き始める。
「マグナ・カルタまでもうすぐだ。この災厄を打ち勝ちに行くぞ!」と、気合いを入れる。(あまり災厄を受けた事は無いが)
歩いていると、「ん!? これは、すごい」そこは、今まで草が生い茂っていたが、突然、地面は真っ黒になっていた。
「おぉー、これはラスボスの存在を醸し出してるな〜 しかしこの物体はなんなのか? 土でも無い。アスファルトでも無い。粘土でも無い。本当になんだこの物体」
その地に踏み入れてみると、靴の音が甲高い骨? の様な音を出した。「いや本当になんだこの物体?」と、考えていると、
目の前に突然とてつもなく大きい工場? みたい物が現れた。
「もしやここに世界から恐らている大悪魔。マグナ・カルタがいるのか? 最終決戦はやはり工場て言うのがお約束っか」と、馬鹿な事を考えていると、
「あなたがレオ・ド・アクセルか?」「誰だ?」突然誰かが話かけてきた。にしても、最近"突然"が多くない?
「私は世界から恐れられて、かつ、あなたが倒したい大悪魔マグナ・カルタだ」
「遂に最終決戦なのか、大丈夫。何度も頭でイメージトレーニングと言う名の妄想であれだけ倒したのだ。行ける!」
《遂に次回、マグナ・カルタと闘う》