表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

正気を失った猛毒との闘い(後編)

「シールド解除!」と、叫ぶ。

少々と言うか、かなりの強行手段だがこれしか方法が無い。


 シールドを解除した瞬間、かつて無いほどの強烈な目眩に襲われる。


 幻毒の影響だ。


 予想に反して、発症が早すぎる。それに話に聞いていた症状では無い。何故だろうか、幻覚・幻聴は発症まで時間がかかるのか?


「まあいい、目眩は幻覚・幻聴よりまだマシだ」


 話と違うから少々驚いているが、すぐに魔法を放つ準備をする。


「燃えろ。火炎放射」


 ユルい感じになってしまったが、何とか魔法(火炎放射)を放つ事が出来た。結果オーライだ。



 だがしかし、ファントムオオサソリは燃えない。何故だ。


 完全に幻毒に気を取られていたせいで忘れていた。毒類全般は可燃性物質だ。幻毒の竹林の中では、何時どこで大火事になってもおかしくない。なのでここで生きていくには、火・炎に強くなくてはならない。つまり属性だ。


「ただでさえ時間が無いのに属性の不一致で無効とかありかよ!最初の難関はそうあまり難しくないのがお約束なのに」

いくら魔法界の世界最強とはいえ、シールドを解けば生身の人間だ。幻毒の影響もダイレクトに受ける事になる。


「くっそ、世界最強でダンジョン無双なんて妄想していたが、そう上手くは行かないってか」


 頭でも口でも愚痴を語っていても仕方ない事に気づき。すぐに次の魔法を放つ準備をする。


「凍れ。氷塊の術」


 何とか、相手は氷付きこちらの勝利と言うわけだ。しかしながら、身体は強烈すぎる幻毒に耐えきれず、横たわってしまう。


 急いで、自分の身体に治癒魔法を放つ。何とか一命は取り留めたが、体力までは回復せず体力を絞り出すようにシールドを展開し、少しの間仮眠を取る事にした。




 1時ぐらいだろうか、仮眠をとった。胸ポケットに忍ばせていた、懐中時計は、午前11時30分を指している。

体内時計もちょうどその頃だ。いくら幻毒の竹林とは言っても、時空まで狂う事は無いのと言う事だろうか、



 体調は最良ではないが、さっきの死にそうな程でも無い。少しは身体を休める事が出来たそうだ。


「体力残量も50パーセント位だろう。まずまずだな」

だが、ここから竹林の出口まで30キロ程距離がある。休憩を挟みつつ進む事になるだろう。


 もうこれ以上敵が現れない事を祈りつつ、歩を進める。




「と言うか、はらへったー」

 "腹が減っては戦ができぬ"とはまさにこの事だ。家を出てから、まともな物を食べていない。食べたものと言えば、

 持ってきた、ドライフルーツのマンゴー4切れ位だ。(あれ、俺ってすごくない?)しかしながら、食べ物を生成する能力は持っていない。(本当に世界一なのか俺?)生憎と、食糧はドライフルーツしか持って無い。何故かって? "日持ちする"からだ。

(単純な男だろ!)


「狩りをしろと言う事なのか? そんなのやった事無いのに」

なんにせよ魔法の火力が高過ぎて、燃やせば、骨すら灰になり、凍らせば、火あぶりにしても溶けなくなる。 こんな状態でどこをどう食べれば良いのか、


 ふと、家を出る前の考え事を思い出す。


(剣はいらないか)


「もしかして剣なら、首を刎ねるだけで相手の息の根を止める事ができる。狩では役立つかもしれないな。でもまだ魔法の魅力には及ばないがな」と、魔法をよいしょしつつ剣の強みを感じた。


 そしてまた空腹をしみじみと感じならがも、歩き始める。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ