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初めての事だらけの旅

 街を出てからしばらくして森に入っていく。


 3時間程か、けもの道を歩いていると、


 「ガゥルル」

「はっ」


 動物の鳴き声が聞こえた。 猛獣ケルベロスだ。


 だが俺は世界一の魔法使い。(あまり攻撃はした事がないが)まぁなんとかなるだろう。


 ケルベロスが目を赤く光らせる。


 「来るぞ」


 火炎を念じる。


 ケルベロスが襲いかかってくる。


 右手をケルベロスに向けて、右の手のひらに意識を向ける。 「燃えろ」


 轟音鳴らして放った火炎は瞬く間にケルベロス全身を燃やし尽くした。


 「ふぅ〜 我ながら自分の強さに感服したぜ」 と、慢心していると、



 空は既に透き通ったオレンジ色に輝いていた。

「もう夕方か、一日と言うのは早いものだ」


 初めての夜だ。

「今日は疲れた、早く寝よう」


 その日の夜。夢を見た。

マグナ・カルタとレオが戦ってボロ負けると言う夢だ。


 朝、目覚めた時良くない夢を見た。

と、気分の悪い朝を迎えた。


 そしてまた歩き始める。






 歩き初めてから2時間ぐらいだろうか、

ふと、地図を見る。

 

 持って来た地図によると、北に10キロ程進むと、

幻毒の竹林と言うのがあるらしい。


 その名通り、感染すると幻覚、幻聴などの症状を引き起こす猛毒がたっぷりと充満していると言う。


 「シールドを展開し続ける必要があるみたいだ。体力勝負と言ったところか」


 だが、死者の蘇生で膨大な体力を消費するため、体力にはいささかな定評がある。

(本当にいささかだが)


 「10キロって遠くないか?」

と、愚痴をブツブツとつぶやく。

 

 魔法使えるのだから飛んで行けば早くないかと言う意見がありそうだが、それは無理だ。

 

 魔法を使うのだから体力を消費する。

同じ10キロでも歩くより飛んだ方がよっぽど疲れる。


 ただでさえ疲れるのに、幻毒の竹林で、シールドを展開し続けばならない。


 飛んで行くなど正気の沙汰ではない。


 だが、幻毒の竹林では猛毒のお陰で、モンスター類はい無さそうだ。それだけが唯一の救いだ。


 なんて事を考えながら歩き続けた。





 現在の時刻は、朝の9時ちょうどだ。


 懐かしい唸り声が聞こえてくる。

 「グゥルルル」


 「あれ、なんか声おかしくないか?」

 

 この予想は正解だ。今回は10匹だ。


「ちと多すぎやしないかね」と、つぶやく。

 

 だが、やる事は同じ。また昨日の様に、

右の手のひらケルベロスに向ける。


 「燃えろ」

 

 そして昨日の様にケルベロスは燃え尽きたが、



 「後ろ!?」

 

 まさかの後ろからの不意打ち攻撃だ。

さっき倒したのはたった3匹だ、

 

 まだ、いることは分かっていたが、まさか後ろからとは、こりゃ1本取られた。


 体力消費を恐れ、索敵魔法を使わなかったのが原因だ。



 瞬時に体を反らせ避ける。

しかし、早かったのはあちらだ、左腕を噛まれた。しかも三箇所だ。


 「意外とやるな〜」と、一瞬の感服を挟みつつ、「だが、奥の手が分かればこちらの勝ちだ」


「氷塊の術!」

 

 少し範囲を広めに放った。(まだ隠れているかもしれないから)


 ケルベロスは一瞬で凍り付く、

流石に隠れている奴はいなかった。

(よかった〜)


 なぜ氷塊の術かと言うと森林火災を防ぐためだ。

(さっきよく火炎放射した時に火災にならなかったな)


「ふぅ〜 左腕に怪我を負ったが、何とかなった」

 


 左腕に治癒魔法を使って回復する。


「まさか、体力消費を抑えようとしたら、余計に使うことになったとは、失敗したな」


 終わった事を悔やんでも仕方がない。

と、心に言い聞かせながら


 また歩き始める。

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