再会
ハルヒの実習先は県内で一番大きな病院だった。
大島さんが、いる、あの病院だ。
私はなぜ、巴原さんがハルヒの服を持っていたのか分かった。ハルヒは大島さんと一緒にいるんだ。
私は迷うことなく病室に向かった。
すると中には寝たきりになってだいぶ痩せた大島さんがいた。
ハルヒはいなかった。
「もう来ちゃダメよ……」
「は、ハルヒはここに来ませんでしたか?」
「来たわよ。ともちゃんが……」
「行くようにと?」
ゆっくりと頷いた。
私は来ちゃダメだと言われたのに来てしまったことを詫びて帰ろうとした。しかし、「帰らないで、懐かしいわ……。医療従事者らしい顔になったわね。」と優しい声で言った。
消えてしまいそうだった。
あまりのことに言葉を失う私に、「もうご飯食べられないのよ……。もう歩けないのよ。もうなにもできないの。ごめんね。何もできなくて……。」と言った。
入寮の日に大きくて可愛らしいと思った目は今や窪んで、大きさだけが際立っていた。
「ハルヒちゃんは…控え室にいるわよ。またおいで。死ぬ前にね。」
死ぬ、という言葉が胸に突き刺さった。
「絶対、来ます!チバリヨー!」
あの時、セレモニーの時に贈られた言葉を口走った。
大島さんは、ゆっくりと細くなった手を振って、「ハルヒちゃん、早く解決するといいね」と言った。