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遺った書

現実世界・その他


随分前に書いたらしいもの。

超短い。


*


今日は弟の誕生日を祝おうと思う。

本当の誕生日はもう一月半も前に過ぎてしまった。

けれど弟はその時期、本当に忙しかったようで、合鍵を使ってご飯を作りには来ていたけど、会えることはほとんどなかった。

なにがあったの?と聞くと、バイトが忙しい、と答えた。

どうやら何人かが一度に辞めてしまったようで、古参の弟が多く入れざるおえなくなったそうだ。

私はそんなことしなくても社員がどうにかすべきと言ったのだけれど、弟はそれじゃあお店が成り立たないと首を振った。

いつも貧乏くじを引くんだから。

でも、先日そのバイトを辞めてしまったらしい。

メッセージで理由を聞いても答えてくれなかった。

ただ、僕はもう、いなくても大丈夫みたいだからと寂しい返事が返ってきた。

何があったかわからない。

けれど、姉の勘で弟が相当参っているのはわかった。

昔から無駄に我慢強いから本当にギリギリにならないと頼ってくれない弟。

私はそんな姿を見て姉の横暴さを利用して何とか弱音を吐かせようとよくした。

喧嘩になることも多かったけれど、喧嘩しているうちに姉さんは!と声を荒げて鬱憤を晴らさせる。

姉は弟をこき使うけど、弟だって姉を利用していいんだ。

それにたった一人しかいない弟に頼られないのは悲しいから、もっと寄り掛かってきなさい。

お姉ちゃんはそのためにいるんだから!

でも、最近はそれもできなかった。

忙しいからと話す時間もほとんどなかったし、今回のメッセージだ。

だから、弟の気晴らしと愚痴に付き合うために二人だけのプチ誕生日パーティーを開くことにした。

弟はきっともう過ぎたんだけど?と怒るだろうけど、去年から飲めるようになって、でも弱くて2,3杯しか飲めないお酒を飲んでから喜んでありがとうと言うんだ。

お酒が入ると素直になるから可愛い。

今日は、どんな悩みを抱えているのだろうか。


全く、優ったら意地っ張りなんだから…!









姉さんへ


父さんと母さんに謝ってくれると嬉しいな。

先に逝くつもりはなかったんだ、って。


それからもし僕のことを悼んでくれる友人がいるなら、ありがとうと伝えてほしい。

とてもくだらないことしか話せない僕だけど、一緒にいて本当に楽しかった。


何度も何度も冗談で死にたいといったことはあるけど、本当に思ったことはなかった。

だから今回も本当に自分がそうしたいかだなんてわからない。

でも、今日なら死ねると思った。


目の前の新しい風邪薬を全て飲んで、他にあった薬も一応飲んでみた。

ネットを辿っているうちにどの死に方が汚いか分かったから、綺麗に死にたかった。

本当にそうなってるかわからないけど、寝てるようだったらいいな。


姉さん、僕は今日姉さんが来ると知ってたぶんこうしようと思ったんだと思う。

死んで溶けた姿はさすがに嫌だから、合鍵をもっている姉さんが見つけてくれればなって。

だから、姉さんには本当に酷なことをしたと思う。

ごめんね。


でも、何もない僕は、何にもないからそれに耐えられなかったんだ。


この続きを書こうと思ったのかは覚えてません。

前書きのあらすじはさっき書いた後付け。


年内にもう一話くらい全く別ジャンルを投稿しようかと。

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