第24事件 最終章中編 人の夢と書いて『儚い』
事実と言うのは隠そうとすればするほど後手に回る。
会社の営業方針に取引先が口を出してきたと言う意味不明な副社長からの説明に納得がいかない昆布であった。
だが、世間ってのは非常に狭い。
取引先のTOPと親密な関係にある人物から今回の事態の事実が告げられたのだ。
「昆布君の会社の副社長、下請けとして受けていた仕事を直接取引させてもらうように先方に内緒で直談判しにいったんだって。それを知って今回の事に繋がったらしいよ」
自身に都合の悪いことは伝えずに隠しつつも虚偽の説明を受けた昆布。
だが大人と言うのは汚い物だ。
嘘も方便と言う言葉があるように今回の件は会社への不振疑惑を与えない為に隠蔽したのだろうと分かっていた。
しかし、ここからが転落の始まりであった。
「安心してくれ、仕事は沢山ある!君達は契約最終日までしっかり今の業務を行ってくれ。次の仕事の事は気にしなくても大丈夫だ」
副社長のその言葉は各支店に告げられていた。
だが12月の繁忙期の真っ只中、別の営業所で3人の従業員が本社勤務を言い渡された。
勿論その3人は断り、それならばと退職したと言うのは上手く隠したつもりなのだろうが別ルートで情報が流れてきた。
年末が近付くにつれ会社への不振疑惑は深まるばかり。
翌月末には昆布の働く営業所も半数以上が仕事を終了するというのに仕事が一切決まったと言う知らせが来てはいなかった。
12月の月末になり年内の仕事が全て終了した。
昆布は当初の予定通り実家へ帰省してもしもの時は実家に帰る事も視野に入れていた。
そして、1月も中旬に入りいよいよと言った時に重い腰を全く上げなかった課長に対して主任が動いた。
その結果、個別面談と言う形で話を詳しく聞く事となったのだが・・・
「実は昆布君、君に頼む仕事がまだ決まってない」
目の前が真っ白になっていくのを感じた。
愛する妻と娘を養っていかないと駄目な昆布に対して会社は未だ保留と言う形を貫いていたのだ。
だがこれには昆布自身も納得していた。
実は今年2018年、2018年問題と呼ばれる労働契約法と派遣法の2つの法改正による問題があったのです。
前もってこれを知っていたというのもあり気にはしていました。
というのもその時にメインで働いていた場所が短時間で複数あったのですが半数が形式上派遣と言う扱いだったのです。
ちょっと難しい話になると無期転換申込権というものが引っかかる可能性があったので危惧していたわけです。
そして、この時実はその派遣と言う形で行っている会社の一つから・・・
「昆布君、君うちの社員にならないかい?」
と言う声が掛かっていたのです。
要するに引き抜きですね、というかこれが出る時点でうちの会社の内情バレバレですねwww
ですが既に9年間働き続けた会社を間単に抜けると言うのは考え物で結局断ることにしました。
副社長は・・・
「もし仕事が決まらなくて開く日があったとしても会社に出社してさえいてくれたら居るだけで日給として給料は支払うから安心してくれ」
と言うありがたい言葉を貰って居たと言うのもありました。
だがこの後にとんでもない自体に昆布は巻き込まれるのでした・・・




