幽霊
俺の部屋には幽霊が住み着いている。しかも、昼も夜も関係なく、本物の人間じゃないかって思うぐらいはっきりそこにいるんだ。さらに驚くことに、あいつは俺の部屋で日常を送っていやがる。布団で寝起きし、料理を作り、掃除をする。俺なんかよりよっぽど健康的だぜ。だけど、あいつは間違いなく幽霊だ。だって、俺の体をすり抜けちまうんだから。ほんとにぞっとするよ。まあ何か害があったわけでもないし、無理に追い出そうとする必要もないだろう。・・・ひとつ言っておくと、そのこととそいつが美少女だってこととはまったく関係がない。
今、あいつは、この部屋にいない。そう、あいつはよく出かけたりするんだ。どこにいるかは知らないな。なぜか後をつけようって気にはなったことはないんだよな。おっと、この足音は。どうやら帰ってきたみたいだぜ。ん?足音が・・二人分聞こえるな。部屋に入ってきたあいつらを見て、ほんとに驚いたよ。幽霊が仲間を連れてくるなんて聞いたこともなかったからな。 連れてきたやつはどんな奴かというと、同年代の女子か、ザ友達って感じだな。あの娘も結構かわいいな・・・。いや、そんなこと考えてる場合じゃない。これはまずい。いよいよ危機的な状況になってきたんじゃないか。・・・除霊師探してみるか。
あの後すぐ、あいつらは家の中には入らずどこかへ行ってしまった。何か玄関で話をしていたみたいだったけど、よく聞き取れなかったな。あれから一週間、あれ以来姿を見ていないな。まあ、このままいなくなってくれればそれに越したことはないか。ん?この足音は、あいつのだ。帰ってきたのか・・。やばいぞ、何人もいるみたいだ。これは呪い殺されるかもしれない。逃げるか、もう遅いか,玄関が開いた。誰だあれ?黒い、法衣みたいのを着てる。それでは始めます?何をだ。え?あれ?なんだ?急に体が・・・消える?俺が?・・・・・・あいつがいる。なんて顔してるんだ。・・・ああ、そうか。やっぱり・・・、俺が・・・。