妖狐の仙ちゃん
これは、ひょんなことからとある「世界」を背負ってしまった少年の物語。
少年の前に立ち塞がるのは「世界」そのものだった。
ここは、大事なものが抜け落ちた世界。
大事なものがなんなのかはわからない。
けれど、何かがおかしい世界。
なにがおかしいかはわからない。
しかし、何かがおかしいのだ。
異を唱えると徹底的に弾圧される。
今あることがすべてだという、そんなどうしようもない世界。
「この世界をどうにかせい!」と神様から銘を受けた少年の物語。
っていう設定になってるからよろしくー♪
と神様からものすごく軽い神託を受けた僕、、、と使い魔らしいキツネが一匹。
「やれやれ、父上にも困ったものじゃのう・・・」
しゃべった、キツネがしゃべった。
「なんじゃ?冴えない主様じゃのう。」
「主様?父上?なんのこと?それに君は?」
「落ち着け、順番に説明していくぞ?」
「まず、主様は言わずもがなじゃが、お前さまのことじゃ。
ちなみにお前さまよ、現状をどこまで把握しておる?」
「んー、世界を救え?」
「いぐざくとりぃ!完璧じゃ!だれか、座布団もってこい!」
・・・タヌキが座布団を運んできた。
「いいから座るがよい。長くなるからな!足は崩してしまってかまわんぞ?」
いつの間にか人型に化けている。
セカイを救えとかいわれても正直戸惑う。
なぜ僕なんだ?とか、そもそもパパ様って・・・?とか。
「パパ様は、この世界の創造主じゃ。
ゼウスとかイザナギノミコトとか呼ばれるかのう?
あ、わらわのことは仙ちゃんって呼ぶと喜ぶぞい?」
ん、思考を読まれている?
「神様じゃからな!」と胸を張る仙ちゃん。
とても中性的な顔立ちをしている。
「神界では性別と呼ばれるものが意味を成さぬのじゃ。」
少女にしても男子にしても美しい・・・。
「褒めても何も出んぞ?」
「お揚げさん」
「よし、任せろ!」
ゴゴゴゴゴ…
扉が開いた。