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ポップス!  作者: まつお
1/1

人種

4月9日

入学式から早1週間。こうなることはわかっていた。

あー耳が痛い。これは初おろしのヘッドホンのせいか?

いや違う。これは・・・

「ダンスサークルでーす。いかがですかー」

「ねえ君たちバスケサークル入らない?バスケサークルって言っても半分飲みサーみたいなもんだからさー。」・・・

あーうるせーうるせー。

群れてはしゃいでキャッキャ言って、世界は俺たち中心に回ってますってか?しょーもねー奴ら。

「あっそういえばケンジ、この前の飲み会の女どうだった?」

「あーアイツ?すぐ股開いたよ。まじでクソビッチだったわ」・・・

はい、でました。回りくどいチャラ自慢男。

そこらへんの女だったら大体抱けるとでも言いたいのか?どうせ飲み代、交通費は男持ちなんだろ?

そんなに媚びて媚びてヤれたって何の自慢にもなんねーよバーカ。

「見て見てこれー!」

「うっそ!イズミあのパンケーキ屋行ったの!?いいな〜。てかこのイズミめっちゃかわいいんだけど!」・・・

うわーこれは一番しょーもないやつ。あほみたいに人気の店行って、あほみたいに写メ撮って、あほみたいにSNSにアップする。そうして充実感を周りにアピールして満足感を得る。どうせ今友達に見せた写メはパンケーキより自分こ顔の方がでかいんだろ。自分大好き女が。


「あーあ・・・。」

そう、こうなることはわかっていたんだ。

中途半端な都会にあるマンモス大学。俺が一番嫌いな人種(大学生)が集うこの街。

まあ俺もこの春からその人種への仲間入りをしたわけだけど。

でも、俺はこいつらとは違う。

群れて馬鹿騒ぎしてイケてる自慢せずとも生きていけるのがこの俺。

まあコミュ障で人と関わるのが苦手という見方をすれば奴らとは別の人種のクズなのには変わりないんだけど・・・。


「なーに考えてんだ俺。」

こんな喧騒を好き好んで耳に入れる必要はないのに。

音量をあげよう。こいつらの戯言を全てかき消してしまおう。

そう、俺にはロックがある。ロックが全てをかき消してくれる。

さーて、次は何の曲を聴こうか。

ガンズ?ストレイキャッツ?いーや次はオフスプリングあたりかな?

はー心地いい。音楽はこうじゃなきゃ。

さーって昼からの講義はどの教室だっけなー


「・・・ちゃん・・・なぁ、・・ってちゃん・・・」

ん?どっかで誰かがナンパしてる。あーウザい。

あークソっ。これ以上音量あがんねーのか。

「ってちゃん・・・ってちゃん・・・・」

声が近い。なんなんだよ学内でも女のケツ追っかけて。これだから大学生は。

「ってちゃん・・・ってちゃん・・・」

あれ?これもしかして・・・

「ってちゃん・・・ってちゃんてば!」

俺に言ってる!?


「なぁ、かまってちゃんってば!」

「へ?お、俺ですか?」

「だから、さっきから呼んでんじゃん。かまってちゃん?」

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