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村長ゲートボールでマジギレ!

 ここに、ひとつの荒れる村があった!!


「んぎゃああおおおおん! にゃぶしかぐじゃなくあせふじこ!!」


 村長はキレている!


「ふんどるっつっつ!! ふどぅる! ふんどぅるる! どぅるんどぅっどぅっどぅっ!!」


 村長は錯乱している!


「村長、お気を確かに……それ以上暴れると元から少ない頭髪が粉雪のように散ってしまいます」

 村長の秘書の女の子、ココロが舞い散る村長の頭髪を拾いながら心配そうに言った。


「そんちょ~! お水を飲んで冷静に……っとっとっと、ひゃぁ!」

 ココロの妹のハートが盛大にこけた。その拍子に水を村長の掴みどころの少ない頭にかけてしまった。


「んびゃあああ! つめたひぃぃい!」

 村長は目を覚ました!


「村長、妹の無礼をお許しください。安心してください、まだ生えてますよ」

 ココロは鏡で村長を映した。


「うむ、我ながらイケメンじゃのう」

「そんちょーはイケメンというよりハg」

「ハーちゃん、それ以上言ってはだめ……」

 ココロはハートの口に人差し指を立て、村長を見た。村長は鏡に夢中で気づいていないようだ。


「村長。なぜそのようにお怒りになられているのですか?」

「うむ、ココロよ。これを見たまえ」

「これは……?」

 A4サイズほどの携帯端末に映し出された動画はおじいさんやおばあさんが楽しそうにゲートボールしている姿だった。


「わー! すごーい! このおじいちゃんたち楽しそうだね!」

 ハートが机に手を置いてぴょんぴょんと跳ねながら言った。

「もしかして嫉妬……?」

ココロの冷たい視線が村長を貫く……!

「嫉妬ではないわい! 実はここの土地はわしの土地でのう。勝手に使われて困っているのじゃ」

「そんちょーのケチー!」

「しー……使っていない土地であっても許可は必要ですよね」

「そうなんじゃよ。使いたいと言ってくれたら快く貸してあげられるんじゃが……」

「ではこのおじいちゃんたちに許可を取るようやんわりと言ってきますね」

「うむ、埋蔵金があるとの噂もあるんでのう、早めに取り返しt」

「ではこの****に許可を取るよう***して***しますね」

「そんちょー、おねえちゃんなんて言ったの?」

「よ、世の中には知らないほうがいい言葉もあるのじゃよ」

「ふーん」


 ココロは魔神一式を装備した!

 ハートは外着ちょっとおしゃれ版を装備した!

 村長はかつらを装備した!


 ~ ゲートボール会場(村長の土地) ~

 BGM:残虐な砂漠の魔導


 老人たちが楽しそうに遊んでいる!

 村長の攻撃!「あのー、すみませーん!」

 老人たちは耳が遠くて聞こえない!

 ハートの攻撃!「こんにちは~!」

 老人たちは微笑んだ!

 ココロの攻撃!「超魔導リニアキャノン」

 老人たちは跡形も無く消え去った……


 戦利品:砂だらけのボール、古いコイン1枚、おじいちゃんの名前入り指輪を手に入れた!


「なぜじゃ、なぜあの老人たちを撃ったのじゃ!」

「私の……じゃなかった、村長の埋蔵金を取られないように最善を尽くしたのですが、ご不満ですか?」

「コォォコオオオロオオオオ!!」

「おねえちゃん……」


 ~ 荒れた大地(村長の土地) ~

 BGM:老人たちの鎮魂歌

 

 おや? 村長のようすが……

 「あの人たちは、ただ楽しく、幸せに生きたかっただけなのじゃ……!」

 「わしが許せばよかった……そしてお前を連れてこなければ……!」

 村長の攻撃力が上がった!

 「私と戦う気ですか?……いいでしょう。本気を見せてあげましょう!」

 ココロの攻撃力が上がった!

 村長の攻撃!「マジギレサイドアッパー」

 ココロは防御した!

 ココロの攻撃!「超魔導リニアキャノン」

 「老人たちと同じところに送ってあげますよ……!!」


 -村長、覚醒-


 「うおおおおおおお!!」

 村長の攻撃力が上がった!

 村長の攻撃力が最大値を超えた!

 村長の攻撃力が測定不能になった!


「そんちょー……おねえちゃん……」


 村長はココロのリニアキャノンを叩き割った!

 「そんな……!?」

 ココロは動揺している!

 村長の攻撃!「マジギレコズミックブレイカー」

 「砕け散れ……そして、あの人たちの、想いを……!!」

 「そんな攻撃で……やられてたまるかああ!!」

 ココロの防御力が上がった!


 村長はゆっくりと掌をココロに向けた。

 ココロは瞬時に攻撃を察知し、魔法防壁を幾重にも張った。

 村長は悲しそうな顔で、微笑んだ。

 村長を眩い光が包み込んでいく。

 ココロは村長の顔を見て悟った。この攻撃で終わると。

 「村長、強くなりましたね……」

 ココロは両手を広げ、全ての魔法防壁を解いた。

 光が全てを飲み込んでいく。

 「おねえちゃああああん!!」

 ハートの悲痛な叫びが、何もない、光の中に吸い込まれていった。


 戦利品:折れたリニアキャノン、自分の抜けた頭髪、ハートの涙を手に入れた!



「戦いとは、無益なものじゃ。戦えば誰かが傷つく。勝って得られる物なんて……」

「おねえちゃん……ぐすっ」

「すまんな。ココロを消してしまって」

「ぐすっ……」

「二度とこのような悲しい戦いがないよう、石碑を建てておくのじゃ……」



「そうですね。埋蔵金もありますしピラミッドクラスの石碑にしましょう」

「うむ、……ってココロオオオ!? それに老人たちも……!」

「言ったじゃないですか老人たちと”同じところに送る”って」

「おねえちゃああん! うぁああん!」

「心配させてごめんねハーちゃん。超魔導リニアキャノンは範囲内の物体全てを瞬間移動させる兵器なんですよ」

「ですからこの通り、老人たちと下に埋まってた埋蔵金ごと私の敷地に移動したってわけです」

 老人たちが笑顔で村長に手を振っている。ココロは老人たちに会釈し、ハートを抱きしめた。


「ココロ! なぜじゃ、最後の攻撃マジギレコズミックブレイカーは確実に当たったはずじゃ!」

「あぁ、まだ気づいてないんですね……あの攻撃は当たりましたよ」

「ならなぜ生きてるのじゃ!わしの攻撃力は測定不能なレベルで……」

「はい。別の攻撃なら私もただじゃ済まなかったでしょうね」

「ああああ!!おねえちゃん見て見て!!」

「ハーちゃんが答えちゃいそうだから先に解答を教えますね」


 そう言うとココロはかわいらしい手鏡を渡してきた。


「なんじゃ鏡など渡しおって……相変わらずイケメ……。」

「そう、その技は毛髪を代償にすんごく眩しい光を生み出す攻撃なのです」

「わ、わしの……髪が……」

「砕け散れとか言ってましたがハゲ散らかしただけでしたね」

「そんちょーつるっぱげー!!」

 周りにいる老人たちもハートに釣られて笑いだした。


 -村長、覚醒-


 ~ ココロの庭on村長の土地だったゲートボール場 ~

 BGM:砕け散った神の意図


     完

 

 











戦利品:ココロの縞々を手に入れた!


縞々をゲットしたあなたは超ラッキー! ココロが気づく前に逃げ……ジュワッ

「君、それ返してほしいんだけど、いいかな?」

A:いやだ B:これがないと生きていけない! C:我の前で履くならば返そう

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