第7話 白玉楼へ 〜 The memory that was deleted 〜
石の階段を登る裕樹と霊夢。
「ん?」
何かつけられている気がしたので後ろを振り向いてみると、白い幽霊がふわふわと浮いていた。
「なぁにコレぇ?」
「あぁ、それ?それはあなたの半霊よ」
「えぇっ?半霊?」
「そう」
「つまり俺は…半人半霊!?」
「自覚無かったのね…そうよ。あなたは半人半霊なの。ついでに言うと、妖夢の弟よ」
「えぇっ!?初耳だけど…」
「まぁ無理もないわ。あなたの記憶は消されたから」
「記憶が消された?」
「そうよ。あなたの幼い頃の記憶…」
と言うと、霊夢は裕樹の目を真っ直ぐ見つめて続けた。
「あまりにも辛すぎる記憶よ」
「……!!」
裕樹は言葉が出なかった。自分が記憶を消されたなんて、何も自覚が無かった。ただ疑問に思う事がなぜ記憶を消したのかという事だ、それに、辛すぎる過去って何なのか。それは記憶が消された今の自分に分かるはずが無い。
「辛すぎる過去って何?」
気になって聞いてみた。自分の事は知っておくべきだと判断したからだ。
「…聞いて後悔しない?」
「あぁ、しない」
「じゃあ、話すわ」
真剣な表情で裕樹は頷いた。
霊夢はゆっくりと、はっきりと話し始めた。
「ある日あなたの家族が家にいると、突然妖怪が入って来て、あなたの両親を食べてしまった…」
「えっ……!?」
【あとがき】
一ヶ月遅れてしまいすいません(´・_・`)
悩みに悩んで考えた結果が上の内容です。
暗い話は基本好きではないですが、妖夢の影の努力を想像していたらこんな内容になりました。
【次回予告】
遂に明かされる妖夢と祐樹の過去!!
妖怪に食われた両親!!
再会したふたりは何を思うのか!?
次回「守れなくてごめんね」乞うご期待!!