襲撃者
外に出るとばらばらの格好をした集団が洞窟を取り囲んでいた。
「コイツ!バートを殺しやがった!」
さっき矢を放ったエルフ?がキレている。
「一宿一飯の恩があるんでな。というか、剣を向けてきたのはそっちのほうだぞ。」
「うるせぇ!なんでてめぇはゴブリンの巣から出てきたんだ!」
「だから、貴様に言ったろう?泊めてもらって獲った獲物を調理してもらったっていう恩があるんだよ。」
「死ね!」
カツンッ
こめかみに矢が当たった。こめかみっていうのは物を噛むと筋肉が動くから「米噛み」って呼ばれるようになったんだよ☆
「せやっ!」
反対方向から女戦士(?)が斬りかかってきた。
ガンッ
俺の腹部装甲に、彼女の横薙ぎの一撃が通るはずもなく。
「炎球弾!」
女戦士が引くと同時に顔面を狙って火の玉を飛ばしてきたので手で払う。その程度の温度では効かんよ?
「なっ!?」
火球を飛ばしてきた杖を持った男が驚愕している。
「もういいか?」
勤めて平然という。火球はさすがにびっくりした(´・ω・`)
「貴様、何者だ!?」
なんか豪華な鎧の男が偉そうに言いやがる。
「礼儀を知らんのか?それとも、ここでは違うのか?初めに自分からするべきでは?」
「うるさい、我らに敵対するというのか?」
うん!イライラしてきた!
「だからてめぇら誰だよ?しらねぇやつに敵対も協力も何もないだろうが!?氏名所属階級を言ってから喋れボケ!」
いかん、オラ、イライラすっぞ。
「イシュカリーナ帝国のパウロン準男爵様だ!」
しらねぇーよ!てか、従者が言うのかよ。
「わかったら跪け!」
「てめぇがな!」
これはキれて欲しいのだろうか?
「で、その準男爵様がなんのようだ?」
「もちろん、ゴブリン退治に決まっておる!」
「ゴブリン退治って何故に?」
「ゴブリンだからだ!ゴブリンを狩って何が悪い!」
コイツ、俺の嫌いなタイプの人間かも知らん。
「じゃあ、ゴブリンに味方してお前ら殺すのも俺の勝手だよな?」
「なっ!!!」
俺がそいつらを殺し尽くすまでに5分とかからなかった。
殺したやつらの装備は2、3人と一緒に小川で洗って洞窟の奥の部屋(という窪み)に隠した。首を折って殺したので気分的なものだ。一応、罠を見回っておく。
こいつら死体は森の罠用に取っておくことにする。ゴブリンの女性の遺体は洞窟より山の上の方に穴を掘って埋めた。
昨日の残りを食べて、その日は寝た。