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初夏の頃 6

先輩、あの事ってなんですか?


え?あの事って?


ほら、さっき森高さんに……


あぁ、あれね♪

あれは、あたしの大事な切り札だからたとえ美奈子ちゃんでもねぇ。


そう言われると、余計に気になるんですけどぉ。


ゴメン、ホントごめん。

言えないんだ。


まあ、いいですけどね。


あっ!いっけない!!

あたし社長に呼ばれてたんだ。


そんなベタな言い訳しなくても…


ホントなんだってば。

常務も一緒に、呼ばれてんの。


へぇ〜。

何でしょうね。


わからない……


もしかして先輩、社長秘書に昇格とか!


それはないでしょ。

あの中田チーフを敵に回す勇気は、さすがの社長にもないでしょ。


ですよねぇ。




失礼します。

社長、坂山くんをお連れしました。


ああ、ご苦労さま。

すまんね、わざわざ来てもらって。


いえ……


まあ、用件は簡単だ。

昨日の、ほら笹山先生のご子息とのお見合いの件なんだ。


はい……(やっぱり。)


坂山くん、誠に申し訳ないんだがあの話し、なるべく先方からだな

そのう、断られるようにお願いできないかなぁ。


社長!!


まあ、まあ、釜元常務には寝耳に水の話しで申し訳ないが。

私としても、これ以上の理由は今は言えんのだ。


ですが、社長!

断られるようにと言うのはどうしてでしょう?


それは、もちろんこちらから断るわけにはいかんだろう。


せめて、少しだけでも理由を教えて頂けませんか。


まあ、あれだ……

政治家同士の派閥争いと言うか、政略…と言うかな・・・

歯切れが悪くて申し訳ないんだが

察してくれんかな。


あたしは、かまいませんよ。


坂山くん!?


ただし、後からでもかまいませんからちゃんとした理由をお聞かせ頂けるって約束をして下さるなら。


うむ………

まあ、かなり後でもよければかまわんが・・。


しかし、社長。


釜元くん、さすがに業務命令と言う訳にもいかんからこうして頭を下げておるんだがな。


わ、わかりました……


それじゃあ、後は君に一任させてもらうから。

くれぐれも、よろしく頼んだよ。


はい、わかりました。


坂山くん、すまんね。


はい……





坂山くん、本当に申し訳ない。


いえ、常務に謝って頂く事ではありませんから。


いやいや、元はといえば私が薦めた事だから。


じゃあ、今度レストランのディナーでもご馳走して下さい。


あっ、ああ。

そんな事で許してもらえるなら、喜んで。


3つ星でなきゃ、ダメですよ。


わかった。

ところで、どうやって断られるつもりかね?


そうなんですよ。

いつも、お断りする側なもので……


そうだろうなぁ…

それも、容赦ないと聞いておるからなぁ‥


常務!?


あっ!いや、まあ、そのなんだ。


かまいませんわ。

ホントの事ですから。


ハハッ…




たっだいまぁ。


フニャァ〜〜ン。


カズくん、ただいま。


ウニャァ?


やっぱり、美奈子ちゃんがいないと何言ってるかわかんないわねぇ。

まっ、とりあえずご飯にするわね。




さてと、あたしの晩御飯はどうしようか。

お昼は、ガッツリ鰻食べてやったし何か軽くでいいか。

う〜ん、作るのめんどくさいしコンビニでも行ってこよう。




いらっしゃいませぇ。


とりあえず、ワインと…

あとは、おつまみに・・


おや、美人さん発見!!


えっ!?


やだなぁ!俺って印象薄いですかぁ。


え〜と・・


笹山健太郎です。


あ、ああ、昨日の…


そうです、健之助の弟の健太郎です。

ご自宅、この近くなんですか?


は、はい。


ふ〜ん♪

ワインに、おつまみねぇ


な、なんですか?


い〜え、別に。


なんだか、イヤミな返事。

わたしの買い物に、文句でも?


それ、一人で飲むのならなんだか淋しそうだなぁと思って。


失礼な!!

あたしが一人で何しようと勝手でしょ。


いや、そりゃそうなんだけど。

良かったら、ご一緒しませんか?


結構です!!

間に合ってますから。

カズくんも待ってるし。


あっ!これは、失礼を♪

お部屋でお待ちの方がいましたか。




ふ〜〜んだ。

失礼なやつ!!

ホントに、カズくんが待ってるんだからね。

猫だけどさ♪






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