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ギャグ台詞50音から

利用規約に則って、サイト様から素材をお借りして書いています。

サイト様の配布元、リンクは後書きをご参照くださいませ。

「退屈だから、何か面白いことして」

 インカムにどうしようもない内容が聞こえた。聞き間違いと思いたいが、長年つきあっていたら冗談でないことがわかる。今は対象を尾行中なのに、いったいどういうことなの、わけわかんない。

 インカムをつかみ、勝手に動揺しているのは萌えの固まり(皮肉)のロリ婆こと、なっちゃんである。オレンジジュースではない、なっちゃんだ。銀髪赤目猫耳ミニスカニーハイ絶対領域完備娘、でもロリ婆である。

「今対象の尾行中なの! わかってんの!?」

「え、つまりあれでしょ、あれでしょ、あれ」

「あれって何!?」

 ぎゃぁっと叫べば対象が逃げてしまう。急いで音量を下げる。会話の相手はゆかりんこと、金髪ツインテール碧眼アリスワンピース娘(ツンデレはオプション対象外です)である。ウザイのが特徴。

「なっちゃん、今日も絶好調です、わふー。……そいつの言うこと8割聞き流していいって、何度言ったら」

「ちょっと待って。桜はそんなキャラでした!?」

「ほえ。どうしたのです? 桜は、桜はまた何か悪いことを……?」

「なっちゃんの若さへの嫉妬よ。あたしはいつでも桜へのみ、か、た」

「か、かっこいいですぅ」

「俺に惚れると低温火傷するぜ」

「かっこいいですうぅう! ……キモ可愛いから可愛いを抜いたのがお前だな」

「え、可愛い? もっと言ってくれてもいいぜよ」

 なんか黒い子がいる。いや、本人も黒いけど中まで真っ黒だ。喫煙者真っ青の真っ黒だ。真っ青って何で真っ青って言うんだ? このすべてが黒い娘は黒髪ロング清楚色白着物娘だ。確か遠くから対象を探っているはず。とりあえず三人ともテンプレの萌えを詰め合わせたはずなのに、外野からは全く萌えないと言われている。

 そんな彼女たちはちょっと非合法萌え組織、間違えた、非合法問題取扱機関の唯三の社員である。

「あ、対象消えた。なっちゃんが叫ぶからー」

「さりげなく私のせいにしないでよ!」

「さりげなかったのですぅ?」

 気のせいか足早に進む対象を追う。公園に逃げ込んだ! ここが正念場だ。

「公園に入ったわ。繰り返す、公園に入ったわ」

「お、桜。見てあの子、すんごい不細工」

「確かに、アウトかセーフかで言ったらぎりぎりアウトです」

「ちょっと、普通にセーフでしょ!」

 はぁ、と二重(ステレオ)のため息が聞こえた。何で、可愛いじゃない!

「全く、これだから年寄りは。あんな美的感覚なんてさ。少年の心をいつも忘れないって大事だよな」

「少女ですけど、そうです!」

「そろそろ訴えるわよ」

「はっ! 婆は隅の方でのの字でも書いてろ」

「……」

「いつか馬に蹴られて死んじゃうです、ゆかりんは」

「そ、そうよ! 桜よく言った。 胃痛にさいなまれる、私の身にもなってよ!」

「あ、動いた。追って」

 ゆかりんの指令に、あわてて対象を追う。大きな公園の奥に入っていく。よし、そろそろ招集の号令をかけよう。

「二人とも、そろそろ来て欲しいんだけど」

「は? 何で、意味わかんない」

「ちなみにあんたらに拒否権はみじんもない、リーダー特権」

「権力の、横暴……」

「なんか言った、桜」

「何でもないですぅ」



「お、お前ら。何で俺だとわか……」

「あー暇だ、誰か爆発しないかな」

「何で俺の目見ながら言う!?」

「爆発なんて駄目ですぅ。……半殺しなら右半分と左半分どっちがいい?」

「ひっ!」

「待ちなさいあんたたち。暴れすぎ」

 ウザ銀と黒娘に囲まれ、相手もかわいそうで仕方がない。いくらとんでもない犯罪者(窃盗5回目)とはいえ、人の死はそんな適当に決めていいものではない。私たちの私怨で許されることは。

「落書きしていい? あなたの顔に」

「とりあえず殴っていい?」

「だーかーら、ゆかりん、せっかく私が平和的解決法を提示しているのに。ところで書くのは額に肉、◎、金がありますが」

「……」

「あ、ちょっと桜、抜け駆けは禁止だぜぇ!」

 桜が四次元袂から取り出した油性ペン(極太)を持ち、ちらつかせる。しかし二本目はないらしい。

「ささ、服を脱いでくださいです、まず乳首に某ウサギのお口を書くです。背中には漢字二文字の台所でいいです」

「へ、変態! もうお婿にいけない!」

「安心するです。殺るときは全力で、とライオンに教えられた、この私。変態? そんな褒めないでください。私は裸で野を駆けるのです、風になるのです! 殺る時は殺る女なのです、私は!」

「ねえ、桜都会人よね。むなしくない、その妄想」

「ちょっと、早くあたしもあたしも。譲り合いの精神が大事だぞ!」

「あぁもう桜。珍しく真面目だと思ったら」

「え、なっちゃん。桜に真面目なときなんて無かったぜよ?」

 きゅきゅきゅとシンナーの臭いを漂わせながら、男の半裸に落書きする桜。目は輝いている。このまま全裸にされるのも時間の問題だ。おとなしくここは引いて、警察に引き渡すことを決めた。




 男の号泣を背に、にこやかに見送る三人。特に桜の顔は晴れやか以外の何ものでもない。公園の隅で遊んで居た子どもが爆笑している。うん、言うまでもないことだけど、良い子も悪い子ももちろん普通の子も真似しないでね! 窃盗は犯罪だよ! え、落書き? そんなことあったかな?

fisika様↓リンクです

http://fisika.at-ninja.jp/


配布元お題はギャグ台詞50音 から31音。

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