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支度
「んっ。」
リリアーナが目覚めたとき、
すでに伯爵の姿は隣になかった。
とりあえずシーツを身にまとってベットからおり
テーブルのそばにいた夫のそばによる。
「おはようございます。起こそうかとも思ったのですが、
疲れているかと思いそのまま寝かせておきました。」
その言葉に心なしか顔が赤くなるのを止められない。
「いえ、そんなに気を使っていただかなくても
大丈夫です。」
「そうですか。ならよかった。
今日は宮廷に招かれているのです。
出かけるのは夜ですが、
そろそろ支度を始めた方がよいでしょう。
では、侍女を呼びますから支度を始めてください。」
こうしてリリアーナは宮廷に行くための支度を
ほぼ1日がかりですることとなった。