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《フェルヴィアの最期》
《フェルヴィアの最期》
戦場は瓦礫と血に覆われ、夜空を裂くように炎が揺らめいていた。
敵の刃が迫り、レリアの小さな身体が硬直する。
「レリアっ!」
その瞬間、フェルヴィアが飛び込んだ。
大きな背で彼女を庇い、鋭い刃を真正面から受け止める。
鮮血が飛び散り、フェルヴィアの膝が崩れる。
だがその顔には、不思議なほど静かな微笑が浮かんでいた。
「……やっと、なれたかな」
耳元で、かすれるような声。
「子供のころ夢見た……勇者に。レリア……私の姫様を……守れたから」
レリアの瞳が大きく揺れる。
「だめ……フェルヴィア!」
フェルヴィアは震える手で彼女の頬に触れた。
その目尻に、涙がひと筋だけ落ちる。
だが次の瞬間、安堵に満ちた笑みを残し、力が抜けていった。
レリアを守り、夢に見た勇者のように――フェルヴィアはその命を閉じた。
その刹那彼女から淡い光が溢れた…
その光は大きくなる…
彼女妖精はその光に向かい吸い込まれていく…
そして軽やかなかわいい歌声と小気味よいリズムの音が放たれる…
フェルヴィアは笑顔だった…
そしてその光は一瞬フェルヴィアを包むと今度は妖精…本来の姿となった…
そして消えていく…
全てから解き放たれ…




