「茶番の刃」リレアを戦闘から外すことで揉める
場所:薄明の森の野営地。夜。
焚き火がパチパチと音を立てる静寂の中。
疲弊した空気。星も雲に隠れ、月明かりが差すこともない。
その闇の中に、ふいに怒気が爆ぜた。
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【フェルヴィアとミリア、対立の火花】
ミリア(怒声)
「なぜリレアを外すことにこだわるんですか!
ルクシア様が戦うと言っている以上、私たちはその意志に従うべきでしょう!」
フェルヴィア(険しい目で睨み返す)
「従うって……何も考えずに突っ込むことが“忠義”だとでも思ってるの!?」
ミリア(睨み返し、吐き捨てる)
「あなたの“優しさ”こそ、ルクシア様の足を引っ張る!」
フェルヴィア(肩を震わせ)
「……あんた、本気で言ってるの……?」
ミリア(叫ぶように)
「リレアを甘やかすな! 邪魔なら排除する!」
その瞬間、フェルヴィアの顔から表情が消えた。
そして、ミリアの手が剣の柄を強く握る。
キィィン……
抜かれる鋼の音が、森の空気を裂く。
ミリアの剣が、真っすぐにフェルヴィアへと向けられる。
ルクシア(絶句しながら)
「ミリア……!? やめて……!」
フェルヴィア(低く、静かに)
「そう。なら、斬ってみなよ……。
“正義”のために、仲間を斬るのね……」
彼女もまた、剣をゆっくりと抜く。
焚き火の赤が、ふたりの刃に妖しく踊る。
一触即発。
だが──
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【セレナの登場】
木陰から、背中をもたれさせていたセレナが姿を現す。
腕を組み、溜息をひとつ。
セレナ(あくび交じりに)
「……茶番だな」
一言。
その声の冷たさが、火にくべられた水のように、場の熱を打ち消した。
ミリアの顔が硬直する。フェルヴィアの剣がわずかに下がる。
セレナ(無表情のまま続ける)
「敵に殺される前に、仲間に殺されるつもり?
だったら最初から、戦争なんかしなきゃよかったのに」
誰も言葉を返せなかった。
剣の先にあったのは「信念」ではなく、「歪んだ忠義」と「擦れた情」。
ルクシア(小さく震えながら)
「お願い……やめて……お願いだから……」
──その声だけが、静けさの中に残った。




