表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/90

街角の灯りの下で ~ルクシアたちと酒場の女主人~


夕暮れの赤みが石畳を照らすころ、小さな街の外れにある古びた酒場に、五人の少女がそろって立っていた。

中に入ると、木製のカウンターの奥で、恰幅の良い中年の女性がグラスを拭いている。


「……演奏させていただけませんか?」


ルクシアが少しだけ背筋を伸ばして、そう言った。


女主人は彼女たちをじろりと見て、眉をひそめる。


「子供だけで? ……悪いけど、ここは遊び場じゃないよ。酔っ払い相手に恥かくのがオチだよ」


ルクシアはぐっと唇を結び、一歩前に出る。


「でしたら、一度だけ、私たちの演奏を聴いていただけませんか? ここで。今すぐ」


その目が真剣だった。


女主人は数秒見つめたのち、ため息とともに頷いた。


「……一曲だけだよ。聴いて、ダメだと思ったらすぐ帰ってもらうからね


角の小さな舞台にルクシアたちは立った。

短い打ち合わせの後、静かにルクシアの歌声が響く。


──それは、ただの歌ではなかった。


透き通るようでいて、どこか懐かしく、どこか哀しい声。


女主人の手が止まり、カウンターの奥でじっと耳を澄ます。

他のメンバーの奏でる音色も、どこか風のように静かで心地よい。


演奏が終わった瞬間、女主人はぽつりとつぶやいた。


「……あんたの声、なんだい、これは……不思議だね。心の奥が温かくなるような……」


そして一言、


「いいよ。あんたたち、ここで演奏しておくれ。何日でも、好きなだけ」


「で、あんたたち、名前は?」


「 本名じゃなくていいよ、芸名ってやつを名乗りな」

女主人は最初から訳ありだということを分かっていたようだった。

過去にもそんな連中はたくさんいたのだろう。


ルクシア達はそれぞれ偽名を使った。

「私は……“リュミエール”と呼んでください」

とルクシア

セレナ無表情で

「……シェイド」


ミリアは微笑して

「ヴェイルで」


リレアは小声で

「リリィ、です……」


フェルヴィアは自信満々に

「アタシは“ファルカ”。かっこいいだろ?」


【試しの一曲】


角の小さな舞台にルクシアたちは立った。

短い打ち合わせの後、静かにルクシアの歌声が響く。


──それは、ただの歌ではなかった。


透き通るようでいて、どこか懐かしく、どこか哀しい声。


女主人の手が止まり、カウンターの奥でじっと耳を澄ます。

他のメンバーの奏でる音色も、どこか風のように静かで心地よい。


演奏が終わった瞬間、女主人はぽつりとつぶやいた。


「……あんたの声、なんだい、これは……不思議だね。心の奥が温かくなるような……」


そして一言、


「いいよ。あんたたち、ここで演奏しておくれ。何日でも、好きなだけ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ