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灰の城(続)


炭と灰に埋もれた遺骸の前に、ルクシアは座り込んでいた。

肩が震え、喉の奥から何かが漏れそうで、漏れない。

目から涙が流れているのか、それすらもわからなかった。

顔中にこびりついた煤が、すでに彼女の感情の輪郭すら曖昧にしていた。


そのときだった。


彼女は、ゆっくりと両手を地面についた。

震えながら、手のひらを、拳に変えた。


ひとつ、振り上げる。

そして、振り下ろす。


灰が飛び散った。

焼け焦げた木片が跳ね、砕けた骨が弾けた。

乾いた音が、まるで死者の骨のように響いた。


もう一度、振り上げる。

そして──叩く。


「……ッ……!」


唇が開き、歯が鳴った。

何かを押し殺すように、喉が鳴った。

しかし声にはならなかった。


ただ、拳が振り下ろされるたびに、灰が空に舞い上がる。

焼け跡の地面に打ちつける音だけが、虚空に響く。


それでも、ルクシアはやめなかった。

叫びを失った身体のすべてで、彼女は怒りを叩きつけた。


拳は血をにじませ、指は裂けていく。

それでもなお、

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