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街での情報 音の妖精使いの噂
ある街の、小さな食堂。
二人は、粗末な食事を前に座っていた。
もう何日も野宿を続けていたルクシアはすっかり疲れ果てていた。
ミリアは心配して用心深く偽名を使いルクシアと立場を変えたりして宿に泊まることに。
ある晩人目につかないように二人は食事をしていた。
「……だからさ、そいつ、音の妖精を使うんだってよ」
少し離れた席の男たちの声が聞こえてくる。
ルクシアの手が止まる。
「なんでも、黒い森にいるらしい。逃げ延びた一族の最後の“音の妖精使い”だとか。賞金も出てるって話だ」
ミリアが渋い顔をして、ルクシアにささやく。
「賞金なんて……危ないと思います。目的を忘れないように…」
だが、ルクシアの瞳は静かに光っていた。
「でも、私たちに示してくれたでしょ…仲間なら。……会わなきゃいけない。そうでしよミリア」
ミリアは溜息をついた。
「……はあ、わかりました……行きましょう。仲間は多いほうがいいし…」




