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《炎に呑まれる館》


セルヴァーナ伯爵の館

儀式を終えて数日。

ルクシアとミリアは仲間探しの旅へ出る支度を整えていた。


その静かな朝――突如、地を揺るがすような兵士達の声に館はおそわれた。


「敵襲――! 王国軍だッ!」

兵士の叫びと同時に、窓の外に矢が降り注ぐ。

兵たちが慌ただしく走り、剣と剣が交錯する音が広間に響いた。


ルクシアは立ち上がり、剣を抜いて走り出した。

「……来たのね。国王の犬ども……!」

すでに館の中は敵味方入り乱れての乱戦。

その中にルクシアは黒い鎧の5人をみつけた。

ルクシアの顔が強張った。

黒い鎧の5人…

5人もルクシアの方を向いていた。


「お前がルクシアだな!」


鎧の兜の奥から響いた声が、嘲るように館に響いた。

「探していたよ、ルクシア。仲間を求める儀式など愚かしい……

その波動が、お前の居場所を示してくれた。

復讐を夢見るお姫様(笑)」


ルクシアは唇を噛みしめ、前へ出る。

「上等よ……」

ルクシアは短剣を取り歌おうとする。


だがその腕を、セルヴァーナ伯爵が強く掴んだ。

「待て、ルクシア!」


「離してください!」


「いいか、今のお前では勝てぬ! あれは格が違う!」

伯爵の瞳は鋭くも真剣だった。

「ここで死ねば、すべて終わるのだ。お前には旅に出て、仲間を集める役目があるのだろう!」


「でも……仇が目の前に……!」


「だからこそだ! 今は生きろ! その力は未来のために振るえ!」


そのやり取りの隣で、ミリアも剣を構えていた。

「なら、私が! 戦います!」


しかし伯爵は首を振る。

「お前の役目はただひとつ――ルクシアを守ることだ。

私には兵たちがいる。ここは任せろ」


言い切る伯爵の声に、ミリアは拳を握りしめ、渋々ルクシアのそばに立った。


その瞬間――。

黒の鎧の一人が、疾風のごとく迫る。


「来るッ!」

そう思ったときセルヴァーナ伯爵の剣が二人を守った。


「退けッ!!」

セルヴァーナ伯爵が叫んだ。

伯爵は巨剣を振り上げて応戦していた。


「邪魔するな!」


その声と共に伯爵に4人が襲いかかった。

伯爵は刃を受け止め、血を吐きながらも押し返す。


「今だ……行け! ルクシア、ミリア……! 生き延びろ……!」


二人は呆然とその場に立っていた。

目の前で何が起こっているのか…


「伯爵様……!」

「お祖父様!」

ルクシアとミリアの叫びが同時だった。

二人の目の前で崩れ落ちていく姿をただみていた。


「ルクシア様!こちらに!ミリア様も!」


兵士の一人がルクシアの腕を引いた。

そのせいで彼女は尻餅をついてしまった。


「ルクシア様!」


ミリアが彼女を起こすと兵士とと共に走り出した。

それと同時に何人かの兵士が壁を作る。

ルクシアたちを逃がすためだ。


ただ引かれ走るルクシアの頬に、熱と涙が流れる。

「私は……私は……また…」


館が炎に包まれ、夜空を赤黒く染める中、二人の少女は走るしかなかった――。

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