第二十一話・第五節:完全なる死の光
アダムが手をかざすと、光の粒子が周囲に広がった。
まるで宇宙に浮かぶ星々のように美しく、しかし、その輝きは確実に俺を貫く”死”の光だった。
「——はじまりだ」
その言葉とともに、光が弾ける。
ドンッ!!
一瞬の閃光。
次の瞬間、俺の身体は空を舞っていた。
——いや、違う。
アダムの一撃で、吹き飛ばされたのだ。
「っ……!」
重力を取り戻す前に、地面へと叩きつけられる。
衝撃で岩盤が砕け、視界が揺れる。
それでも、すぐに体勢を立て直す。
「……この程度かよ」
俺は”夜喰らい”を構えながら、再び立ち上がる。
だが——アダムの姿が、消えていた。
「——遅い」
耳元で、静かな声がする。
「!?」
次の瞬間——俺の左腕が消し飛んだ。
「……っが……!?」
激痛。
血は出ない。
俺の”死者としての身体”が、完全に”消滅”させられたのだ。
横薙ぎの光の斬撃が俺を両断しようとする。
咄嗟に後方へ跳び、回避。
しかし——
アダムはすでに俺の背後にいた。
「終わりだ、蒼真」
その瞬間、俺の視界が”白”に染まった。
爆ぜるような閃光と共に、俺の身体が光に包まれる。
「——グッ……!!」
皮膚が焼け、肉が抉れ、骨が砕ける。
——まずい。
このままじゃ、“負ける”。
アダムの力は、想像以上だった。
強い、なんてもんじゃねえ。
“圧倒的”だった。
奴は、人間の枠を超えている。
これが、“オリジン・コアの最高傑作”——人類の到達すべき”神”の姿だというのか?
だが——俺は、そんなもんに屈するつもりはねえ。
「……まだだ」
俺は、焼け焦げた身体を引きずりながら、再び”夜喰らい”を構える。
「まだ終わっちゃいねえよ、アダム……!」
アダムは、静かに目を細めた。
「——ならば、“完全なる絶望”を見せよう」
アダムの背後に、“光の翼”が広がる。
その数、“六枚”。
まるで、“神の化身”のように——
そして、世界が光に呑まれる——




