第二話・第三節:カボチャ頭との本格バトル
「試練ハ、コレカラダ……」
カボチャ頭の異形が低く囁くと、闇の手が四方八方から俺を襲った。
俺は地を蹴り、跳躍する。
背後から迫る黒い手の群れをギリギリでかわしながら、壁を蹴って飛び上がった。
——次の瞬間、さっきまで俺がいた床が”腐食”し、跡形もなく崩れ落ちた。
(やっぱり触れたら終わりか)
俺は上空で身体を捻りながら、黒炎をまとった拳を振るう。
「喰らえっ!!」
黒炎が鋭い刃となり、カボチャ頭の異形へと一直線に飛んでいく。
だが——
シュウウウ……ッ!!
炎が異形の身体に触れると、まるで”霧に溶ける”ように消えた。
「……やっぱり、そう簡単にはいかねぇか」
こいつは今までの雑魚とは違う。
ただのカボチャの怪物ではなく、このダンジョンに”根付いた”何か。
俺が着地するより早く、異形は動いた。
「——闇二沈メ」
低く呟くと同時に、カボチャの目と口がギラリと光る。
その瞬間、俺の足元から”影”が伸びてきた。
「っ……!」
すぐさま後方に跳ぶ。
影の触手が俺の足を捕らえようとするが、間一髪でかわした。
(こいつ、影を自在に操るのか……)
だが、逃げてばかりじゃ勝てない。
どこかに”攻め手”があるはずだ。
俺は一瞬で思考を巡らせる。
こいつが影そのものなら、影を”消す”方法を考えなければならない。
(影は”光”があるから生まれる……)
なら、“光源を潰す”か、“より強い光”を作るか——
「……試してみるか」
俺は両手を広げ、黒炎を練り上げた。
ただの炎ではなく、“爆発”させる形で。
カボチャ頭の異形が再び影を操ろうとした瞬間——
「——喰らえ!!」
俺は黒炎の爆発を”足元”に叩きつけた。
——ドォンッ!!!
爆風がダンジョンの空間を揺るがす。
一瞬、辺りが”強烈な閃光”に包まれた。
俺はその隙を突いて、一気に間合いを詰める。
「……今度は逃がさねぇぞ」
拳を握り、全力の一撃をカボチャ頭へと叩き込んだ——。