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第九話・第三節:闇の刃、再び

「来るぞ……!」


 俺が警告を発するのと同時に、かぼちゃ頭の怪物たちが一斉に飛びかかってきた。


「チッ……!」


 カインが剣を振るい、先頭の一体の首を狙う。しかし、かぼちゃ頭は驚異的な跳躍力でかわし、逆に鋭い爪を振り下ろした。


「っ……!」


 カインが後方へ跳んで回避する。


「コイツら、いつもより動きが速い……!」


 カインの言葉通り、以前戦った時よりも敵の動きが洗練されているように見えた。


「まずは数を減らす……!」


 俺は地面を蹴り、最前列のかぼちゃ頭に向かって突っ込む。


「はぁっ!!」


 拳を叩き込むと、かぼちゃ頭の体が宙を舞い、ビルの壁に叩きつけられた。しかし、そいつは即座に立ち上がり、俺を睨みつける。


(ただの雑魚じゃない……か)


 周囲のかぼちゃ頭も連携を取るように動き出し、一斉に俺へと迫る。


「くっ……!」


 跳び退りつつ、俺は右手に意識を集中させた。


(……出ろ)


 闇の力が渦巻き、俺の腕から黒い刃が生み出される。


「ふぅ……」


 深く息を吐き、闇の刃を構えた。


 かぼちゃ頭の怪物たちが、再び襲いかかってきた。


「——斬る!!」


 俺は一瞬で距離を詰め、闇の刃を振り抜いた。


 ズバァッ!!


 刃は容易く敵の胴体を両断し、黒い霧となって消滅させる。


「なっ……!?」


 レジスタンスの仲間たちが驚愕するのが分かった。


 しかし、俺自身も気づいていた。


(……ヤバいな)


 闇の刃を使うたびに、俺の体が冷たくなっていく。

 指先の感覚が薄れ、まるで”何か”に侵食されていくような感覚——


(……この力に頼りすぎるのは、危険だ)


 そう理解しながらも、俺は次の敵へと駆け出した。


「援護する!」


 エリシアの声が響く。


 彼女は両手を掲げると、周囲の空気が震えた。


「“光の矢”!」


 光輝く矢が複数出現し、かぼちゃ頭たちへと放たれる。


 ドシュッ! ドシュッ!


 光の矢が命中した怪物たちが、黒い霧となって消えていく。


「助かる!」


 俺は短く礼を言いながら、残りの敵へと突進した。


 この戦い、俺の中で確信が芽生えていた。


 ——何かが、変わり始めている。

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