第七話・第二節:「ハロウィンの王」の秘密
拳と爪がぶつかり合い、地面が大きく揺れる。
俺は闇の力を込めた拳を叩き込むが、“ナイトメア・パンプキン”はびくともしない。
「クソッ……こいつ、どこが弱点だ?」
ヤツの裂け目が大きく開き、再び黒い霧が噴き出す。
俺はすかさず跳躍し、回避に移る——が、直後に背後から声が響いた。
「……左側! あの光ってる部分を狙って!」
鋭い指摘とともに、白銀の閃光が横を駆け抜けた。
「っ……!」
俺の脇をかすめるように、少女がナイフを投げたのが見えた。
それは”ナイトメア・パンプキン”の左側にある裂け目に突き刺さる。
次の瞬間——
「■■■■■!?」
ヤツの動きが一瞬だけ鈍った。
——効いた!
俺はすぐさまその隙を逃さず、渾身の一撃を叩き込む。
「はあああああッ!」
拳がヤツの左側を直撃した瞬間、“ナイトメア・パンプキン”の体が大きく揺らぐ。
やはり、あそこが”弱点”か……!
「助かった……お前、名前は?」
俺は隣に降り立った少女に目を向けた。
「……エリシア」
エリシア、と名乗った少女は、鋭い目つきで”ナイトメア・パンプキン”を見据えていた。
「助かった……エリシア!」
俺は隣に降り立った白髪の少女に目を向けた。
彼女は小さく息をつき、俺とヤツを交互に見ながら鋭い声を放つ。
「今のうちに仕留めるわよ、蒼真!」
「ああ……!」
ヤツの裂け目から黒い霧が漏れ始める。だが、今なら間に合う——!
俺は闇の力を込め、再び突撃した——。




