表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/98

第七話・第一節:「ハロウィンの王」との激突

 闇夜に、不気味な月光が照らされる。


 その下で——“ナイトメア・パンプキン”はゆっくりと動き始めた。


 ギギギ……ッと骨が軋むような音を立て、巨大なカボチャの頭部が俺の方へと向く。


 無数の眼球がうごめき、全身の裂け目が不気味に歪む。


「■■■■■■■■■■■……!」


 耳障りなノイズのような”声”が空間を揺るがせた。


 俺の全身に寒気が走る。


 これまでの”上位種”とは明らかに違う……。


「……ハロウィンの王、か」


 俺は拳を握り直す。


 こいつを倒せば、このダンジョンの核心に迫れるかもしれない。


 だが、それ以上に——


 俺は、負けるわけにはいかない。


 自分が何者なのかを知るためにも、この力が何なのかを確かめるためにも、ここで立ち止まるわけにはいかないんだ。


「行くぞ……!」


 俺は一気に地面を蹴った。


 “ナイトメア・パンプキン”も、ゆっくりと腕を振り上げる。


 そして——


 バゴォン!!


 拳を振るった俺と、“ハロウィンの王”の巨大な爪が激突した。


 衝撃波が辺りを吹き飛ばし、地面が陥没する。


 俺はすぐに闇の力を増幅させ、反撃を試みる。


 だが——


「チッ……!」


 “ナイトメア・パンプキン”の圧倒的な力に押され、俺の体が後方へと吹き飛ばされた。


 すぐに体勢を立て直すが、ヤツは追撃の体勢に入っていた。


「■■■■■■■■!」


 無数の眼球がギラリと輝き、次の瞬間——


 ヤツの裂け目が大きく開き、内部から黒い霧が噴き出す。


 それは、“呪いの吐息”。


「くそっ……!」


 俺はすかさず闇の力で防御を固めるが、霧の一部が俺の腕に絡みつく。


 ジリ……ッと、皮膚が焼けるような感覚。


「なるほどな……こいつ、ただの物理攻撃じゃないってわけか」


 俺は闇の力を集中させ、呪いの霧を振り払う。


 “ナイトメア・パンプキン”は、まるで俺の動きを観察するように佇んでいた。


 だが、その瞳の奥には確かに”殺意”が宿っている。


「さっきみたいな直線的な攻撃だけじゃ、こいつには通用しねぇ……」


 俺は深く息を吸い込み、闇の力をさらに高めた。


 すると——


 周囲の影が蠢き始める。


 俺の意志に呼応するかのように、闇が形を成していく。


「——なら、こっちも”本気”で行かせてもらうぜ」


 俺は再びヤツの懐へと踏み込んだ。


 拳に宿る闇の力が、いつもよりも濃く、深くなっているのを感じる。


 “ナイトメア・パンプキン”も、それに応じるように動き始めた。


 再び、衝撃のぶつかり合いが始まる——。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ