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第六話・第三節:上位種との戦闘

 夜の街に、異様な緊張が満ちる。


 俺と、目の前の”カボチャ頭の上位種”が対峙する。


 相手はただの雑魚とは違う——それは直感で分かった。


「■■■■■■■■……」


 耳障りなノイズとともに、カボチャ頭の裂けた口が不気味に開く。


 次の瞬間——


 バシュッ!!


 ヤツの長い腕が、ムチのようにしなりながら俺に襲いかかる!


「チッ……!」


 俺は即座に身を屈め、紙一重でかわした。


 その瞬間、ヤツの腕がコンクリートの地面を叩きつける。


 ズガァン!!


 アスファルトが砕け、瓦礫が飛び散った。


「威力がエグいな……!」


 もしまともに食らっていたら、ただじゃ済まなかった。


 俺はすかさず反撃に転じる。


「喰らえ……ッ!」


 闇の力を右腕に集め、拳を振るう!


 ドゴォッ!!


 俺の拳が、カボチャ頭の胴体に直撃した。


 ——が、手応えがおかしい。


「……ッ!」


 ヤツの身体はまるで”霧”のように揺らぎ、俺の攻撃をすり抜ける。


「効いてねぇのかよ……!」


 すると——


「■■■■■■■■■……!」


 カボチャ頭の無数の目が怪しく光った。


 その瞬間、俺の視界が”歪む”。


「なっ……!?」


 周囲の景色が揺れ、俺の足元が崩れるような感覚。


 まるで現実そのものが歪まされたような錯覚に陥る。


「くそっ、こいつ……“幻覚”まで使ってくるのかよ……!」


 足元がふらつく。


 意識が、徐々にぼやけていく——


「蒼真、しっかりして!」


 少女の声が遠くで聞こえる。


 だが、身体が思うように動かない。


 ——クソ、このままじゃ……!


 そのときだった。


 俺の中の”闇の力”が、自動的に暴走しかけるのを感じた。


「……あぁ?」


 黒い波動が俺の身体から滲み出し、周囲に広がる”幻覚”をかき消していく。


 すると——視界がクリアになった。


「なるほどな……」


 俺は自分の手を見る。


 どうやら、俺の中の”闇”は、ヤツの精神攻撃に耐性を持っているらしい。


「だったら、このまま……」


 俺は闇の力をさらに解放する。


 黒いオーラが噴き上がり、拳に宿る。


 カボチャ頭の上位種が再び腕を振りかざす。


「遅ぇよ」


 俺はその動きを見切り、瞬時に踏み込む。


 そして——


「これで終わりだッ!!!」


 ——ドガァン!!!


 俺の拳が、カボチャ頭の中心を貫いた。


 バギィッ……!


 ヤツの身体が砕ける。


 無数の赤い目が、一瞬ギョロリと動いたかと思うと——


 シュウウウ……


 黒い霧となり、跡形もなく消え去った。


 静寂が戻る。


「……終わった、か?」


 俺は息を整えながら、少女の方を見る。


 彼女は、少し驚いた表情でこちらを見つめていた。


「……やっぱり、あなたの”力”は……」

「ん?」


 少女の言葉の続きを聞こうとした瞬間——


 ズズズ……


 先ほどの裂け目が、まだ完全には閉じていないことに気づく。


 嫌な予感がした。


「……まだ、何か来るのか?」


 少女はゆっくりと頷いた。


「次は……“本命”が来るわ」


 闘いは、まだ終わっていなかった。

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