表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

賢いハスキーシリーズ

勇者犬ハスキーの詩~異世界転移をして更に賢くなったハスキーの話

作者: 山田 勝

「ワンワンワン!」


「カイザー!ただいま!」


 僕はハスキー犬のカイザー、ご主人一家の健児君が帰って来たのでお出迎えなのだ!

 健児君はお散歩マスターなのだ。ルートをその日の天気に合わせて選択できるのです。

 僕のおかげなのだ。


 さあ、飛びつくぞと思ったら。


 ボア~


 光に包まれて。


「カイザー!眩しい!」



 知らない場所に来たのだ。




 ☆☆☆グランドル王国召喚の間


「勇者様~召喚!」


「ワンワンワン!」



 ザワザワザワ~~


「犬?!」

「オオカミ?」

「賢そうな顔をしているが犬だ?」


「そんな。あちらの世界の15歳の少年を召喚したのに・・」

「ワ~ン?」


 あれ、人間の言葉が分かるようになったぞ。

 だけど、


「ワンワンワン!」


 としか話せない。



「・・・これは、ステータスオープン!」


「ジョブ犬、スキル、気弾、飛翔?!翻訳スキルワンダフル・・・」


「「「「はあ~」」」

「もう一回やるには魔石が足りない!」



「ええい。とりあえず行かせろ!儀式を行うぞ!」

「御意!」



 ・・・・・



「勇者殿、山にドラゴンが住み着いている。退治されよ」

「ワン!」


 僕は馬車に乗せられて、山に行ったのです。


「さあ、ここからは勇者様にお願いします。あの洞窟に住んでいます」

「ご飯とおやつはここに置いておきます」


「ワン!」



 僕は洞窟に向かって吠えたのです。


「ワンワンワンワン!ワオ~~~ン!」


 ご飯を食べて。


「ワンワンワンワン!ワオ~~~ン!」


 おやつを食べて


「ワンワンワンワン!ワオ~~~ン!」


 すると出てきたのです。




【うっさい!お前はフェンリルか?】


「ワン!」


「しかし、我を恐れぬとは、鑑定!・・・何だと、犬だと!ただの犬?そんな・・犬は我を見たら逃げ出すぞ。相当な犬だな」



 ボム!


 デッカいトカゲが赤黒いお姉さんになったのです。角があるのです。


「ほら、これをやるから鳴くな」


「ワン!」


 ボト!


 大きなお肉をもらったのです。


「ハア、ハア、ハア」


「しかし、分からぬ。我を前にして恐れぬとは何を望む?念話!」


「何?お散歩?遊んで欲しいだと?」


「ワン!」



 ・・・・


 お姉さんと遊んだのです。



「綱をつけて欲しいとは珍妙な生物だのう」

「ワン!」

「何?これが絆だと?フン!」


「ほら、ボールだ!取ってこい」

「ワン!」


「お前、空飛べるだろう。やって見よ」

「ワン!」


 フワ~~~


「キャインキャイン!」

「自分で飛んで驚くな!」



 それからお姉さんに修行をつけてもらったのです。


「ワオ~~~~ン!」


 ダンダン!


「よし、それが気弾だ!」


 吠えたら、木が倒れたのです。


 お姉さんにお願いしたのです。芸を覚えたいのです。上手くできないのです。


「お手!」

「ワン!」


「お座り!」

「ワン!ワン!」

「おい、動くの早いぞ!」


「待て!・・・いい。涎が垂れているぞ!ヨシ!」

「ワン!」



 それからお姉さんとお話をしたのです。



「何?異世界から連れてこられたのか?」

「ワン!」

「非道な。我はただこの場所が気に入っているだけだ。人族の街は襲わないぞ!文句を言ってやる!」




 ☆☆☆王宮



「ヒィ、勇者様がドラゴンの背中に乗ってやってきた」



 ボム!


「人族どもよ。何て非道なことをするのだ!このワンコを元の世界に帰してやるのだ!」


「しかし、魔石が足りません」


 ドン!

 お姉さんが空間から石を出したのです。


「さっさとやらんか!」


「はい!」




「お座り!」


 僕は魔方陣の真ん中でお座りをして、お姉さんとお別れをしたのです。


「フン、お前との二週間、悪くなかったわ!」


「クゥ~~~ン」


 お姉さん。ごめんなさいなのです。

 僕のご主人は・・・


「分かっている。しかし、あまり無駄吠えはするなよ」


「ワン!」


 ボム!




 ☆☆☆佐々木家



「道子、どうだった」

「お母さん。SNSで呼びかけたけど、反応はないわ」


「グスン、僕のせいだ!」

「健児、泣いている暇があったら迷い犬のチラシ配りに行くわよ。保健所にも知らせておいたから大丈夫よ」


「姉ちゃん」


 ピコン♩


「あら、ラインがついたわ。まあ、カイザーが見つかったそうよ。え、届けてくれるって?」


 >有難うございます。お迎えに行きます。

 >いいえ。私も犬好きでして、近くまで行きます。そこで。

 >分かりました。有難うございます。では、聖女市聖女観音の農道でお願いします。




 ・・・・・・・



「ククククッ馬鹿は~けん。犬ごときに30万円の謝礼を払うってよ」

「ば~かでい」

「ウケる~」


 俺たちがネットで闇バイトを探していたら、犬ごときに30万円払う馬鹿が見つけた。


「一応、クレーンでハスキーのヌイグルミを取ってきたぜ」

「騙されないだろう」

「ウケる~」


 そして、あわよくば脅して家に侵入してお金を取るぜ。



「ワン!」


「あ、ハスキーがいるぞ!」


「ワンワンワン!」


 鑑定したのです。こいつら悪い奴なのだ。家の近くにいたのです。



「ほお、ちょうどいいわ。乗れ」

「ウケる~」


「ウワ~~~ン!!」

 気弾を放ったのです。最小限の力なのです。


「ギャアアー、何か当たったぞ」


「ワンワンワン!」


 ボコボコボコ!


「ヒィ、車に凸凹できているぞ」


「に、逃げろ~」


 ブロロロロロ~~~


 逃がさないのです!


「ワン!」


 僕は空を飛んで車を追いかけたのです。



「ワオ~~~~ン!」


 空爆なのです。



「「「「ギャアアアアーーーーー」」」


 ガシャン!


 これだけにしておくのです。




 ・・・・・・・・



「あれ、琉士さん。いないわ」

「いたずらなのかしら、ラインも既読つかないわ」


「ワン!」


「・・エッ、カイザー、カイザーなの?」

「ウワワワ~~ン、カイザーごめんなさい!」



 僕はママさん。お姉さん。健児君にヨシヨシされたのです。


「カイザーをここに置いて行ったのね。お礼を受け取らないなんて、良い人だったのね」


「世の中、悪い人はいないな」



 僕は、また、この一家と暮らせるようになったのです。

 しかし、家の中に入れられたのです。


「いなくなったら悲しいわ!ベットを買ったから家の中で寝てね」

「散歩は当分道子と健児の二人ね」

「「はい」」

「ワン!」


 テレビを見られるようになったのです。


 こっちの世界でも人の言葉は分かるままなのです。

 ニュースも分かるのです。



 ‘’ニュースです。聖女市の農道で事故が起きました。車に乗っていた若者たちは危険運転を行い。車は大破しました。空飛ぶハスキー犬に襲われたと供述しており。薬物使用が疑われています。


『ウケる~ハスキー飛んでいたし!』

『ハ、ハスキーが、ハスキーが口からアメハメ波を出した!』



「まあ、怖いわ。この近くなのに、あんなに善い人がいるのに悪い人もいるわね。気をつけなければいけないわね」


「ワン!」


 ビキニアーマーのお姉さんのおかげなのです。

 この家は僕が守るのです!


「カイザー、ご飯よ」


「ワ・・ン」


 角のお姉さんと約束したのです。無駄吠えはやめたのです!


「まあ、カイザーお利口になったわね」


 そうなのです。僕は賢いのです。


 だから、「待て」を披露したのです。


「エ、カイザーがお座りをして、待っているようだわ」

「やめて、涎が口から出ているわ」

「待ての解除は何だったけ」


「クゥ~~~ン」


 ‘’ヨシだワン!’’


「「「エッ」」」


「今、ヨシって頭の中で聞こえたわ」

「ヨシよ。ヨシ。ご飯食べていいわ!」


「ワン!」


 しまったのです。ビキニアーマーのお姉さんとのクセで念話を使ってしまったのです。

 今はご飯なのです!後で考えるのです。


 異世界のドックトレイナーの教えを忠実に守るカイザーであった。





最後までお読み頂き有難うございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
カイザーかわいい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ