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7. 爆乳養護教諭はおっぱいセクハラを全肯定する(♡♡)




 ブラジャーがはじけ飛び、レイン先生のおっぱいが露になる。

 しかし――そこに在るはずの乳首は、見ることができなかった。



(ニ……ニップレス……?)



 金色の光沢を放つハート型のシールが貼られて、おっぱいの先端を覆い隠している。

 乳房の大きさに比例してシールもでかい。そしてその中央には、明らかにソレとわかる突起があった。


「……失望したじゃろ? でも、これがおぬしのためなのじゃ」


「え? な、なんでですか」


 なぜと言ったのは『失望したじゃろ?』という部分についてだ。

 全然がっかりなんかしていない。確かに乳首は見れなかったが、これはこれですごくいい。レイン先生がこんなところまでサプライズを用意してくれていたのかと思ったぐらいだ。


「わしも本当は、大好きな律季に乳首を見てもらいたいのじゃ……でもダメなんじゃ。

 ――律季みたいに若い男がわしの乳首なんて見たら、絶対がっかりさせてしまうではないか。




 だって……23歳のわしなんて、おぬしからしたらババアじゃろ……?」




「――はっ????????????????????」




 今までで一番、意味がわからない。

 ババアってなに? |Bouncing Boob Amazingおっぱいいっぱいゆれててすごいの略とか……?


「何言ってんのか分かりませんよ。見せたいなら見せればいいでしょ」


「ダ、ダメじゃ。わしも乳首見せたいけど、見られたらダメなんじゃ。片思いの相手に、わしのみっともない年増乳首を見られるなど……っ」


「なんでダメなんですかっ! 俺だって見たいですよ! レイン先生の乳首っ!!」


「や、や~じゃ……っ。ババア乳首見せたくないのじゃー……。だってがっかりされるもん……っ」


「じゃあ確かめりゃいいでしょ!! がっかりするかしないか!!」


「きゃぁぁ~~~~♡♡」


 「――いやあの……二人とも趣旨忘れてない? 素肌に触れればそれでいいって話じゃ……」という冷静な天道先輩の声は聞こえない。

 うじうじして涙までにじませるレイン先生に、俺はブチ切れていた。


 ふざけんな。これはこれでいいと思ったけど、そんな事言うなら意地でも乳首見てやる。

 わからせてやる――自分がどれだけ魅力的な女性かを!!


「あぁっ♡ ダメぇ♡ お願いなのじゃ♡ 乳首を見るのだけは勘弁してくれぇっ♡」


「はがしますよ、いいですね! ひっかいちゃうから動かないでくださいっ……!」


「やめてくれ♡ はがさないでくれー♡ それはわしにとって最後の砦なのじゃぁー♡」


 「のじゃー♡ のじゃー♡」とかわいくさえずりながら、レイン先生が俺の肩を押して抵抗する――全然力が入っていない。

 俺は爪を立てないように全力で注意しつつ、指の腹でゆっくりとニップレスをめくり始めた。


「頼む、やめてくれぇ♡ ちくび見るなぁ♡ わしは教え子を性犯罪者にしとうないのじゃーっ♡」


「はぁはぁ……も、もう少し……!」


「あぁぁっ♡ 見られる♡ 見られる♡ 見られてしまうっ♡ わしのババアおっぱいの乳首がっ♡

 雹冬レインの132cmUカップおっぱいが、律季に見られてしまうのじゃ~~~~っ♡♡」


 ――半ばまでニップレスが剥がれて、色づいた突起が覗き――その瞬間あっけなく、シールは肌から外れてしまった。

 ついに現れたレイン先生の乳首は――やっぱり、最高にきれいだった。白い肌にくっきり浮かんだピンクの円い乳輪に、つやっつやの乳頭。若々しさとみずみずしさしか感じない雌のおっぱいを、俺は乳首の先端のくぼみまで見える距離で、目の当たりにしていた。





(ふおおおおおおお……ッ!!)


「――んふふ……♡♡ やったのう律季っ♡ 学校の男がみんな見たがってる、レインの生おっぱい♡ レインの勃起乳首……♡ 最初に見た男になりおおせてしまったなぁ♡ これでレインの爆乳はおぬしだけのものっ♡♡ 他の男は、み~んなおぬしの下……っ♡♡

 ……わしの乳にヤりたかったこと、今から好きなだけしていいんじゃぞ……♡♡」




 一秒前まできゃーきゃーわめいていたくせに、豹変したように低い囁きを早口で流し込んでくる。

 からっぽになった頭をレイン先生の声が支配する。自分ではもう何も考えられない。


「はぁっ……はぁっ……」


「……♡」


 視界を埋め尽くすおっぱいの海へ、ひとりでに両手が沈んでいった。


「――ふぁんっ♡♡ きたぁぁっ♡♡」


(……ッ!)


「おぉんっ♡ はぁぁっ♡ んぅぅぅ~~~♡♡」


 果てしなくやわらかい乳肉を、ゆっくりかきまぜる。

 少しつめたくて、ふわっふわ。まるで生クリームの山に手を突っ込んでいるようだ。


 だがそれ以上に脳をゆさぶったのは――レイン先生の喘ぎ声。

 手を動かすたびに、ニコニコしたままのお口が可愛い声をあげてくれる。八歳年下の男のたどたどしい愛撫に、大人の女であるレイン先生が、面白いほどよがっていた。


「きゃぁぁん♡ 律季ィっ♡ そんなに激しくしないでぇっ♡♡ 気持ちいいのじゃぁっ♡♡」


(うぅぅぅ……やばい! レイン先生とエロいことするの楽しい……!!)


「律季のおてて最高なのじゃぁっ♡♡ おっぱい揉まれるの、好きになっちゃうのじゃ~~~~~っ♡♡」


 まずい、ダメだ――正気に戻らなくては。

 童貞の俺が、女性をこんな風によがらせるなんてありえない。全部レイン先生の演技に決まって――


「むふふふ~♡ 律季、ひとついい事を教えてやろうか……♡

 ――わしって、男性経験がゼロなんじゃぞ♡ 23歳にもなって、なんとファーストキスもまだなのじゃ♡ もちろん乳を見せるのも触らせるのも、ぜーんぶ律季がはじめて……ほんとのほんとに、まっさらな生娘……っ♡ それが、乳揉み処女に続いてナマ乳処女まで、律季に捧げてしまったのじゃぞ……♡」


「――――――――」


「しかも……前はラッキースケベじゃったが、今回のは完全合意♡ 男と女の、ただのいちゃいちゃエッチじゃ♡ 女が男をベッドに招いて、丸出しのおっぱいを揉ませてしまったら、もう言い訳の余地はない♡




 ――レインはもう、おぬしの、ツ・バ・つ・き……っ♡♡♡♡」




 ――あぁ、もう、嘘でもなんでもいい。

 こんなに幸せなのに、演技で何が悪いのだろう?


「はぁはぁ……!! ふ~~~~~っ……!!」


「――きゃぁっ!?♡ こ、こらー♡ もっと紳士的にせんかぁっ♡」


「うわわわ……水鏡くんの目やばっ」


「うぅぅぅ……! レイン先生……! ――ぢゅうううっ!!」


「ふぁぁんっ♡♡♡ り、律季っ、誰が乳首を吸っていいと言ったぁ~!?

 ――もちろん、いいけどな~♡♡ 興奮してくれてさんきゅーなのじゃー♡ むぎゅ~~♡♡」


 我を忘れて乳首にしゃぶりつき、レイン先生の体にのしかかると、彼女は長い足を俺の腰にからみつかせて応える。――何をしても怒られない。むしろ満面の笑みで喜んでくれる。欲望を全肯定してくれる彼女の母性に、俺は完全に酔いしれていた。

 おっぱいを乱暴にこねながら、先生のブルーの髪を鼻にくっつけてフガフガと嗅ぐ。高そうなシャンプーの匂いが頭の中に直接流れ込んできた。いや、もしかするとこれこそが、レイン先生の素の香りなのかもしれない。


「むふふぅー♡ 女のカラダに甘えるのって、たのしいじゃろー……?♡ おっぱい揉めて幸せじゃなー♡ 乳首ちゅぱちゅぱすんの、たまらんなー♡ 頭の中にあるめんどくさい考えとかストレスとか、全部ふやふやにとろけちゃうな~♡

 こーんな若いうちから、こーんないい女にありつけるなんて……まったく、この果報者めっ♡ バラ色の人生にもほどがあるじゃろ~♡ にひひ……生まれてきてよかったなー……♡」


(よかった♥ 生まれてきてよかったっ♥ あああああああ最高っ♥ さいこぉっ♥)


(……むかっ)


 保健室のベッドがぎしぎし言っている。もう外聞などどうでもよかった。

 ただ一つだけ忘れるべきでない事を忘れていた――この場には、天道先輩もいるという事を。


(なによ、もう。……私のおっぱい揉んだ時は、そんな風にならなかったじゃない?

 ――私のこと好きって言ったくせに、レイン先生のおっぱいの方が興奮するんだ……?)


「……おや、どうしたのじゃ炎夏?」


「どうしたも何も、もういいじゃないですか。もともと実験だったんですし……これだけ触って変化がないなら」


「――む、確かにそうじゃな。では、このへんでお開きにするか」


「…………え……っ!」


 お開き? これで終わりだってのか? 

 一瞬俺の心を絶望が支配したが――次のレイン先生の言葉と行動が、それを一気に吹き飛ばした。




「――じゃからここからは実験じゃのうて……わし個人からの、お・れ・い♡」


 

 がばっ♡ ぎゅ~~~~~~~~~~~っっっ♡♡♡♡



「むぅぅぅっ♥♥!?」


「はぁっ!?」




 レイン先生が突然とんでもない力を発揮して俺を突き飛ばす。気づけばベッドに仰向けに寝かされ――いつぞやのごとく、彼女の豊満な女体が俺の上にのしかかった。

 リクライニングに押し付けられたあの時とは違い、今回はベッド。レイン先生の全体重が垂直にかかり、多幸感も二倍。


「炎夏を助けてくれてありがとうなー♡ 炎夏のバディになってくれて、心から感謝するぞ……♡

 おぬしに捧ぐおっぱい天国は、むしろここから本番♡ むっちりひんやりずっしりの、最高級女体掛け布団でっ♡ おぬしへの感謝を表現するぞ~っ♡」


「ええっ……♥ こ、ここからまだ……っ」


「言っとくが動いたらダメじゃぞ? おとなしく感謝されるがいい♡  

 ――恩人さまめぇ、覚悟せよ~♡ お礼おっぱいをくらえっ♡♡」




 ――ずむっ!!♡♡




「――ぐぅっ!?」


「えいっえいっ♡ ありがとう♡ ありがとう♡ ありがとうっ♡ 

 ――かたじけなしっ♡ かたじけなしっ♡ かたじけないのじゃ~っ♡」


「ぐぅっ♥ うぅっ♥ むぐっ♥」




 ――ドスンッ!♡ ドッモン!♡ バッチュン……ッ!♡




 うつぶせになったレイン先生が、腕立ての要領で、垂れ下がった爆乳を俺の顔面に叩きつけてきた。

 感謝の言葉とリズムに合わせて、二つのおっもいスタンプが鼻先に撃ち込まれる。いっさい手加減がなかった。おっぱいのやわらかさがなければ、頭蓋骨にヒビが入るかもしれない――本能的に危機感を覚えてしまうほどのオバケおっぱいが責め立てる。


 いやまあ、全然痛くはないのだが――それでもおっかない。顔が潰れてしまいそうなのもあるが、何より幸せすぎて、頭の回路がぶっこわれてしまいそうで怖い。

 まるでヘビー級ボクサーにボコられているような気分だった。濃厚なおっぱいフェロモンを間近でかがされるのもあって、脳みそが直にクラクラさせられる。


「や、やめてください先生っ。水鏡くんが死んじゃいますっ……!」


「え~? でも律季、すっごくうれしそうじゃぞ~? 手も足もこんなにピーンってして……っ♡」


(! ……い、いまだっ……!)


「――ひゃぁっ! こらっ、おとなしくしてろと言うに……! ――んぅぅぅぅっ♡♡」


 いまだ丸出しの乳首をつねり、先生が脱力したスキに起き上がった。

 ぴったりとくっついたままベッドの上に座った状態。先生は俺の手首をつかんで止めようとするが、おっぱいをこねまわされて力が入らない。


(えーと……今までの感覚からすると……おっぱいの下の深い所に、弱い部分があるのか?)


「ふぁぁぁ♡ も、揉み方、だんだんこなれてきとるぅっ……♡ 弱いとこ把握されてきとるっ♡」


(よし、だんだんコツつかんできたぞ……! レイン先生を気持ちよくさせてやる!)


「……っ♡ も、もう♡ この恩人様はぁ~! そんなマジな目で見つめよって、男らしいにもほどがあるじゃろっ♡

 ――ああ、よいぞっ♡ おぬしがその気なら抵抗せん……♡ このままイっちゃうから続けてよいぞっ……♡ 女教師のイキ顔をご照覧あれっ♡」


「!!!!」


(えっ!? うそ、胸だけでイくって……! そ、そんなにすごいの?

 ――で、でも確かに私も水鏡くんの手で、いきなり気持ちよくされたような……)


 俺の手で、レイン先生が絶頂する――そんな事を聞かされて、高ぶらないわけがなかった。

 み……見たい。レイン先生がイくとこ見たい!! ――必死で手を動かしまくる。


「くぅぅぅ……乳首しつこくコスコスって♡ あ~~~~やばい♡ お腹の底がキュンキュンってして、これ……子宮まで届くタイプのやつぅっ……♡

 お願い、律季の顔見せて♡ わしも大好きな男に見られながらイきたいのじゃ……♡ 23歳処女のUカップおっぱいが、男にイかされるはじめての瞬間っ♡ 律季のためだけに生放送するっ♡ 見逃し厳禁限定ライブっ♡ 見てて、見てて見ててぇ~♡♡ 

 ……あ~イック……わし、もうイかされちゃうッ♡♡ 好きな男にイかされちゃうぅ~~~っ♡♡ ――あっっっっ♡♡♡♡」


 レイン先生の、メカクレモノクルの美貌がじわじわと歪む。

 それを、まばたきすらせず間近でガン見して――彼女の瞳孔が開いた瞬間、両乳を全力で握りつぶした。




「んぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~~~~♡♡♡♡ イクイクイクイク、イッ……くぅ~~~~~~~~♡♡♡♡♡」



 

「~~~~~~!!♥♥」




 イった! イった! ……イかせたっ!

 レイン先生という最高の美女が、あろうことか俺の手で気をやってしまった――圧倒的な全能感と征服感が全身の体温を上昇させる。鼻息を荒げる俺の顔を、とろけたブルーの瞳が見返した。その手はまだ、シーツをつかんだままだ。


「……はぁ……はぁ……♡ にひっ♡ おみごとじゃ律季♡ みっしょん・こんぷりぃ~~~~~っ♡♡

 これからもこういうこと、いーっぱいさせてやるからのー……♡ わしとたっくさんエッチして、男としての成功体験積み上げようなー♡ ……性交だけにっ♡♡ せいこうだけになぁ……っ♡♡」


「は、はひっ……、ありがとうございました……」(て、天使だ……ッ♥)


 最高のお誘いではあるが――今は何も考えられない。すっかり腰が抜けていた。三日分ぐらいのエネルギーを消費した感じがする。

 ぼんやりしながらベッドから降りようとしたところで――ガシッ。またしてもレイン先生の足が、俺の体をホールドした。そのまま思い切り両手で、顔を谷間に押し付けられる。


「~~~~~!?♥♥」


「どこ行くんじゃ? ……律季への恩返しはまだ途中じゃぞっ♡」


「ええっ、ちょっと……まだやるんですか?」


「もちろんじゃ♡ わしの感謝の気持ちはこんなものでは伝えきれんぞ♡

 ――それより炎夏、おぬしこそさっきからなにをやっとるんじゃ?」


「――ど、どういうことですか?」


「おぬしもわしと同じように――『形あるもの』で、感謝を示すべきじゃと言っておる」


「なっ……!!」


「ええっ!?」


 水を向けられた天道先輩が一気に真っ赤になる。

 ――い、いや、さすがにそれは俺も気が引ける――そう反対しようとした瞬間に、さらに強く口をおっぱいに埋め込まれた。


「わしはあくまでも、『おぬしを助けてもらった』ことへの恩返しじゃ。律季に救われた張本人であるおぬしこそ、一番感謝すべき立場じゃぞ。こやつの助けがなかったら、おぬしは殺されていたかもしれんではないか」


「……っ」


「二言三言感謝を伝えた程度で、返し切れる恩ではあるまい。本当に誠意を見せたいなら、言葉では不十分じゃ。

 ――おぬしもこのベッドに上がって、命の恩人に恩返しをせぬか。……その、でっかい胸を使って……な♡」


「……うう……わ、わかりましたよっ!」


(え!? 『わかりましたよ』!?)


 やけになった天道先輩が本当に上履きを脱いで、ベッドに上がってきてしまった。

 ――嘘だろ嘘だろ嘘だろっ!? 混乱する俺の耳に、カーテンを乱暴に締める音が届いた。これでいよいよベッドの上は封鎖空間。視界がおっぱいに包まれた真っ暗闇なので、俺には細かい状況がわからない。


「……い、いくわよ? ちゃんと喜んでよね……♡ 

 ――ちゃんと、おっぱいで恩返しするから……っ♡」




 ――むにゅううううううう~~~~~~~♡♡♡♡




「ん゛ん゛ん゛ん゛っ♥!?」


「おー♡ だいたーん♡ 炎夏も、とうとうやってしまったなぁー♡♡」


「いい? 今回だけだからね……? こんなこと、もう二度としないんだから……っ♡」

 

 背中いっぱいにぬくぬくでやわらかい感触が広がった。前はレイン先生のナマおっぱい、後ろは天道先輩の着衣おっぱい。全身が隙間なく女体に覆われてしまった。

 ――おいおい、冗談だろ……まんまと乗せられちゃったぞこの人。俺に感謝を伝える必要が『仮にあるのだとしても』、その方法がおっぱいを触らせることだなんて、どう考えてもおかしいではないか――!!


(――でも、最高に気持ちいい……っ♥♥)


「いや……二度としないも何も、律季は『炎夏の乳揉んだら強くなる』能力者じゃぞ。この先戦いがあるたびに、否応なく触られるではないか」


「もう水鏡くんを仕事には連れて行きません。……いえ、夢の中にも二度と入れさせません。確かに今回は助けられましたから、その分のお礼はしますけど……今日限りです」


「な……何を言うか貴様!? おっぱい触らせたくないだけで、そこまで意地を張る気か!?」(むんぎゅ~♡)


「そんな事じゃないですよ! 彼をもう巻き込みたくないんです! 魔法使いなんて、本当はならない方がいいんですから……!」(ぎゅうううっ!!)


(うぐぐぐ……♥ せ、先輩っ……ちょっと力抜いて……♥)


 わりと真面目な話をしているのは分かるが、四つのおっぱいに前後からサンドイッチされた状態で考えごとができるはずもなかった。

 ケンカがヒートアップするのに合わせて挟む力が強くなる。声が出せないので、必死でベッドをタップした。


「あ、ごめん。苦しかった?」


「話は後じゃ。今は、おぬしへのご奉仕をまっとうせんとな……♡

 ――さ、炎夏♡ わしと一緒に、律季への感謝を伝えるぞ……わしに続けっ♡」


「は、はい……っ♡」



 「……すぅ~~~~~~~っ♪」「……すぅ~~~~~~~~っ♪」

 いがみあっていた二人が、ぴったりのタイミングで息を吸い込み始めた。それだけで耳元がくすぐられる。そして――




「ありがと、律季っ♡ 炎夏を助けてくれて本当にありがとう♡ 律季はとっても強くてかっこいいぞ♡ かっこいいかっこいいかっこいいっ♡ ありがとうありがとうありがとう……っ♡♡」


「ありがと、水鏡くん♡ 私を助けてくれて本当にありがとう♡ 水鏡くんはとっても強くてかっこいいよ♡ かっこいいかっこいいかっこいいっ♡ ありがとうありがとうありがとう……っ♡♡」




(あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……ッ♥ す、すっご……!?)


 ぽしょぽしょ声で前後から、感謝と肯定の言葉をささやかれる――それはまさに麻薬だった。

 同時に、レイン先生のひんやり爆乳と天道先輩のほかほか爆乳が『ごしごし♡♡ すりすり♡♡』とこすり付けられる。暴力的な快楽に意識が飛ぶ。




「あーかっこいい♡ かっこいいのじゃあ♡ ほんと素敵すぎるのじゃあ……♡ 魔法使いになった初日に源形に到達するなんて、聞いたこともない……♡ どれだけ天才なんじゃ、このこの♡」


「水鏡くん、ほんとにかっこよかったよ……♡ 夢の中で私を見つけた時、君は助けてじゃなくて逃げろって言ったよね……♡ あの時は私、ホントにうれしかったんだよー……♡ 夢の中で私のこと心配してくれた人なんて、他にいなかったもん……♡ 

 男の人におっぱい押し付けるなんて、ほんとは恥ずかしくて最低だけど……一回ぐらいならまぁいいかって思うぐらいには私、律季くんに感謝してるよ……♡」


(ぜ、全然レイン先生に続いてない……!! なにそれアドリブ!?)


(……わしよりスラスラ誉め言葉を言いよって。結局ノリノリではないか……負けてられんな)




「「かっこいい♡♡ かっこいい♡♡ 好き好き好き好き……♡♡♡♡」」




 ――耳が融けてなくなりそうな褒められまくりタイムは、そのあともしばらく続く。

 も、もう、いつ死んでもいい……!! おっぱいサンドイッチにもみくちゃにされる中で、俺は百回ぐらいそう思った。













「――え゛っ!? ……じゅ……12時13分ッ!?」


「どうした律季。なにか用事でも?」


「いっ、いや……進んでなさすぎません? 時間……」


 カーテンを開けた瞬間びっくりした。

 レイン先生はブラジャーをつけ直しながら怪訝な顔をしているが、明らかに時計の表示がおかしい。ここで散々エロエロしていたのに、昼休みに入ってまだ十分ちょっとしかたっていなかったのだ。ぶっちゃけ途中からは授業もすっとばす覚悟だったのに、余裕で昼飯を食える。

 俺のスマホも同じ時間を指していた。時計の故障でもないようだ、


「おや、ホンマじゃのう。えらく濃厚な時間を過ごしたものじゃ」


「そういう問題なんですか!? けっこう長い事、ここにいた気がしますけど……」


(――効いておらんのか。違和感凍結が……)「まあまあ、よいではないか。楽しかったろう?」


「すっごく楽しかったです!!!!」


「……あああ……空気に流されて、なんてことを……」


「うん、おぬしはおぬしですごかったの。あまりにノリノリすぎてビビったわ」


 天道先輩はうつぶせに寝ながら頭を抱え、なっがいおみ脚をバタバタとさせて苦しんでいた。

 レイン先生にオウム返ししていたのが最初だけだったので、たぶん自分自身の本気の思いを口に出していたのだろう……うぬぼれかもしれないが、全部演技ならこんなに恥ずかしがらないはずだ。


「で、結局おぬしの考えは変わらんのか? 今後律季を仕事に伴わない、という……」


「……はい。バディになったからって、あんな危ない所にわざわざ連れて行く理由にはなりませんから。今回は守ってあげられませんでしたが……だからこそ、もう失敗できません」


「い、嫌ですよ。そればっかりは反対です。

 ――危ないならなおさら、先輩を一人にできないじゃないですか。俺ももう魔法使いなんですから、夢だろうがどこだろうが勝手におしかけますよ」


「ダメ。――言っとくけど、夢の中で君を見かけたら、私めっちゃ怒るからね? 今までもずっと一人だったし、私にとってはどうってことないわ。その気持ちだけで充分よ。

 ……じゃあね。螢視(ケージ)が呼んでるから、もう行くわ」


「……あ、ちょっと……!」


「――むう。相変わらずの意地っ張りめ」


 俺は追おうと思ったが、先輩が出て行った瞬間、レイン先生が杖を振ってドアを閉めた。

 ――あれは、オビワンがやってたヤツ! ……その動作だけで『どたぷんっ♡』となるおっぱいもすごい! 少年の心と性欲を同時にくすぐられて、俺は思わず見とれてしまった。


「しかし、これはショックじゃのー……。あれだけやって炎夏に拒絶されてしまうとは。

 ――大丈夫か律季? おっぱい見ろー?」


(命令形!?)


 ブラジャーの上から白衣だけを羽織ったレイン先生が、前を開けておっぱいをさらけ出した。

 もちろん見る。顔を近づけてガン見する。


「んー……あの感じだと、律季個人には好感を持っているようじゃが……だからこそ、律季をこの世界に巻き込んでしまった自分を、責めているのかもしれんな。なにせ炎夏は、そもそも魔法自体が嫌いなのじゃ」


「え……そうなんですか?」


「あ、顔見て話すなんて礼儀正しいことせんでいいぞ。目線はおっぱいにキープじゃ。まばたきしないぐらいにガン見するがいい。――なんなら、顔をうずめてもよいぞ♡」


「……はい」


 視界が爆乳しかない。

 黒のレースにきつく包まれた乳肉。見続けているうちに自然と鼻息が荒くなってしまう。


「ほら、さっき『魔法使いなんてならない方がいい』とか言っとったろう? ……おっぱい責めされてたおぬしには、聞こえてなくとも無理ないがな。

 しかし悲観することはない。軽く流さず頑固にイヤがるのは、心理学的に言えば距離が縮んでいる証拠じゃ。おぬしらの仲は着実に進歩しておるよ」


 足を組んだ上に、ブラジャーおっぱいが乗っている。

 上もすごいが、下半身もやっぱりすごかった。太ももはムチムチなのに、足の長さがスーパーモデル並みだ。腰のくびれに対して、お尻の幅が軽く二倍はある。


 ――ぱふっ♡


「うむ、素直でよろしい♡ ではそのまま聞くがよい」


 我慢できなくなって、谷間に鼻先を突っ込んでしまった。

 すーすーふがふがとひとしきり息を荒げてしまう。レイン先生の香りを吸い込みすぎると話が飛んでしまいそうなので、それ以上は我慢した。

 

「で、話の続きじゃが、おぬしと炎夏の仲はちゃんと縮まっておる。ゆえに今は、恋愛よりも『仕事』の方に集中すべきじゃ。

 残念じゃが、炎夏は現状を理解しておらん。律季を戦わせるべきか戦わせないべきか……などと言っている場合ではないのじゃ。おぬしら二人は既にバディ。協力する以外の道はないのじゃからな」


「そう焦らなくてもいいじゃないですか。満月の夜にしか『フリーメイガス』の仕事はないんでしょう? 一か月あれば天道先輩も考え直してくれますって」


「――紳士的なのはいい事じゃ。しかし事態はおぬしが思っているよりも、はるかに深刻なのじゃ……律季よ。

 おぬしらは『イルミナ教国』に目をつけられた。すぐに奴らの刺客がやってくるぞ」


「……え? てことは、夢の中の魔物と戦えばいいって事じゃなくて……ゆうべみたいに、人間の魔法使いとまた戦うんですか?」


「ああ。しかも猶予も多いとは言えん。早ければ三日後……遅くとも一週間以内には来る。早急に戦いの準備をせねば、炎夏もおぬしも命がないぞ」


「三日後!? え、今から三日後ですか!?」


 ――じゃあエロい事してる場合じゃなかったのでは……!? というツッコミは飲み込んだ。

 黒のデカブラに包まれたおっぱいを腕組みで強調しながら、レイン先生は真剣な面持ちで続ける。


「律季はモテモテじゃからな。教国も放ってはおかんじゃろう」


「真顔で冗談言わないでください」


「そうじゃの。律季のように『かっこよくてモテモテな男』は、確かに狙われないかもしれん。――しかし、炎夏のように『かわいくてモテモテな女』が狙われるのは事実じゃ」


「!?」


 レイン先生の言葉に、禍々しい響きを感じた。

 『強い魔法使いだから』ではなく、『かわいくてモテモテな女だから』狙われる――? 


「超常の力を持つ魔法使いは、現世の権力では縛ることのできぬ存在じゃ。『フリーメイガス』の役目とは、その超人たちの世界に秩序をもたらすこと。我々は魔法使いを守る組織であると同時に、魔法使いから世界を守る組織でもある。実力でもって暴力を律する、魔法世界の警察力なのじゃ。

 しかし教国は我らと対照的に、欲望にまみれた無法者の魔法使い集団。あの『狩人狩り』共がいい例じゃろう。奴らが炎夏を殺しにきたのは、単に自分たちの手柄のため。てめえだけの利益のために、人の命さえ奪って構わない……そんなケモノの価値観で動いておる連中じゃ」


「……力づくで欲望がなんでも叶えられると……そう増長した人たち? 確かに思い当たる節は多々ありますが」


「――そんな下衆どもが、あの(・・)炎夏を放っておくと思うか……? 命だけでなくカラダまで狙うに決まっておろう。

 まさにおぬしの言う通り『力づく』でな。……意味はわかろう?」


「――……!!」


 説得力がありすぎる話に、俺は青ざめた。

 ……思えば今回の襲撃はリーダーが魔女だった分、そして俺が夢に入れた分、幸運だったのかもしれない。もし先輩が男の二人組に襲われていたら? 襲われたのが先月や先々月だったら――どんな結末になっていただろう?

 想像もしたくないが、何かがひとつ違えばそうなっていたのだ。


 そして、その危険はいまだ去ってはいない。

 先輩を独りにするわけには絶対にいかないのだ。


「むろん奴らも一枚岩ではない。良心ある魔法使いも当然いるのじゃが……汚いハイエナは、獲物の匂いに敏感じゃ。真っ先の一番手で来るような連中は、炎夏を犯そうと企む悪党と考えていい。

 ――その炎夏を守ってやるためには、バディたるおぬしが強くなるほかない」


「どうすればいいですか?_できることならなんでも……いや。例えできないことでも、やってみせますよ」


「……よく言った。じゃが、できないと思う事はやらせぬよ。

 ――このわしが稽古をつけて進ぜよう。今のおぬしにできるギリギリのメニューでな」


「!」


「現世で魔法の練習をするわけにはいかぬ……今夜『魔女の悪夢』へ来い。入り方は教えてやる。起きているうちにきっちり食べて、元気をつけておくことじゃ」





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