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10日目:今日の成果

いつも誤字報告ありがとうございます。

「ナツ、知ってるか? 掲示板の機能に各国語辞書っていうのがついててな、ここに単語をいれると他国の言葉に翻訳してくれる機能がある」

「超便利じゃん!」

 なんてやり取りを経て、待望の新入社員の名前はテトに決定した。

 最初はギリシャ語で虹を意味するイーリスが候補に上がったんだけど、どうやら女神様の名前のようで、猫の性別がよくわかんなかったので却下。なんか良い響き無いかなーと探した結果、グルジア語で白を意味するテトゥリが良いのでは、となったのである。で、それを簡略化してテト。

 名付けてから思い出したけど某超有名アニメ映画に出てきたキツネリスがそんな名前だった気がする。……まあ、かわいいという共通点があるので許されるでしょう! 僕もイオくんも名前は二文字で作ってるし、揃えた方が仲間っぽいよね。


「そんで君は何を食べるのー?」

 ナツとおんなじのー。

「ほんとー? クッキー食べる?」

 たべるー!

 なんて楽しく戯れていたら、イオくんに「スキル確認が先だろうが」、と指摘されたのであった。そうだね。決して忘れてたわけでは……はい、忘れてました!

「テトのスキルは、基本スキルが<飛翔><騎乗><空間収納><空間魔法><一気加速>、固定スキルが<騎乗者保護>。固定スキルの方はスピード出しても僕が投げ出されたりしないやつだと思うよ」

「気になるのは<空間魔法>だな」

「だねー、他はなんとなく分かるけど」

 存在自体が初耳なんだよね<空間魔法>。

 今のところこれを使えるトラベラーはいないと思う。住人や契約獣専用のスキルで、トラベラーにはあとから実装されるとかもありえるけど。


「テト。<空間魔法>では何ができるんだ」

 イオくんが話しかけると、ピッ! と背筋を伸ばすテトである。君、僕と同じでイオくんに頭上がらない感じだな? そんな助けを求めるように僕を見なくても大丈夫だよ?

「僕も<空間魔法>見たい! どんな魔法なの?」

 んとねー。

 テトはちょっとだけ首を傾げて、それから見てて! と胸を張った。それからてててっと作業台の上を走って、その足が空中を踏みしめる。

 おお……? なんだかキラキラした透明な板が浮いてる……?

 テトはその板を踏むようにして走り、テトの足が離れると同時に板が消えていく。これは……もしかして魔法でこの板を空中に作り出してるってことか。

 最後にぴょんと高いところから飛び降りて、くるっと一回転して僕の前まで戻って来るテト。ちょっと得意げな顔である。

「すごい! なにもない空間に足場を出してるんだね!」

「なるほど……」

 まだレベル1だし、<空間魔法>で出来ることは限られているだろう。でもなんだか先の可能性を感じるスキルだ。えらいぞー! すごいぞー! と思いっきり撫でておこう。

「シーニャが、魔力を与えればある程度成長を促せるって言ってたが、どの程度まで大きく出来るんだろうか」

「あー、明日、如月くんとの待ち合わせの前に、契約獣屋さんに行ってみる?」

「そうだな。ある程度知識を仕入れたい」

 一応、テトに魔力補充できる? って聞いてみたけど、まんぷくー、と返されてしまったんだよね。1日に与えられる魔力量はやっぱり決まってるっぽい。ってところで、一旦テトについては保留。


 次の話題となるのは、もちろん僕の新たなスキル<原初の呪文>だ。

 見せてほしいとリクエストが入ったので、張り切ってやってみせましょう! さ、ユーグくん出番だよ!

「まずこのマグカップに、【アクアクリエイト】。そしてこの水を、【加熱】!」

「……お湯になったな」

「そして【冷却】!」

「水に戻った」

「さらに【冷凍】!」

「凍った。温度を操る魔法なのか?」

「んー、そういうわけじゃないんだけど、これで習ったからつい。えーっと」

 漢字二文字で、更にイメージが明確なもので、すぐに使えそうなもの……何があるかな? まだ使い慣れてないから、失敗したとしても大惨事にならないやつってなると……。

「よし、じゃあ、【微風】!」

「お、風が吹いた」

 弱い風ー! ちょっと頬を撫でるだけの弱い風ー! と念じてこれは成功っと。

「あとは……できるかな? 【足場】!」

 さっき見せてもらったばかりのテトの板。あれ作れないかなー? と思って思い出しながら目の前の空間を杖で指すと……お! それっぽいものが! 直径20センチくらいの丸い板が出現したのを見て、テトがぴょいっとそれに乗っかって尻尾をピンと立てた。乗れるということは、成功だ。


「……何でも出来るな……?」

「そう、凄く幅が広いんだよ。漢字二文字で表現できるものならたいてい出来る」

「チートでは?」

「それねー」

「で、弱点は?」

「さすがイオくん、そこに気づきますか。まず発動のクセが強いこと。かなり具体的にイメージ出来ないとだめ。魔法を使い慣れてる僕でもコツを掴むのに2時間かかるので、普段魔法使わない人とか具体的な想像が苦手な人にとってはかなりしんどいと思う。あと他のスキルとの連携が無いから、お得感も微妙。攻撃はあんまり得意じゃないらしいし、戦闘中に何が出来るのかをこれから探る必要があるね」

 加えて住人の師匠が必要ってことを考えると、あんまり広まらなさそうなスキルだなという印象。僕は楽しいけど、決まった呪文のある魔法スキルのほうが楽だし。<原初の呪文>は原初なだけあって、手探り感が強いんだよね。それに比べて魔法系スキルは呪文さえ唱えれば適切な魔法が出せるんだから、調整済みでやりやすい。<魔操>で多少の強弱をつけられるから不便は無いしね。

「広く浅く! って感じのスキルだという結論です」

「へー。成長したらどうなるのか気になるな、ぜひ発展スキル出してくれ」

「がんばる」

 だけど発展スキルに何SPかかるか、今から戦々恐々だよ。頑張って貯めるけど!


 そのあたりでテトが足場からぴょんと飛び降り、僕が作った足場が消滅。結構長く持ったなあ、30秒よりは長かったし、いざとなれば人間用の足場にもなるかも? 本当に幅が広いスキルだ。それにしても家の新人めちゃめちゃ可愛いのでは? これは親ばかが捗りますね……。しかもこれから2人乗れるくらいでっかくなる。最高では!

「僕の方は以上だよ。今日は生産したら一旦ログアウトして、連続ログイン時間リセットしないとね。如月くんには15分休憩取る予定って連絡したけど、リアル今10時半くらい?」

「だな。イチヤすげえ混んでるらしいぞ」

「はじまりの街だからそれはしかたないよねー」

 その人達の何人くらいがハンサさんの果樹園にたどり着けるか、楽しみではあるけど。

「明日は朝市スキップで良いんだよな?」

「流石に連続は疲れる。でも、テトを紹介しに、もう一回は行きたいね」

「金を貯める必要がある。あそこは魔境だ……」

 そうだね、生き生き散財してたよねイオくん。いやでも分かるよ、誘惑が多すぎるんだ、朝市は。お守り売ったから多少お金は戻ってきてるけど、やっぱりもう少し金策してからじゃないと2度目のトライは無理だね。

 作るか、お札を。あと<上級彫刻>のレベルが1上がれば、ガラスにもお守り彫れるから、そこまで持っていって……ハンサさんの依頼の品を……。

 腰痛のお札、なんかちょっといい感じに絵柄ごまかせない? 表面に柄隠しのシールかなんか貼れたらいいのになー。


「あ、イオくんてりやき! てりやきチキンをお願いします!」

「任せろ」

 というわけで生産のレベル上げを開始。あっ、テトがすでに寝てる! 僕に寄り添って寝てる! これはかわいい! 極力動かないようにお守りを作らねば……!

 イオくんがテキパキ料理を開始する横で、明日以降の予定を一旦練り直しておこう。まず、朝市、カレー、日本酒、テアルさんとの再会など、いくつかの項目は達成したので削除。新たに追加する項目は……まずイオくんの盾! 予備を含めて2つくらい買っても良い。あと頑健のお守り作って置かなきゃ。

 それから、金策ってほどでもないけどリバーイービルが水の魔石を落としてたから、あれもイオくんが集めたい感じだった。ウォータースパイダーより戦いやすそうだったし、レベルが13以下くらいなら2人でも自爆前に倒しきれるかな? 一回戦っておこう。

 あとは、できればハイデンさんたちのお見舞いには行きたいね。やっぱり自分たちで救出したわけだから、その後の経過は気になる。


 生存者救出イベントについては、フラグ管理が個別だから、自分たちが救出したり、救出に協力した住人たちには、以降街で会えるようになる。今回の場合だと僕たちや如月くんはハイデンさんとサンガで会えるけど、関わってないプリンさんはハイデンさんに街で会うことはできない。救出場所を詳細に掲示板とかに書き込むことは出来ないけど、ヒントはある程度許されるみたいだから、あとでプリンさんには情報を流して置こうと思う。

 まあ、地図の空白地を埋めてたら、いずれ救出イベントは起こるものだけど。やっぱり近くで苦しんでる人達がいるってなると、早めに助け出したいのが人情というものだし。

 人情といえば、明日のテアルさんとの面会、どうなるかなあ。ジンガさんの様子も、もう一度見に行きたい気がする。落ち込んでなければ良いんだけど……それは無理か。でも、落ち込んでもその後に、なにかジンガさんにとって未来に活かせるものが、残れば良いね。



***

ここまでのナツのステータス


ナツ プレイヤーレベル13 上級魔法士レベル6

HP:150 MP:430

筋力:5 物理防御力:15 魔力:43 魔法防御力:32 

俊敏:10 器用:18 幸運:40

残りPP:1

■基本スキル

<闇魔法>レベル6 【ダークアロー】【ダークアイ】【ダークウォール】

<光魔法>レベル7 【ライトアロー】【ライト】【ライトウォール】【ホーリーギフト】

<節制>レベル9 <瞑想>レベル2 <魔操>レベル5 <ヘイト低下(小)>レベル9 <魔力ブーストⅠ>レベル5 <迷彩>レベル2 <原初の呪文>レベル1

■発展スキル

<上級水魔法>レベル2 【ウォーターアロー】【アクアクリエイト】【アクアウォール】【アクアヒール】【アクアレイン】【ディフェンシブ】/ 【アクアランス】【ミスト】

<上級火魔法>レベル2 【ファイアアロー】【イグニッション】【ファイアウォール】【パワーレイズ】【ファイアレイン】【ファイアヒール】 / 【ファイアランス】

<上級風魔法>レベル1 【ウィンドアロー】【クリーン】【ウィンドウォール】【ウィンドヒール】【ドライ】【ウィンドラッシュ】/【ウィンドランス】【フロート】

<上級土魔法>レベル1 【サンドアロー】【サンドウォーク】【サンドウォール】【サンドラッシュ】【クレイ】【リフレッシュ】/【サンドランス】【バインド】

<MP回復量増Ⅱ>レベル5 <識別感知>レベル6 <罠感知>レベル2 <総合鑑定>レベル6 <高度魔術式>レベル1

<上級彫刻>レベル6 【フリードロー】【インスピレーション】【アンドゥ】 / 彫刻可能:木材、石材、ガラス

■固定スキル

<ヘイト軽減Ⅰ>敵からのヘイト20%軽減

<MP軽減Ⅰ>使用MP20%軽減

<魔法回復量増加Ⅰ>自分が使用する回復魔法の回復量を20%UP

<グッドラック>レアドロップ率UP、レア遭遇率UP、レアイベント発生率UP

<妖精の眼> 妖精郷・それに準ずる場所への扉、隠れている妖精を見つけることができる。

<意思疎通> 自分の契約獣とある程度の意思疎通が可能になる。

残りSP:18

次の話は閑話の予定です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 連日更新ありがとうございます。 [一言] 考えてみると、原初の呪文って調理とかにめちゃめちゃ使えそうだよなぁ。 撹拌、蒸留、発酵、浸透、とかイオくん覚えてたら料理騎士から料理魔法騎士にジョ…
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