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7日目:ピーちゃんのハピハピ


 さて、夜のキャンプだ。

 僕たちのクエストクリアタイムは結構早い方だったらしく、あの後馬車に合流してからまた移動が挟まって、そこはスキップ可能だった。多分あれ、1匹ずつ釣り上げて各個撃破するのが正攻法だったんじゃないかなあ。それで時間が長めに見積もられてたんなら納得できる。

 僕たちが脳筋だったので、殴りこんで時間短縮してしまったという……。いや、でもあんなのだらだら同じ敵倒し続けるのって、飽きるし。集団戦はそれはそれで楽しかったし、まあいいか。

 そんなわけで若干先に進めたおかげで、サンガに続く崖の直下にあるキャンプスペースまでたどり着いたというわけだ。ここからサンガの南西門までは約2時間で着くとのこと。距離的には崖を上に登っていくだけだからそれほどでもないけど、夜は危ないので通行禁止なんだって。


「トラベラーさんたちが頑張ってくれたおかげで、安全にサンガにつきます。ありがとうございます」

 と御者さんが特別に出してくれた肉。これが、何とトレント撃退クエスト報酬の『高級肉:ワイバーン』です。

 そう! あの! ワイバーン! いわゆる夢のドラゴンステーキ!

 ただしアナトラの世界では竜は聖獣さんなので、ワイバーンと竜はきっちり区別されている。会話と意思疎通ができるのが聖獣の竜で、会話ができず攻撃してくる魔物がワイバーン。

 大きさも、竜が巨大なのに対し、ワイバーンはせいぜい一軒家くらいの大きさまでしかないから、区別は簡単なんだって。

 そしてこの肉がめちゃくちゃ美味しいらしい。


「イチヤにトラベラーさんたちがやってきてから、周辺を探索していたパーティーがワイバーンの肉を持ち帰ってくれたんですよ」

「へえすごい! 強い人がいるんですねえ」

「いえ、それが、神獣様に土産にもらったらしいですね」

「神獣様……?」

 え、何それ。

 首を傾げた僕に、御者さんは丁寧に説明してくれた。なんでも、統治神スペルシアが何らかの理由で神を辞さねばならなくなった時に、その代わりとして神域へ渡れる力を持った者たちのことを神獣と呼ぶんだって。

 いわゆる、神に至る器を持っている強い存在のことだ。


「そう言った存在は、どなたも巨大な体と神々しい存在感を持ち、レベルも高く、名前に「神」がつくので覚えておくといいですよ。どこかで会うことがあったら、決して敵対せずに話をすることをお勧めします」

「わかりました。ご挨拶からですね」

「はい。そのパーティーも偶然神獣様と出会い、話をして神獣様に認められた結果、また遊びに来いと言う許可と共にワイバーンを3匹もお土産にもらったのだそうです。運よくその肉を買い取ることができましたので、美食の街サンガへ卸しに行くのですよ」

 御者さんはにっこにこでそんなことを教えてくれた。ここで出されたワイバーン肉はごく一部で、サンガで売りに出すものはかなりの値段が見込まれるんだって。そんな高級肉をバーベキュースタイルでステーキにして食べられる僕たちはかなりラッキーだね!

 あ、ラッキーと言えば。


「ピーちゃん、ちょっと聞きたいんだけど」

「ナニー?」

「ピーちゃん僕にバフくれたでしょ、【ハピハピ】ってやつ。あれって何魔法?」

「ヒカリマホウヨー! アノトキオボエタノ」

 光魔法かー。優先して育てたい理由ができちゃったなあ。レアドロップ率UPなんてすべての戦闘に使いたい魔法じゃん。

「ピーちゃんの魔法すごいねー。僕もあの魔法覚えられるかな?」

「ワカンナイ! アレハネー、ハピハピナヒトニダケツカエルノー!」

 ん? どういうこと??

「……僕はハッピー?」

「ナツハ、ハピハピヨ!」

「えっと、プリンさんは?」

「プリンチャンハ、チョットダケハピ!」

「えーっと、イオくんは?」

「イオハ、ゼンゼンハピハピジャナイノ!」

 ん-?? もしかして幸運値の差かな? 僕とプリンさんが高くてイオくんが低いステータスの筆頭は幸運か魔力だけど、ハピハピという表現をするからには多分幸運だと思う。

「僕の幸運値が高いから使えたってこと?」

「ソウヨー。ナツクライハピハピジャナイト、セイコウシナイノヨ!」

「そうなんだ、教えてくれてありがとう」

 幸運値が高くないと、そもそもバフが成功しないってことかな。うーん、魔法って奥が深い!


「ナツー! 焼けたぞー!」

「はーい!」

 スキルとか色々考えたいことはあるけど、それはサンガに行ってからにするとして。今日は美味しいお肉を食べられるので、素晴らしい日。


「おおお!? すっごい、これ口の中で溶ける! 塩コショウだけのシンプルな味付けなのに、じわじわと旨味が溢れる……!」

「美味いな」

「イオくん食レポ向いてないよ!」

「優勝」

「それは同意するけど!」


 うむ、ワイバーン肉の優勝です。


****

ここまでのナツのステータス


ナツ プレイヤーレベル13 上級魔法士レベル5

HP:150 MP:420

筋力:5 物理防御力:15 魔力:42 魔法防御力:32 

俊敏:10 器用:18 幸運:32

残りPP:6

■基本スキル

<土魔法>レベル7 【サンドアロー】【サンドウォーク】【サンドウォール】【サンドラッシュ】【クレイ】

<風魔法>レベルMAX 【ウィンドアロー】【クリーン】【ウィンドウォール】【ウィンドヒール】【ドライ】【ウィンドラッシュ】【ヘイスト】

<闇魔法>レベル4 【ダークアロー】【ダークアイ】

<光魔法>レベル4 【ライトアロー】【ライト】

<魔術式>レベル9 <節制>レベル7 <瞑想>レベル2 <魔操>レベル4 <ヘイト低下(小)>レベル7 <魔力ブーストⅠ>レベル4 

■発展スキル

<上級水魔法>レベル2 【ウォーターアロー】【アクアクリエイト】【アクアウォール】【アクアヒール】【アクアレイン】【ディフェンシブ】/ 【アクアランス】【ミスト】

<上級火魔法>レベル2 【ファイアアロー】【イグニッション】【ファイアウォール】【パワーレイズ】【ファイアレイン】【ファイアヒール】 / 【ファイアランス】

<MP回復量増Ⅱ>レベル5 <上級彫刻>レベル3 【フリードロー】【インスピレーション】

<識別感知>レベル5 <罠感知>レベル2 <総合鑑定>レベル6 

■固定スキル

<ヘイト軽減Ⅰ>敵からのヘイト20%軽減

<MP軽減Ⅰ>使用MP20%軽減

残りSP:61

アクセサリ:「食のお守り」 お腹が空いているとき、素早く動けるようになる。満腹の時、魔法防御力が上がる。(現在:魔法防御+2)(6日目/7日)

「最大HP上昇のお守り」所有者の最大HPを上昇させるお守り。最大HP上昇20%(150→180) 

「身体保護のお守り」身体的状態異常無効 (8/8回)

「若葉のペンダント」 幸運+5

装備品は割愛

次は閑話が2話続きます。

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