40日目:レベルアップと……?
自動でPPが振り分けられたのは、幸運と魔法防御。というわけで現在の素ステータスはこちら。
ナツ プレイヤーレベル17→18 上級魔法士レベル13 名声:神水精霊の友
HP:200 MP:500
筋力:5 物理防御力:20 魔力:50 魔法防御力:51+1=52
俊敏:10 器用:30 幸運:51+1=52
残りPP:2
うーん。僕は魔法士なのに、魔力が負けてるなあ。上げたいけど幸運も器用も上げたいし、魔法防御力もスキル取るためには60まであげないといけないし……。
ま、いっか。
魔法攻撃はどうせ、イオくんからヘイト取らないように普段から控えめにしてるし。50もあれば今のところ充分だと思っておこう。アナトラは戦ってない時MPとHPが自動回復していくし、ポーションもそんなに高くないから回復手段は割と利潤。MPも500で今のところあんまり不便がない。
「イオくん何上がったー?」
「筋力と器用。……ナツは<心眼>とったんだし、鑑定系取得するか?」
「その予定だけど……僕、今SP24しかないんだよねえ」
このゲーム、SP溜まりやすいけど、その分出ていく分も結構大量で、結局枯渇しがちなんだよね。イオくんは特殊スキルでもある<護衛の心得>のレベルアップのためにSPためないといけないし。24もポイントがあれば色々取れるけど、発展スキルが上限に達したら瞬く間に消えて行くしなあ。
「あ。<上流作法>のレベル10になってる」
「リゲルと行動したからか? 俺もだな。発展スキルは……」
えーっと、関連性のあるスキルで検索して……これかな? <貴族儀礼>と<演奏>、<歌唱>。あんまり作法関係なさそうな後ろの2つは、もしや貴族が嗜む芸術枠か。
「歌は絶対に取らないとして、<演奏>は物によって興味あるなあ」
「楽器売ってる店なんかあったか?」
「覚えてないなあ。今のところはいらない」
で、<貴族儀礼>か。
<上流作法>の正当な上位技能だろうけど、今後もリゲルさんとは関わり続けるだろうし、一応とっとこうかな。取得SPは5で、レベル20でMAX。この上のスキルって何になるんだろう、なんかイメージできない。
「もうちょい、殴りに補正かかるようなスキルがほしいんだよなあ」
とぼやくイオくんだけど、あなたの両手には剣と盾があるんですよ。まじで盾をただの殴りの道具だとした思ってないぞこの人。
「盾の耐久大丈夫?」
「おう、ラドンのところでちゃんと回復してもらった。腕の良い職人に頼むとやっぱ全回復でいいな。あとは靴がちょい不安」
「靴? 僕の靴、耐久全然減ってないけど……」
「お前は移動テトに頼ってるからだろ」
「ああ」
そういや足場悪そうなところはテトに頼り切りだったな。テトー、休憩中だから出ておいでー! と呼びかけると、うにゃっとブローチから飛び出すテトさん、会話が聞こえていたようで、僕に向かってふんすっとドヤ顔をした。
ナツ、テトにいっぱいたよるとよいのー!
「テトは頼れるし名探偵だし空も飛べちゃうからすごいねー、えらい! なでましょう」
にゃふー。
満足そうなテトさんに僕も満足しつつ、スキルを見ていく。うーん、欲しいスキルは多いんだけど、SPが少ないから迷うなあ。幸い、<原初の魔法>はまだまだレベル4だし、そんなに大量にSP使いそうなのは他にないか……?
今はSPを増やしたいんだけど。
「何ならSP3の基本スキルいくつかとって、カンストさせればSPは増やせるぞ?」
「基本スキルは上がりやすいからそれもありだねえ……!」
全く無意味なスキルを取るのも嫌だし、何か使えそうな基本スキルってあるかな? そこそこお役立ちですぐレベルMAXに出来そうなやつ……んーと、基本スキルで検索して……。
「<鉱物知識>、<デザイン>、<魅了耐性>……あたりかなあ」
<鉱物知識>は、文字通り鉱物の知識が増えるやつ。そのへんの石でも、鉱物が含まれているとわかるようになるらしい。<鑑定>系のスキルを使わなくても鉱石がわかるので、鍛冶する人にとっては必須スキルらしい。僕は<細工>用の金属をゲットするために持っといてもいいかなーって感じ。
<鉱物知識>が常時発動で、見るだけでわかるってところがポイント。このスキルを持ってないと、<鑑定>系スキルをいちいち使わないとわかんないからね。
次に<デザイン>。
これは、<彫刻>とかでなにか作る時、図案を自動でいい感じに修正してくれるスキル。ヘロヘロの線を引いてもシュッとさせてくれるのである。ちょっと便利そうじゃない? レベル上がったら合いそうな図案の提案とかもしてくれるっぽくて、アシストスキルとして優秀って掲示板で言われてた。……らしい。イオくん情報なので間違いないです。
<刺繍>とか<鍛冶>の刻印系でも活躍するらしいので、取得者も多いんだって。ただ、<彫刻>で言うところの【フリードロー】中、デザイン決めのために使うスキルだから、<彫刻>の腕を修正してくれるスキルではないので……作ってるときに線がへろったらそれは修正してくれない。
まあ、そんな自動アシストできれいに<彫刻>出来ちゃったら品質上がり放題だし、流石に無理だよね。
最後に<魅了耐性>。その名の通り、魅了に耐性ができるやつ。
僕達にはお守りがあるから、状態異常ってあんまりかかることなくて、だから耐性系スキル一切持ってないんだよね。で、僕がかかったことある状態異常……正しくはかかった瞬間お守りで弾き飛ばした状態異常、そう、きのこである。魅惑のきのこ。
……やっぱきのこが魅了してくるこの世界、予想外過ぎて楽しい。
「僕達お守りがあるからあんまり耐性は意味ないかもだけど、お守り切れるタイミングもあるかもだし、一応取っとく?」
「それ、スキルレベル上がんねえぞ多分」
「あ」
確かに、お守りあるから今後魅了を食らうことがあんまりなさそうではある。SPに余裕があるときに保険で取るスキルであって、SPを増やしたいときに取るスキルじゃないか……。
「イオくん何かおすすめある?」
「<夜目>は? 今は夜戦ってねえけど、そのうち夜のフィールドも歩くと思うし、取っといていいんじゃないか?」
「あー、でも<ライト>も<ダークアイ>もあるからいらないかと思って」
「魔法だと効果切れのタイミングがあるだろ。<夜目>なら暗いところで常時発動だから、そのへん心配しなくて良くて楽だぞ」
「確かに」
それならとっておこうかなあ、夜のフィールドウロウロすればすぐスキルレベル上がりそうだし。テトは夜目効くのかなー? 猫さんだから暗いところ得意そうだけど。
テトくらいところみえるよー。
「やっぱりそうなんだ。さすがテトさん、夜もお任せだね」
にゃふー。テトのこと、たよりにしてよいのー。
ドヤッとするうちの猫大変可愛いので撫でましょう。そしたら基本スキル<夜目>をSP3でゲットして、スキルレベル上げてSP貯めなきゃ。
「イオくんは何か取る?」
「俺も<夜目>は取る。ただ、特殊スキルがあるからな……」
「次は何SPかかるかわからないやつだ。でもそれでスキル取るのを渋るのもねえ」
「俺は<心眼>取れたら、とりあえず鑑定系は全部取るぞ」
「いいなー」
僕はちょっと、そんな余裕がないからしばらく保留。他に何か面白いスキル出てないかなー? と思いつつ取得可能スキル一覧を流し見していると……ん? 待って。
「イオくん、特殊スキルって取得条件満たしてない時でも一覧に出る? なんかすごくそれっぽいのがグレーアウトしてるんだけど」
「どれ?」
取得可能ではないけど、今後取得可能になりそうなスキルは、グレー文字で一覧に載ってくることがあるんだけど……これ多分どう考えても<グッドラック>さんの進化先だと思うんだ。
「これ。<ベリーグッドラック>」
「明らかにお前は取得必須なやつじゃん」
固定スキルだし、多分そうだと思うんだけど……<心眼>さん、このスキルなんだか分かるー?
「……あー。<グッドラック>取得してて、なおかつプレイヤーレベルが30以下で幸運80以上が取得条件だ……!」
「行けそうか? ナツ今幸運値……52か。28上げればいいなら余裕」
「いけると思う。自動振り分けもあるし、職業レベル上がってもPPは入るから」
「転職ボーナスも使えば確実にいけるな」
頼れる<グッドラック>さんの上位スキルかあ、なんかすごそう。これ取得SPどのくらい必要なんだろう、流石にそこまでは取得可能にならないとわかんないか……。
でも<グッドラック>さんはSPを20も使ったから、確実にそれ以上だ。貯めなきゃ、SPを貯めなきゃ……!
「とりあえずSP40まで貯めたい。がんばってスキル上げなきゃ」
「戦闘もうちょいするべきかもな。ナツは上級になってない魔法とか」
むむむー。テトいっしょにいけないのー……。
テトさんがちょっと不貞腐れてイオくんにどすどすと頭突きしている。でもイオくんは頑丈なので問題ない……っていうか、テトは絶対ホームにいないといけないのかな。
「テト、ロミちゃんのところに預けられないかな? ホームが嫌なら、友だちと遊んでたほうが気が紛れるかも」
ロミー? あそぶのー?
「ダナルさんがいいよって言ってくれたら、そのほうがテトは楽しいよね」
む、むむー?
テトさん、とても迷っている感じの表情である。友達とは遊びたいけど、僕達と一緒も捨てがたい、みたいな感じなのかもしれない。契約主として、好かれているのは嬉しいけど、毎回やだやだって言ってるテトさんをホームに送るのちょっと罪悪感あるからなあ。テトが楽しく待てるなら、そのほうがいいよね。
ワイルドピッグ狩りに行くためには南門へ行かなきゃなので、途中でダナルさんに頼んでみることにした。そうと決まれば早速正道まで出て、北門へ。
せめて門まで乗せてもらうと、テトの機嫌は急上昇したので、本当にうちの子かわいいなって思います。
門のところでテトから降りて、南北通りをさくさく南へ。ダナルさんの住居へ舞い戻ったら、お庭にはまだロミちゃんとダナルさんがいたので、そのまま声をかけてみる。
「ダナルさーん! ちょっとお願いがー!」
「おや、何かあったかい?」
ロミちゃんも目を輝かせて近寄ってきてくれたので、撫でつつ、ワイルドピッグ狩りに行く間テトを預かってもらえませんか、って話をしてみると。
「ああ、もちろん構わないよ」
とあっさり了承を得た。
その言葉をきいたロミちゃんが、嬉しそうにテトに顔を寄せたので、テトも難しく考えることはやめたらしい。「ロミとあそぶー」とこちらも了承してくれた。
「すみません、じゃあちょっとの間お願いします。戻ってきたらお肉融通しますね!」
「それはかえって申し訳ないね。でも、少しだけ分けてもらえると嬉しいよ」
にこにこのダナルさんに「もちろん!」と頷いてから、僕達は南門へと移動するのであった。
「ウサギ狩りに行く前に思いつきたかったなー」
「それな」
とか言いながら南門からフィールドに出ると、おや? 視界の片隅に何かアナウンスが。
『契約獣を第三者に預けた為、スキル<コンディション>が取得可能となりました』
「……待ってなにそれ!?」
今まで僕とテトさん常にべったりだったから気づかなかったスキルってことかー!?




